茨木のり子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近読んだエッセイで、偶然にも何度か本作(表題)の有名な詩が引用されており、本書を手に取りました。20篇の初出は1969〜1975年でほぼ半世紀前、でも古さや時代を感じさせません。
特に表題作は読み手を鼓舞・激励し、自戒して座右の詩とする方が多いのも頷けます。詩の最後「ばかものよ」は、これ以上ない叱咤の言葉でしょう。歳を重ねるほど心に刺さり響く気がします。
他人から感受性が豊かだなどと褒められても、こんな世の中なのでストレスで擦り減ったり傷ついたりすることもあります。だからこそ、自分を見失ってはいけませんね。自分の感性や受け止めを大事にしたいものです。
茨木さんの詩は、そんなことを教えてくれている気がします。他の詩も平易な言葉でリズムよく読むことができ、深く感じ入る作品が多かったです。
やはり表題の詩のメッセージ性のインパクトが強く、私もこの詩を記録して、忘れた頃に自身へ問いかけたいと思います。
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「自分の感受性くらい」への想い
初心を失いそうなこと、うまくいかないことを
他人や暮らし、時代のせいにするな このことに尽きます。心の潤いを保って、自分を
もっと磨かないといけない金言です。
※一度思わず詩の全文を転載してしまいましたが、
著作権上違法に該当することに思い至り、お詫び
しながら部分抜粋とします。
↓
さらにさらに、部分掲載も著作権侵害に抵触?
核心部分だとなおさらかもしれません。
重ねてお詫びし、全文削除(2回連続編集)
申し訳ございませんでした…
長い小説の中の一節くらいなら許容範囲なの
でしょうか? -
Posted by ブクログ
ネタバレ詩は正直よくわかっていなくて、まぁこの本を読んだ後でもよくわかっていないんだけど(笑)。
ただ、詩人でもある作者が時に明確に、時に散文的に解説してくれるのはありがたいね。
専門用語も出てこないので、やっぱり「詩って感じたことをそのまま感じていいんですよ」って後押しされた気分。ただ、その感じたことを細かく捕まえなくちゃいけないけどね。
基本的に決まりきった詩人しか読まない人間だけど、谷川俊太郎や岸田衿子は結構刺さったので、別で詩集を買ってみてもいいかもしれない。
恥ずかしいけれど、やっぱり詩って声に出してみると良さが分かるのよなー。 -
Posted by ブクログ
ネタバレむずかしい言葉を使わず、時にリズムよく晴れやかな気分になるような、時に静かにしんと心の奥に沁みるような気持ちにさせてくれる詩たち。
心の中に湧いた思いをこんな風に表現できるっていいな。
反骨精神のようなものも感じられ、悔しさを弾みにするきっかけをくれる。
「私がいちばんきれいだったとき」
若い頃の不幸を嘆くだけで終わらず、長生きすると決めるところがすごくいい。
嫌なことがあっても、それ以上に、これからの人生でたくさんの喜びや楽しみを見つけていこうとするたくましさに希望を感じた。
亡き夫を思って書いた詩にはすごく胸を打たれた。
大好きな人と一緒に過ごせる限りある時間を、大切に味わいたいと思った。 -
Posted by ブクログ
小さな四行詩に、ささやかな拍手を
音楽の歌詞でなく、俳句や川柳とも違う「詩」。わたしは詩にそこまで興味はなかったのですが、詩について語る機会があり、なにか参考になる本はあるかと探りを入れてみたところこの本と出会いました。『自分の感受性くらい』等で有名な伝説的詩人・茨木のり子が、今まで詩という大海の浅瀬しか知らなかった私に、「もう一歩だけ沖に近づくと面白いかもよ」と教えてくれるような本で、著者の優しさを感じます。著者がセレクトしたたくさんの詩を、わかりやすい解説とともに味わうことができ、詩の入門書にうってつけです。基本のキである「詩の味わい方」を説いてくれます。
辻征夫『春の問題』という詩のなんともとぼけた味のかわいらしいこと。原始時代に生きる遠い祖先が春をどうすごしていたかを空想する作者。ラスト一文のバカ真面目なおかしみもあと引く味わいです。
12歳で自殺した詩人、岡真史にはびっくり。詩という形で自分の言葉を残すという考えを、わずか11才の子が持つというこの感性が、何よりも彼の詩人としての素質を証明していると思います。
松下育男『顔』も読み終えてフッと吹き出してしまいました。おかしみと悲しみが絶妙なバランスで表裏一体となっていて、言葉の間(ま)も素晴らしい。
濱口國雄『便所掃除』を読んだ感動はひときわ強いものがありました。まるで目の前に糞まみれの便器があるかのようなリアルさで、思わず息を止めながら読んでしまうほどですが、一転してユーモラスなラストでプハッと息を吐き出せるような素晴らしいゴールです。"頭のしんまでくさくなります"、"神経までしびれる悲しいよごしかたです" といった表現の朴訥さとハードな内容の対比も味わい深い。
詩集になじみのない私が今回気付いた詩のいいところは、「好き嫌いの分かりやすさ」でした。好きなものは自分で気づかぬうちにのめり込んで読んでいるけれど、ピンとこないものはさっさと読み飛ばしている自分に気がついたのです。
小説のように序盤でさぐりさぐり読むということがなく、効率的とも言えます(読書に効率は求めていないけれど)。いやそれよりなにより、理屈の鎧を着ることがない、自分のなかの直感的な好みを感じることができることが嬉しかったです。裸の感性を自覚できるような、ひいてはこの詩が好きな自分はどんな人間なのかがほの見えるような、そういった読書体験になりました。
作者の痛みや怒りのメッセージが、こちらの心をえぐるような切れ味で閉じ込められている詩も印象的です。でもわたしはほんのりユーモラスで、大げさなエンディングがなく気が抜けたように幕を閉じる詩が好きだと気づきました。
大脳が発達した人間だからこそ、詩を味わうことができると私は思います。もちろん詩だけでなく小説、音楽や美術もです。抽象的な概念や今ここにないもの、形がなく触れられないものを思うことができる人間だから、これを楽しまないなんてもったいない。
あとがきもなく、最後は小さな四行、それこそ詩のように終わる。この本に相応しいかわいらしい着地に、わたしから小さい拍手を送ります。 -
Posted by ブクログ
茨木のり子さんの詩集ですね。
永遠の詩シリーズです。
このシリーズはほんとうに、詩との出会いを形づくるきっかけを結びつけてくれますね。
茨木さんの詩は、初めて味わいましたが、私の心に深くすんなり、ほんとうにすんなり受け入れました。
詩集を読むのはかなりの想像力と理解力、感性を駆使しますが、茨木さんの詩は、飾りがなくそれでいて、真相を的確に捕らえられていて、情愛と励ましに溢れています。
みずうみ
《だいたいお母さんてものはさ
しいん
としたところがなくちゃいけないんだ》
名台詞を聴くものかな!
ふりかえると
お下げとお河童と
二つのランドセルがゆれてゆく
落葉の道
お母さんだけとはかぎらない
人間は誰でも心の底に
しいんと静かな湖をもつべきなのだ
田沢湖のように深く青い湖を
かくし持っているひとは
話すとわかる 二言 三言で
それこそ しいんと落ちついて
容易に増えも減りもしない自分の湖
さらさらと他人の降りてはゆけない魔の湖
教養や学歴とはなんの関係もないらしい
人間の魅力とは
たぶんその湖のあたりから
発する霧だ
早くもそのことに
気がついたらしい
小さな
二人の
娘たち
この詩集は、茨木のり子さんの全詩より三十六編を選び出されています。
選者の高橋順子さんの言葉
「言葉は平易であるが、最初から不思議なくらい洗練されていた。時々俗語や文語が混じり、それがじつに所を得て、いきいきと親しみやすい表情を浮かべているのが、茨木詩を読む楽しみの一つでもある。修飾をはらい、畳みかけるように強い言葉の中に、たおやかな言葉を見出すこともある。」
心に響く「言の葉」の詩集ですね。
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Posted by ブクログ
ネタバレお気に入りの書店の本店にて。
うずたかく積まれた数多の書籍の中の一冊。
旅先だから、出逢えた『茨木のり子』なのかも。
『嘘がつけない人だった。
詩においても、生活においても
ーーーーーー谷川俊太郎(詩人)』
そんな茨木のり子さんに、" 清々しいまでの潔さ " を感じ、カッコいい〜と痺れています。
やはり、『自分の感受性くらい』は、最高だし、ファンの多い『わたしが一番きれいだったとき』も、ほんとうに素敵。
だけど、わたしは、変わらず『汲む』が痺れるほど好き。 それは、初心に帰れるから。 自分で自分を包み込むような感覚を覚えるから。
そして、今回は、『知命』に、共感。
今のわたしの想いそのものだった。
もう一つ。 『時代おくれ』。
『何が起ころうと生き残れるのはあなたたち
まっとうとも思わずに
まっとうに生きているひとびとよ』
このラストは、心に沁みた。
それまでの
『そんなに急いで何をするの
頭はからっぽのまま』や、
『便利なものはたいてい不快な副作用をともなう』
から、シッキムやブータンの子らへと思いは流れ、ラストの文章へ。 ガツンとやられた。
やはり、茨木のり子は素敵でした。
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Posted by ブクログ
名詩「利根川の海」にはじまり有名な「わたしが一番きれいだったとき」から最後の詩集「歳月」まで、厳選された詩が編まれた本書。
戦争を生き抜いた茨木のり子さんの凛として美しい死の数々。
初めて読んだ一冊が「歳月」であったためか、やはり個人的には晩年の詩がすごく好きです。「夢」「恋歌」「急がなくては」「(存在)」「歳月」など。
厳選されたものなのでどの詩も本当に素晴らしいのですが、
「答」は本書の中で一番好きで、私自身、ふと一番幸せだった時といえば、と振り返った時がありそれを再体験したような感覚でした。子を持つ母なら、どんな人生を送っていたとしても共感できるのではないでしょうか。
ほかに「兄弟」「食卓に珈琲の匂い流れ」や「時代おくれ」、「倚りかからず」「さゆ」など、非常に心打たれました。