茨木のり子のレビュー一覧
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名詩「利根川の海」にはじまり有名な「わたしが一番きれいだったとき」から最後の詩集「歳月」まで、厳選された詩が編まれた本書。
戦争を生き抜いた茨木のり子さんの凛として美しい死の数々。
初めて読んだ一冊が「歳月」であったためか、やはり個人的には晩年の詩がすごく好きです。「夢」「恋歌」「急がなくては」「(存在)」「歳月」など。
厳選されたものなのでどの詩も本当に素晴らしいのですが、
「答」は本書の中で一番好きで、私自身、ふと一番幸せだった時といえば、と振り返った時がありそれを再体験したような感覚でした。子を持つ母なら、どんな人生を送っていたとしても共感できるのではないでしょうか。
ほかに「兄弟」「 -
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性格的に、詩よりも散文、評論、随想のほうが好きなのですが、一度くらいちゃんと触れてみようと思い、読んでみた一冊。詩人でもある茨木のり子さんが、自分の好きな詩を集め、その詩とともに解説を書いている本(この前読んだ国語の教科書『新編 国語総合』に「詩集ではないが、最良の詩の入門書」と書いてあったので購入)。
詩は理屈ではないので、あいかわらず「分からんなぁ」というものも多いのですが、中にはピンと来るもの、好きなものもあって、次はその人たちの詩集を買ってみようと思う(川崎洋、阪田寛夫、黒田三郎など)。
そういう意味では、「最良の詩の入門書」という触れ込みもダテではない。 -
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ネタバレ「茨木のり子」という著者の名前も、教科書で目にした記憶しかない。それくらい不勉強な私でも、一編一編、著者の視点を通して詩の世界にぐっと近付けてもらった。
自分の気持ちに合う詩、を探すことは、自分自身にとって新しい読書体験になるかも。
印象に残った言葉
・言葉が着陸の瞬間を持っていないものは、詩とはいえない。
重装備でじりじり地を這い、登山するのが散文
地を蹴り宙を飛行するのが詩
・詩人が人々に供給すべきは、感動である。
それは必ずしも深い思想や、明確な世界観や
鋭い社会分析を必要としない。
気になった詩
・I was born 吉野弘
→どこかで読んだことがある気がするが、
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感受性とは何か。
感受性は子どもの頃から養うことができるが、大人になっても育むことは充分に可能だ。厳しい言葉の中にも優しさと愛情を感じられる詩である。
感受性の性質は人によって十人十色だ。みんな違う感受性を持っており、それらは年齢関係なく体験を通して成長できると私は思うのだ。
本著が示唆している通り、自分の感受性を大切にし、守り、育むことを強調している。私も同意見だ。感受性は可能性の塊だ。
殺伐とした現代において、自分の感受性が弱っていると気がついたら、それは休むサインであり、質の良い刺激を補充(美術や本、音楽等)を自分の中で表現し吸収し感受性のアンテナを広げて自分が見ている世界の感度を上げる