茨木のり子のレビュー一覧

  • 詩のこころを読む

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    詩をどのように読むか、の話ではなく、特定の詩を茨木のり子がどう読んだか、についての話だった。彼女の鋭さと温かい感受性に包まれ、幸せな気分になった。良い本だった。

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    2024年11月08日
  • ハングルへの旅 新装版

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    ネタバレ

    2024.9.26再読。
    韓国語を勉強し始めた直後に一度読み、約1年経った頃に再読してみた。
    レベルがあまり上達していないので抱く感想が変わったということはあまり起こらなかったが笑、感想を書いておく。

    この本の出版は1989年。
    当時はなぜハングルを勉強するのか不思議がられたという。また当時は漢字の使用がギリギリ残っていた時代らしく、日本の若者がハングルを学ぶ場合一番苦労するのは隣国式漢字読みかもしれない、と著者は述べている。
    今はハングルを勉強する人は全く珍しくないし、漢字の読みを覚える必要もない(べた一面ハングルは極めて読みづらいとも述べられているが、本当にそうなってしまった)。この数十

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    2024年10月14日
  • ハングルへの旅 新装版

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    この本はいつ買いいつ読み始めただろう。長い間トイレの本棚に置いてあり少しずつ少しずつ栞が動いていった。そして今日最後のページにたどり着いた。
    近ごろ気まぐれのようにハングルを少し勉強しているが、本書が背中を押してくれていることは間違いない。
    本棚にある詩集も詠まなければ。

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    2024年06月30日
  • ハングルへの旅 新装版

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    紀行文としても、ハングル学習への誘いの書としても、魅了される素晴らしい本だと思った。何回も読み返したい。

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    2024年06月01日
  • 詩のこころを読む

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    ネタバレ

    『詩のこころを読む』
    茨木のり子さんの選んだ詩と解説&メッセージ。
    まず、最初から私の大好きな詩。谷川俊太郎さんの「かなしみ」
    学生の頃、「何かとんでもないおとし物」が気になった。歳を重ねた今でもその思いは変わらない。いやより一層大きくなっている。
    恋の詩といえば、黒田三郎さんの「僕はまるでちがって」
    恋は風景の彩りを変える。
    「白い美しい蝶」をもたらした黒田三郎さんの妻はこの詩が公表されてプンプン怒っていたという。自分に対してだけのラブレターであってほしかったのでしょう。
    黒田三郎さんの「夕方の三十分」も忘れられない。
    子ども達と暗唱した詩の一つ。
    父が「自分でしなさい 自分でェ」と

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    2024年04月26日
  • 韓国現代詩選〈新版〉

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    茨木のりこが翻訳・選した韓国詩集です
    どの作家にも解説があり、その後に見返してもおもしろいです

    一番好きなのは李海任の詩です
    敬虔な修道女がしたためていた、信仰と愛の混ざった詩はどれも胸を打ちます
    信仰の衝撃を、新雪を踏みしめる足跡に例えたり、旅する海鳥に自由を重ねたり、その眼差しが美しいなと思いました

    どの詩人も飛び抜けた出自でないにも関わらず、しっかりとした詩歌技術を持っていて驚かされます
    すべてレベルが高く、富める者から貧しい者まで詩うので見所がありました
    強い生命力の裏に、血生臭さを感じる詩集でした

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    2024年04月21日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    ネタバレ

    『自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ』
    もうタイトルを見た瞬間、読まなくちゃと思った。
    茨木のり子さんの作品は二つだけ知っていた。
    『わたしが一番きれいだったとき』と『女の子のマーチ』「女を見くびるなよ」という感じの勇ましさと戦争は絶対NOと突きつける激しさに惹かれた。

    予想通り、激しい喝を入れられた。
    自分を甘やかす隙間など微塵も与えぬ迫力だった。
    「はい、すみません」と謝るしかなかった。

    『夢』『恋歌』『(存在)』と亡くなった夫を偲ぶ詩にも慄然としながら惹かれた。
    愛と死
    命のあはれを感じる。

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    2024年04月12日
  • 詩のこころを読む

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    素晴らしい本でした。

    私の中では石垣りんの「くらし」が白眉の一編でした。

    詩のことはよくわからないからという理由であまり触れてこなかった。

    けれどこの本の中にある詩に一つひとつ触れ、解説を読む。

    少しだけわかったような気がする。詩にもう少し触れてみようかなと思う。

    私は宇多田ヒカルの歌詞が好きなのだけれど、(特にFantome以降)彼女の詩のどの部分に惹かれているのか、言葉のチョイスなのか、その飛躍なのか、とか自分なりに理解出来るかもしれない。

    音楽が好きなのでたくさんの詩に触れてきた、とも言えるのだ。

    歌詞も詩だと仮定する。私の世界はこれから途方もなく広がる。

    姪っ子柄中学生

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    2024年04月13日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    もっと早く 茨木のり子 を知るべきでした。何歳でこれを読むべき、と押し付けがましいのは論外だけど、10代で読んでいれば、今読んだ時に自分を必要以上に責めずに済んだはず。若い時に茨木のり子をスルーした人は、若松英輔 さんの特別授業と共に読むことをおすすめします。

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    2024年04月07日
  • ハングルへの旅 新装版

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    茨木のり子さんは、有名な詩人ですが、散文も優れていると思っています。この本は、夫と死別後に習い始めたハングルへの旅、ハングルとの旅を綴るもの。紀行文にもなっていて、茨木のり子さんは、とても魅力的で、興味深い人だったのだろうとしみじみ思える名著ですね。言葉は学ぶに値する、人生は、言葉をつかって生きるに値するということを実感できる。

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    2024年03月31日
  • 詩のこころを読む

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    詩はてんで疎くよくわからないものが大半な私ですが、こちらの本で詩の読み方、視点や視座を教えてもらった気がする。

    解釈を読んだあともう一度詩を読み返した時の、腑におちる感覚が心地よく、詩の苦手な私にはとても新鮮な体験ができました。

    詩の捉え方はおそらく人それぞれだと思うけれど、今の私には最適な1冊だった。

    楽しみ方がもうちょっと身に付いたら詩集なんかにも手を出したい。

    ちなみに好きな詩も出来てホクホク♪

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    2023年12月17日
  • 詩のこころを読む

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    月の満ち欠けの周期に関係ありと言われてきた女の生理現象を、第一連第二連で触れ ています。男よりも、より自然に近い女のからだのリズム、そのようなリズムをくりか えしながら、心はどうあれ、からだは月々確実に待っているのです。第三連では、まる で古代の母系制社会のように、主体性は女の側にあり、堂々と健やかで、「遊ぶ」とい う言葉が、まるで新品のように洗い出され、輝いています。いつかやってくるだろう夫 と子供たち、ととれば未来のことになりますし、すでにいる夫や子供たちと思ってもか まわないでしょう。 女の生理現象、結合、生殖も、猥に語ろうとすればどこまでも卑猥にすることがで へんげん きるし

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    2023年07月12日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    人生で最初に好きだと思って、今も一番好きな詩人はこの人。本当にありがたい。2006年に急逝されたとのことで、同じときに生きていたことに驚きと感謝。

    これからも読み続けたい。読み続けなければならない気がする。

    自分の感受性くらい
    はもちろん、今回響いたものはこちら。

    「ギラリと光るダイヤのような日」
    世界に別れを告げる日に
    ひとは一生をふりかえって
    じぶんが本当に生きた日が
    あまりにすくなかったことに驚くだろう

    「怒るときと許すとき」
    女がひとり 頬杖をついて
    慣れない煙草をぷかぷかふかし
    油断すればぽたぽた垂れる涙を
    水道栓のようにきっちり締め
    男を許すべきか怒るべきかについて
    思いを

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    2023年06月27日
  • 韓国現代詩選〈新版〉

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    読めて良かった。訳された詩も、詩人についての解説も。三十数年前に刊行されたとは思えないほど、ことばがきりきり迫ってくる。2020年代の韓国の本屋さんの、詩集コーナーはどうなっているんだろう。

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    2023年03月29日
  • 詩のこころを読む

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     あまり読んだことも書いたこともなかった詩ですが、何となく惹かれて読んでみました。

     茨木のり子さんが選んだ傑作ばかりが載っていて、どう読んだか、どこが良いのか、などをこれまた素晴らしい文章で教えてくれます。独特な漢字の使い方が、その言葉の意味を熟知して使っているんだなと感心させられることもありました。

     読みどころを教えてもらうと、一層その詩が唯一無二の、とても力を持ったものに感じられて、読むのが面白くなってきます。

     淡々と、情景描写や経験したことが書かれた後に、ふと最後の数行で、作者自身の中に入り込んでくる言葉があると、その詩は一気に飛翔して、作者の処から読み手の処へとやってきます

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    2023年03月02日
  • 韓国現代詩選〈新版〉

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    一本の木が揺れる
    一本の木が揺れると
    二本めの木も揺れる
    二本めの木が揺れると
    三本めの木も揺れる

    このように このように

    ーカン・ウンギョ「林」

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    2023年01月25日
  • 詩のこころを読む

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    茨木のり子さんの詩を見る度、ストレートかつ個人主義であるカッコ良さが伝わります。

    そんな方が、大事になさった他の詩人の詩の解説
    なんて贅沢な一冊なんだ。

    特に、石垣りんさんの詩の選詩と解説は、感情が豊かになりました。

    岩波ジュニア新書、あざす。

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    2022年02月06日
  • 詩のこころを読む

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    詩はわからないと思っている人におすすめ。
    もちろん、詩が好きな人にも。

    実は歌詞なんかで、
    現代人も詩には触れているはず。

    詩の一つ一つももちろん素敵なんだけど、
    案内人である茨木のり子が本当に素晴らしいと思う。
    茨木のり子が、恋の歌、人生の歌、労働の歌、老年の歌…さまざまな詩の世界に導いてくれる。

    年代的には自分が生まれる前の本だったらしく、
    奥付を見て驚いている。
    それくらい古びない。

    なんて綺麗な言葉だろう。
    茨木のり子の美しい言葉で詩を紹介されるのだけど、
    さすが詩人としかいえない着目点。
    詩を読んでいたときに、なかなかその感覚やイメージって言葉にしにくい。
    茨木のり子は比喩を

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    2021年08月31日
  • 詩のこころを読む

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    ネタバレ

    1979年、著者が53歳くらいの頃に書かれた本書は、一切古さを感じさせない文章で「詩を読む楽しさ」を教えてくれる。

    著者がそれまで出会ったお気に入りの詩を選りすぐり、ユーモアを交えながら卓越した考察力で読み解いていく。
    「誕生」から「死」までの5段階で流れるように並べられているので、小説のように一気に読み進めてしまうところも魅力だ。

    『はじめに』の冒頭3行で、全てが語られている。
    「いい詩には、ひとの心を解き放ってくれる力があります。いい詩はまた、生きとし生けるものへの、いとおしみの感情を優しく誘いだしてもくれます。どこの国でも詩は、その国のことばの花々です。」

    自分の気持ちを代弁してく

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    2021年02月04日
  • 詩のこころを読む

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    紹介されている全ての詩が大好きになるような解説。

    詩人による解説は贅沢で、読んでいる時間も至福でした。

    何度ドキッとさせられたことか。


    詩って、難しいと思っていたのですが
    素直に読んで、感じて、分からなければ分からないでそっと閉じていいのかな、と

    あるいは、優しい詩を好んで読んでも
    それは素敵なことなのかな、と思えました。

    ここで知った詩人の詩集も買ってみようと思いました。

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    2020年08月22日