入山章栄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書が書かれた時点での経営学研究のトレンドだけでなく、経営学を研究する上で必読ともいえる比較的古い論文も紹介されている。
経営学研究の流れを知る上で良い本だろう。
個人的には、リソース・ベースト・ビューをめぐる論争が興味深かった。おそらく日本の大学での戦略論の授業で、半ば擦り込みのごとくリソース・ベースト・ビューは主要なアプローチであると教えられることは多いだろう。もちろん重要であることに代わりはないのだが、批判も少なくなく、さらに批判に対するバーニーの反論についての記述は大変興味深い。もっとも、社会科学に不変の理論なぞ存在しない。だから経済学や経営学の分野では次々と新しい理論が考え出されるのである。
本書を読んで興味を持ったのであれば、紹介されている論文を読めばより理解が深まるし、本書が出版されてから時間がある程度経過しているため、興味を持ったトピックのその後を追いかけてみるのも良いだろう。
そうすることで、この分野の面白さをより知ることができるだろう。 -
Posted by ブクログ
タイトルとおり ビジネススクールでは通常教えていない、比較的新しい経営学の知識を紹介
110ページまで読んだ。続き読みたい。
9/24 最後まで読んだ。大変面白い。いくつか抜粋
市場の状況に応じて取るべき競争戦略は異なる。
プレーヤの数が少ない安定した市場:ポーター型のポジショニング戦略により、差別化またはコスト戦略
プレーヤの数がある程度多い競争市場:バーニーのRBV自分の強みを磨くことにより競争する
不安定な市場:先の見通しが立たず長期戦略が使えない。リアルオプションによりリスクを抑えつつ新規投資。
組織のトランズアクティブ・メモリー(誰が知っていそうかという知識を共有する)が重要。そのためには、対面のコミュニケーションのっかいが必要。ブレストは新しいアイデアを出すためには、意外と効率が悪いが、組織のトランズアクティブ・メモリーを向上するには役に立つ。
成功体験は成功の確率を上げる。失敗体験は、サーチ行動の昂進により成功の確率を上げる。失敗経験が一度もないのは危険。
市場はグローバル化していない。ごく少数の例外を除き、ほとんどの企業は母体地域での売り上げが50%を超える。世界はフラットではなく、距離は情報の流通を妨げる。しかし、特にある地域と別の国のある地域が強い結びつきを持つことがある。これは、留学などによる。
タスク型(能力による)ダイバーシティはプラスだが、デモグラフィー(性別、国籍、年齢など)によるダイバーシティーは中立またはネガティブ。後者は、分派の対立が生じることによるので、細かくダイバーシティを進めると解決するかも。
トランズアクティブ・リーダーシップ(1対1の対応)とトランスフォーメーショナル・リーダーシップ(メッセージとモティベーション):日本では後者が不足している
同族経営は、プラスとマイナスがある。マイナスを避けるためには、同族外から優秀な人材を同族に取り込む婿養子制度が有効。 -
Posted by ブクログ
序盤は辛口な批判が続いて読んでて不快でしたが、辛口なのは最初だけで、全体的には良書に感じました。
普通は成功事例とかを載せて、『ウチはこのやり方で成功しました!他の地域の皆さんも是非試してみて!』みたいな喧伝が一般的ですが、本書は逆のアプローチで、今までのまちづくりの失敗から今後にどう活かすべきかを提供してくれる面白い本です。
中山間地域の解散話はちょっと衝撃でした。村を存続できなくなったら、村民全員が村を出るという発想は昔からあったらしいのですが、いよいよ現実味を帯びてきたように思います。
余談ですが、現在放送しているアニメ『サクラクエスト』というのが地域活性化の話で、主人公は観光大使として町をもりあげようと奮闘するストーリーです。これがまた、だいたいにおいては現在の地域活性化の問題を端的に表現しているように思います。「観光」というアプローチから活性化することの難しさがうまく描かれていて、地域再生に興味がある人は一度観てみるとよ良いと思います。
僕の評価はA-にします。 -
Posted by ブクログ
「経営学」関係では久しぶりに面白い本で、かなり知的好奇心を刺激された。
今、世界(アメリカ?)の経営学が、実証科学として、発展しているさま、そして、それは理論的、実証的なソフィスティケーションとともに、刻々と変るビジネス・企業の実態を対象として、研究テーマが変化していることが、実感できた。
バックグラウンドになっているディシプリンも、従来的な経済学の方法論をつかった方法論だけでなく、認知心理学やネットワーク理論、社会学などの方法論が進んでいるということも面白かった。
と同時に、実践に役立つというところでは、「経営学」は、まだまだ、さまざまな課題がありそうだな、ということもよく分かった。
本書の冒頭部分で、「アメリカの経営学者はドラッカーは読まない」という挑戦的なフレーズがあります。つまり、実証科学という観点からは、ドラッカーは、実証的でない、反証可能な主張ではない。要するに、科学ではなくて、哲学みたいなもの、ということかな?
で、思うのは、いわゆるセンゲなどの「学習する組織」は、経営学のトレンドからすると、かなり異端だな、ということ。実証性みたいなのを完全に手放しているからね。「だって、未来は出現するんだから、過去の統計データみたって、意味ないじゃん」みたいな。
"The Fifth discipline"には事例はあっても、実証はない。
第1版のときは、「これからのやっていくことなので、ケースとか、実証データはない」ということかと思っていたのだが、15年後の第2版にも、実証研究的なものは全くない。あるのは、実践者のインタビューを通じて得られた「振り返り」のみ。
ある意味、「学習する組織」は科学ではなく、実践なのだと再認識。
なのでピーター・センゲとか、オットー・シャーマーは、MITの上級講師で、教授ではないんだ。。。みたいな。