山田鐘人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
また一つ、私の心にグッと来ていた、良い少年漫画が(2)で終わってしまったか
そこそこ、漫画読みとして経験値は溜めているつもりだけど、未だに、これはキツく感じる
出版社も商売なのだから、人気が思った以上に出ない作品は畳ませるのも仕事ってのは、重々承知しちゃいるんだけど、心の片隅では、「もうちょい、チャンスをくれてもいいのに」と思ってしまう。良い漫画なら尚更に
人と人によって作られた物、その一人と一体の間には、友情や恋愛、主従のそれとは違うが、それらにも負けないほど強いキズナがあった
ここで、ふと感じるのは、この美少女ロボットは生きているのか、だ
生きている、その定義は難しい。人間だって、単に「心臓が動いている」ってだけじゃ、ハッキリと「生きている」とは断言できない
ロボットであれば尚更だ
私としては、生きている、そう言ってもいい、と感じる、彼女の言動を見ていると
そう感じる理由は色々とあるけれど、博士の心の支えになり、彼が彼女に明るい未来を見ているからこそ、このロボットは生きている、と思う
筋道が通っていない、と突っ込まれそうだが、それは私自身も分かっている
けれども、彼女は良い漫画、映画の面白さや景色の美しさが理解でき、様々な事に興味を持ち、個性的な博士に手厳しいツッコミをかましつつ、彼の個性を受け入れて尊重している。これは、「心」が彼女の中にある証拠であり、「心」が動くのは、生きているからだ
その「心」が、博士との共同生活で豊かになった。彼がいなくなる事で、新たな「心の動き」を知り、また、辿り着いた場所で出来た新たな友人との交流で、また、変化していくんだろう
その時、彼女が自分は「生きているんだ」と実感できたらいいな、と願う
また、博士の生き方を見る事で、一人でいる寂しさや辛さの乗り越え方や、二人でいる事で感じる心強さを手放さないための努力も学べる
基軸はコメディだが、ストーリーの本質は結構、シリアスな人間ドラマで、読み応えは西森博之先生の『柊様は自分を探している』にも負けてない
二人の旅路や、新天地での生活も気になるとこだが、山田先生が今、興味ある事をテーマにした漫画も読んでみたい
この『ぼっち博士とロボット少女の絶望的ユートピア』を読んだ感じ、ギャンブルや探偵ものは向いていないのでは、と思ってしまうので、動物ものに挑戦してほしいかな、うん
どの回も好印象が抱けるものばかり。一推しは当然ながら、最終話「ぼっち博士と旅立ちの時」だ。あえて、それを除いたのなら、私が推薦したいのは、第22話「ぼっち博士と家出」だ
一番、グッと来た点は、ロボット少女が自分が悪い事を認め、怒られるかも知れないって不安に耐えて、博士へ素直に謝るくだりなのだが、彼女が「孤独感」を抱くシーンも結構、胸に刺さる。独りになった時に感じてしまう寂しさは、大切な人が傍にいるのが当たり前だったからこそ。この寂しさを知っていると知らないとでは、人間力の伸び方に差が出るのだろう
この台詞を引用に選んだのは、貰い泣きしてしまいそうになったので。さすがに、博士ほどではないにしろ、私も泣き顔がグチャグチャになってしまいそう。自分の死期が、足音を聞けるほど近づいている時の精神状態だからこそ、自分の下した決断、選んだ答え、動いた結果が間違っていなかった、そう思えるのならば、その人生は決して、つまらないものじゃない -
Posted by ブクログ
今、私がこの『ぼっち博士とロボット少女の絶望的ユートピア』に対して抱いている感想を、一言に纏めるなら「ずるい」である(狡い、ではなく、ずるい、そこが大事なので、ご承知おきを)
タイトルが長い、ってのもあるが、やっぱり、反則的だわぁ、って方が大きい
単に、私の心が疲れている、ないしは、こういう漫画を求めていただけかもしれないにしろ、実に好かった
涙が止まらなかった、二種類の涙が
基本的には、コメディではあるが、マヂに読み手を感涙させてくる内容でもあるので、読む際は手元にタオルを置いておく事をお勧めする。ハンカチじゃ足りないし、ティッシュじゃ箱単位で消費する。なので、吸水性と速乾性に長けているタオルが必要だ、と思う
孤独に強い、そんな勘違いを持っている人は、間違いなく、この『ぼっち博士とロボット少女の絶望的ユートピア』を読んだら、赤面するだろうな
兎と違って、人は独りぼっちになると死んでしまう・・・傍に誰かがいてくれるだけで、こんなにも人は幸福になれるんだ、って当たり前すぎて見過ごしてしまう真理が突きつけられる
それでいて、ブラック&サディストなネタを以て本気で笑わせてくるんだから、洒落にならない。涙腺は崩壊するわ、横っ腹が痛くなるわ、キッツい
人に近いけど、人にはなれないロボット少女の視点で見る、人のいなくなった世界の美しさ。彼女が「美しい」と思えるのは、隣に博士がいるから。もし、博士が消えたら、彼女は「美しい」と言う感想を抱いたままでいられるのか
きっと、これから、もっと良くなりそうで楽しみだ
こういう展開になって欲しい、って希望は特にないなぁ。生存者がいるってパターンは、ストーリーの良さを崩壊させるだろうから、皆無だろう。となると、ロボット少女に「妹」が出来る?もしくは、「姉」が覚醒するとか?
どの回も好感が持て、涙が止まらなかった。その中でも、第3話「ぼっち博士と少女の夢」は、マズい。今、目が真っ赤で、喰種と間違われそう。人生、大事な時に間に合わない事がある。遅すぎる事はない、と言う人はいるけど、その人は本当に間に合わず、後悔したことが無いんだと思う。まぁ、かくいう私も、今んとこ、そんな絶望は知らずに済んでいる。今後、知られずにいられるなら、それに越した事はないだろう。ともあれ、好きな人の姿を、最期に視て、自然な笑顔を携えたままで逝った彼女は、決して、不幸じゃない
この台詞を引用に選んだのは、鏡に自分の顔を映したくなったので。今、私は小説家になりたいって夢がある。評価が伸びないのは辛いが、話を書く事、それ自体は苦痛ではない。むしろ、楽しくて、気付くと笑顔になってる。夢は追いかけてこそ、意味がある・・・しかし、プロデビューしたら、そんな温い事は言えなくなるのかねェ。読み手を笑顔にしたいんだったら、やっぱ、自分も笑顔でいたいもんだなァ