青木久惠のレビュー一覧
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ネタバレ読後感の良さで割とお気に入りの一冊。本編よりも最終章の「海辺で」がすごく好き。本編は、推理ができなくても現代文の読み解き的に犯人が割り出せてしまう。ただ冷血な殺人犯がそんなに純情だったりするかなと疑問。ヒロインが心霊現象で犯人に気づくと珍しい場面もあります。また自分の贈り物のせいで娘が殺されたのに自責の念が湧く様子もないケロリとした父親はさすが大物実業家、と妙に納得してしまった。タンプリン、ケタリングなど貴族の苗字が不細工なのが笑えた。逆にキャサリン・グレイは平凡な名前なのにすっきりして好感が持てるのはキャラクターにぴったり。レノックスとジアもよかった。
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購入済み
エジプトを味わえるサスペンス
USA在住の人類学教授が、エジプトの考古学研究室で起こった殺人事件を妻と共に解決するというストーリー。考古学研究室やナイル川クルーズ、不法な遺物売買人への接近など、エジプトならではのシーンが味わえました。クルーズのシーンが少なめなのが少し残念ですが、エジプトを味わえる一作品だと思います。
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『正義』に続いて2作品目。
事件発生までがかなり長く、読者側が推理するミステリでもないが、読ませる力があるのは作者の力量が素晴らしいからだろうと思う。
たとえ事件が起きずとも、緊迫感を孕んだ濃厚な人間ドラマとして読み応えがあり、結果として事件に関わりのなかった人物達のサイドストーリーも秀逸だ。ただ、これを冗長と思う読者もいるだろうし、スピード感に欠けて退屈だと思う読者もいるかもしれない。警察の捜査も地道で無駄に終わる(でもこれが普通だろうけど)ことばかりでもどかしいばかり。万人受けではなく、じっくりと深く読書を楽しみたい人向けなんだと思う。
意外だったのは、ダルグリッシュが前作の事件に悔恨の -
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ギデオン・オリヴァーのシリーズ第9弾
今度は彼はフランスへ向かう。
新しい著作のための調査も兼ねて、ヨーロッパへ旅する計画を立てていたオリヴァー夫妻に、知り合いのフランスの警部から電話がかかる。
フランスはドルドーニュ地方で古い骨が見つかった。その骨がちょっと興味深いので、ぜひギデオンに来てほしい。
骨と聞けばいてもたってもいられなくなるギデオンは、スケジュールを変更してドルドーニュへ向かう。
かの地はあのネアンダルタール人やクロマニョン人の遺跡が数多く残る地域であり、そこで過去、遺品が捏造された事件が起こった(捏造事件は架空の事件である)。
遺跡の中で発見された古い骨は、いったい誰 -
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ネタバレ「スケルトン探偵」こと形質人類学者ギデオン・オリヴァー教授シリーズ第4作。でも解説によると、日本語に翻訳されたのはこの作品が最初みたい。
セミナーのためフランスのモン・サン・ミシェルに滞在していたギデオンは、近くの古い館で人骨が発見されたという話を聞き、鑑定に訪れます。その館には親族会議のために一族の人々が集められていましたが、招待した当主は直前に上げ潮にのまれて溺死したばかり。さらに招待客の一人が急死するという事態が発生し――。
うーん、まぁ何と言ったらいいのかな。前作と同じような感想になってしまいますが、普通に面白い。
興奮して一気に読ませるような牽引力はありませんが、つまらないって -
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スケルトン探偵こと人類学教授のギデオン・オリヴァーのシリーズ。
今回の舞台はメキシコ。
愛妻ジュリーがいとこに留守中の代役を頼まれ、休暇をかねてついて行くことに。
いとこアニーはアメリカ人ですが、支配人をしているエンカンターダ農場は欧米人向けの観光農場で、家族経営。
今のオーナーはアニーの伯父トニー・ギャラガーで、わがままだが豪放な男。
アニーの父カールは乗用馬係主任をしていて、ちょっとゲーリー・クーパーのような枯れたハンサム。
ただ、カールの妻つまりアニーの母(トニーの妹)はだいぶ前に家出したきり。
ジュリーは学生時代にその農場でバイトをしたこともあるのでした。
行ってみると料理人は愛想