青木久惠のレビュー一覧
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ネタバレ【再読】
富豪の娘ルースは、夫デリクの奔放な女性関係に悩まされていた。ルースの父ルーファスは義理の息子デリクに対して娘と別れるよう迫る。だがデリクは、ルースも別の男と不倫していることを仄めかす。
このデリクと妻のルース、デリクの愛人ミレーユ、そして莫大な遺産を相続することになったキャサリンが偶然ブルートレインで乗り合わせていた。
翌日、コンパートメントの中でルースが死体となって発見される。前日食堂車で顔見知りになっていたキャサリンは、パリ警察とたまたま居合わせたポアロから事情を訊かれることに。それにより、ルースが持っていた高価なルビーが紛失しており、さらに彼女のメイドも前もって列車を降ろされていたことがわかる。
その後警察は、被害者のコンパートメントに入るところを目撃されていたことや「K」のイニシャルが入ったシガレットケースが見つかったこと、妻が死ぬことで多額の遺産を得ることなどから夫であるデリクを逮捕した。
だが本当の犯人はルーファスの秘書ナイトンとルースのメイド・メイスンだった。ナイトンはル・マルキの名で知られる犯罪者で、ルースが持つルビーを狙っていたのだった。
被害者の顔を潰したのは、一度メイスンが被害者になりすまして車掌と言葉を交わしていたため、その発覚を防ぐ目的だった。
鉄道ミステリーといえば『オリエント急行殺人事件』があまりにも有名だが、こちらも骨太のミステリー。不誠実な男女が多く登場するも、ポアロはときに厳しくときに優しく若者に寄り添う。
●見どころ
・ヘイスティングズもしくはゲストキャラによる一人称視点ではなく三人称視点
・セント・メアリ・ミード登場
・ハイエナのようなレディ・タンプリン
・あまりの嘘吐きの多さにブチギレるポアロ
●名言
「わたしはこれから脅かし、怖がらせ、わたしの言葉に耳を傾ける者の心に恐怖を叩き込んできます」 -
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スケルトン探偵ギデオン教授シリーズ4作目。
アーロン・エルキンズ作品はこれが初見。
■全体
受賞作であり、ハヤカワベスト100とEQアンケートにも選ばれている作品とのことだが、そこまで傑作か、と言われると、そこまでではなかったように思う。
つまらないわけでもないため、「非常に」ではなく「普通に」面白かった、という感想。
■スケルトン探偵
ある「物」を分析して真相に近づく、というスタイルは、それこそホームズ時代の超人探偵ソーンダイク博士を思い出す。
埃1つからでも犯人を特定する超人ソーンダイク博士と比べると、ギデオン教授の分析対象はあくまで「骨」からのみであり、超人感もなく、骨以外の部分については一般的な人、という印象を受け、ソーンダイク博士をかなりマイルドにした感じを受ける。
肝心の「骨の分析」について、大変申し訳ないが、退屈に感じてしまった。
というのも、一般人の自分からすれば「この骨は○○の部分であり、○○だから○○」と解説されても「?」となり、「結局結論はこういうことやな」という部分のみが頭に残る形となるため。
見所であるはずの「骨の分析」描写が「専門知識を並べられて何言ってるのかがわからん部分があり、ちょっと退屈」となってしまった。
■本格要素
本格としては、「難易度:易しめ」であると思う。
謎と事件の重要部分にだけ焦点を当てれば、特段複雑ではなく、「誰の骨か」についても、予測できる。
情報も多すぎず、頭の中で整理しつつ読むことができ、文章も読みやすい。
どちらかと言えばスローテンポな印象を受けた作品。 -
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出来れば月に一冊くらいクリスティを読みたいと思っているのだが、なかなか果たせない。
ここの所、あまり評判の良くないクリスティの国際謀略物を読んでいたが、それに比べると出来はいいように思う。なかなか犯人がわからず、フーダニットとしては見事にクリスティの策略にはまったが、ポアロの捜査の過程ではフェアな記述がされているので、ミステリ好きで丁寧に本を読む人ならなんとなく犯人は推理出来るかもしれない。
但し、犯行時のトリックは分からない人が多いのでは。
例によってラヴロマンス、それも上流階級のロマンスが描かれており、好きな人はそちらのストーリーも楽しめるでしょう。
終わり方は中々粋だと思う。 -
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【ポアロ】
1928年クリスティー38歳。
クリスティー失踪後の精神的に不安定な時期。
私が唯一最後まで読めなかった『ビッグ4』の次に書かれた作品なので不安があった。
やっぱり冒頭から国際謀略の要素が出てきた。
私はどうしてもスパイとかこの手のものが苦手なんだけど、『ビッグ4』よりもミステリーが強くて安心した。
クリスティーの描く女性は毎回魅力的な人が多いけど、この作品の女性はイマイチ魅力が伝わってこなかった。ラブロマンスもなぜ?とあまり共感できず。
ポアロのことを知らないという使用人に対して、「悪いけど、きみの教養の程度が知れるね。世界の偉人に数えられる人間の名前だよ」と、自分で言っちゃうポアロは可愛い。
でもポアロは本当にすごい探偵だからね。
アントニイ・バークリーの謎に自信満々のユーモアのある探偵ロジャーと、洞察力抜群の完璧なポアロを交互に読むと楽しい。
甘いものと辛いものを交互に食べたくなるように、クリスティーとバークリーを交互に読むと、それぞれ違った面白さでより面白く感じる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ遠出の機会があったので、せっかくなら電車(列車)の話を、とチョイス。南仏が主な舞台ということで、いつものイギリス作品とは違った雰囲気が味わえました。
ところで、この作品は短編の「プリマス行き急行列車」を発展させたものだそうで、そちらをドラマで見ていたので謎解きに関しては納得。
それより印象深かったのがキャサリン・グレー。
会う人すべてに”印象的な目”と評される聡明な女性で、先日読んだ『杉の柩』のエリノアを彷彿とさせました。
……だからこそ、デリクを選んだのにはそっち?!と驚き。
私もまんまとナイトンの魅力に騙されていたのだなぁ。
これはまだドラマを観ていないので、南仏の景色と豪華な”ブルー・トレイン”が楽しみです(^^*