Posted by ブクログ
2009年10月04日
前回(死体は語る)の骨つながり?ということで、監察医ではないのですが、骨を扱う人類学者が活躍するミステリー(フィクション)をご紹介♪
「アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞」受賞作品です。
〜壮大な「モン・サン・ミシェル」の干潟で、一人の老人が貝の収集中に溺れ死んだ。
彼は地元の富豪で親戚一同を各...続きを読む地から集めており、親族会議を行う前の出来事だった。
ちょうど集まっていた親族に弁護士から遺言が開示されるが、それに異を唱える者もあった。
同時期に、配水管工事の為に屋敷の地下を掘り起こしたところ、第二次世界大戦中のものと思われる「人骨」が発見される。
亡くなった彼が親族会議を開こうとした目的は?
屋敷の地下で発見された古い人骨は?
そして、更なる事件が発生!
講演の為にフランスを訪れていた“スケルトン探偵”の異名を持つアメリカの人類学者が、古い人骨を鑑定することでフランス富豪一族の事件に巻き込まれていく・・・
・・・なんか、私があらすじを書くとチープな感じですが、謎解きは中々秀逸です。
現在起こった事件と、発見された「古い骨」にまつわる過去が絡みつき、でもシッカリと繋がっており、不自然なところもなくスッキリと謎が解ける感じです。
そして、この作品の謎を彩るのが、素晴らしい描写。
舞台の一つ、世界遺産であるモン・サン・ミシェルの描写など、実際に潮騒が聞こえてきそうな感じです。
静かに拡がる干潟が、気付くと足首をさらい、さらに体が持っていかれるような強い波が押し寄せてきたり、と迫力満点!
モン・サン・ミシェルに行ってみたくなります(溺れたくはありませんが)
さらに、描写で忘れてならないのが「食べ物」
オムレツ料理、パンケーキ(クレープ)、鱒のグリル、魚介類盛り合わせ、仔羊料理・・・ブルターニュ地方の美味しそうな料理の数々を主人公が舌鼓を打っているのが、うらやましくなるくらいです。
人類学者とその友人のFBI捜査官はアメリカ人なので、「オムレツばかりじゃなく、ハンバーガーが食べたい」というような描写も出てきますが、私はオムレツが食べたい!!
謎が好きな人はもちろん、旅行&グルメ好きな人にもオススメできるミステリーです♪
この「スケルトン探偵」シリーズは、他にも出ているようですが、私は本作品しか読んだことがありません
そのうち、他の作品も読んでみようと思います。