真崎義博のレビュー一覧
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名探偵ポアロは保養地のホテルで、若き美女ニックと出会った。近くに建つエンド・ハウスの所有者である彼女は、最近三回も命の危険にさらされたとポアロに語る。まさにその会話の最中、一発の銃弾が・・・ニックを守るべく屋敷に赴いたポアロだが、五里霧中のまま、ついにある夜惨劇は起きてしまった。
前作よりも結末がドラマチックで面白かった。まさかすぎる展開で、全然予想しなかったなあー。かなり苦戦したポアロでしたが、トランプをやってから最後にみんなを集めて種明かしまでは怒涛の勢いでした。結局ポアロの前で最初にニックを弾丸で撃ったのはフレディの夫でよかったってこと?人は見かけによらないということに関して、ヘイステ -
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読者を遠くの世界に連れてゆく小説としては、とても成功している。セレブな世界。ローマ。教会という権威。マフィアという組織。アメリカ西海岸のプライベート・ビーチ。華麗な休暇。豪奢なディナー。一流の酒。
そういった世界に這い上がるギャッツビーみたいな世界は、アメリカン・ドリームと言われ、いくつもの物語を生み出してきた。たいていはのし上がって逆転してゆく物語と、そしてなぜか必ず幕を引くときには、破滅。
破滅の物語。ノワール。なぜかどんなに上り調子であろうと、そのままで終わろうはずがない、との予感はある。これは重ねられた罪の物語なのか。それは己の罪なのか? 他人の罪なのか? 不安定極まりない土 -
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ベンの顧客は海外で逮捕勾留され合衆国に移送される麻薬密売人。彼らの刑期を軽減するための司法取引を仲介する弁護士なのだ。法律的にはギリギリで、道徳的には完全にアウト、そして時には身の危険も伴うが、その報酬は桁違いに巨大だ。そんな日々を送るベンのもとに、大きな仕事の紹介が舞い込む。それも同時に3件も。これをうまくさばけば、莫大な報酬を手に平穏な引退生活に入れる。一か八か、危険な綱渡りに踏み切るベンだが……極道弁護士のあぶない大作戦。痛快リーガル・スリラー!
背景にあるのは、例えば、ドン・ウインズロウの描く世界なのだろうが〈私は「犬の力」しか読んでいない〉、とてもとてもそこまでは至らない。長い作 -
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昔、創元推理文庫で『エンドハウスの怪事件』というタイトルで読んだが、クリスティ文庫完全読破目指して再読。
再びヘイスティングス登場でポアロもの安定の空気感!冒頭から登場のニックの魅力と絡みながらいつも通りテンポよく楽しめる。
以前読んだとはいえ話は全く覚えていなかったが何故か途中から怪しいと思ってたらその通りの結果に。記憶の奥に残ってたのかな?そう思い出して読んでると読者の意識を誘導する記述が絶妙に散りばめられている事に気がつく。事件には直接関係のない謎など多少のノイズも含まながらも事件を中心にまっすぐ展開する流れは潔い。景色美しさや登場人物の魅力、シーンの少なさから映像化に向いてるかも。 -