真崎義博のレビュー一覧
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ポアロシリーズ6作目。
ここまできたら、クリスティーの思考回路が分かってきそうなものだけど、
やっぱり最後のどんでん返しで気持ち良く騙されてしまう(笑)
「邪悪な家」というタイトルに相応しく、
悪意、嫉妬…ドロドロとした感情が渦巻いている作品でしたね。
表向きは優雅だけど、その仮面の下は、、、
岬の先に建つエンド・ハウスの、若く美しい女主人ニック。
彼女は3度も命を狙われるが、運良く命拾いをする。
ポアロに助力を仰いだニックは、ポアロの目の前で狙撃され…
むぅ、これまた予想外の犯人でした!
確かに犯人に行きつくための要素は完全に提示されるのですが、
巧みに意識を逸らされてしまうのが、さ -
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ネタバレ再読。筋をスッカリ忘れてしまったので読み直してみると……あら、不思議。だんだんと思いだしてくるものなのだ。良くあることです。
表紙が可愛らしくなった為、前の『邪悪の家』と打って変わって、「邪悪さ」が半減(前の表紙は、まるでホラー映画の舞台の様だった)。
これだったら、『エンド・ハウスの怪事件』の題の方が合いそうだ。
後、この表紙の『邪悪の家』は新訳の様で、ポアロの口調は前よりもくだけたものとなっている。それに合わせて、ヘイスティングスも一人称は「俺」。
内容は、申し分ない。実際、初めて読んだ時、おおっと度肝を抜かれてしまった(と言う割に、スッカリ忘れてしまった訳だが)。ストーリーの -
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14編が収録されており、盗難、誘拐、失踪、殺人など多彩な事件が展開される。
ヘイスティングズとの掛け合いや、ポアロの「灰色の脳細胞」を駆使した推理が冴えわたり、次々と事件を解決に導く様子が印象的だった。珍しい失敗談も含まれており、短編集ならではのテンポの良さとともに、初期ポアロ作品の魅力が凝縮された入門にふさわしい一冊だった。
●首相誘拐殺人事件
首相が戦争の和平交渉会議直前に姿を消すという大事件に対し、警察も諜報機関も手詰まりの中、ポアロはごく小さな手がかりから真相を導き出す。その推理は大胆でありながら理にかなっており、読者にも爽快感を与える。時間制限の中で事件が解決される展開はスピ -
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1979年イラン・アメリカ大使館占拠事件からテヘラン脱出までの過程を描いたノンフィクション。イランはかつてアメリカの同盟国で、ソ連の緩衝地帯として重要であった。しかしアメリカ政府は、親米派パーレビのシャー体制を過度に期待して、それ以外の情報活動を軽視したことが、のちにイランとの関係に亀裂が入った。また著者は当時のイランの背景に加えて、アメリカの諜報機関にも言及する。CIA技術部(OTS)の前身R&Dのスタンリー・ラベルにより、民間企業と協力体制となった。それ以外にも、デパートCIAの工作員が好んで使う、相手国の通貨を造ることは戦争行為に値するなど、いくつかの裏事情を本書で暴露する。
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【ポアロ短編】
別にポアロ初登場の話ではない。
タイトルで誤解して、初めてのクリスティー作品には選んで欲しくない14の短編集。
もし自分がこの作品をクリスティー1作目で読んでいたら、合わないと感じて2冊目以降は読まなかったと思う。
短編だと心理描写が少ないので物語に入り込めないし、ストーリーやトリックも凝ったものではない。
短編ではクリスティーの魅力が全然出てないと感じた。戯曲は短くても面白いのに。
ポアロとヘイスティングズのやり取りは多いので、2人を楽しむ作品。
でも他の作品と比べて2人がなんだか軽いんだよなぁ(^_^;)
『マースドン荘の悲劇』
江戸川乱歩の『心理試験』と全く同じシチ -
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記念すべきポアロの第一短編集。個人的にはクリスティの本領は、やはり短編より長編にあるかなと改めて感じた。と言いながらそんなにたくさんは読んでないが。笑
短編であるが故に、ポアロとヘイスティングの名(迷)コンビぶりがよけいに際立ち、ポアロのある意味鼻持ちならない自信過剰ぶりが際立っている。この一冊だげだとポアロの魅力の一端しか伝わってこない気もする。
謎解きそのものは、単純でオチを知ってしまえば「そんなもんなのね」というものが多い。驚きが少ないという意味では、ミステリの出来としてはごく普通という気がする。
謀略小説風の「首相誘拐事件」と、伝奇小説風の「エジプト墳墓の謎」が個人的にはお気に -
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自惚れが強く珍奇な見た目、およそ人好きされるとは思えないキャラクターでありながら、ミステリ界で知らぬ者は居ない名探偵ポワロ最初の短編集
それもあってか、彼の人柄を如実に表すようなエピソードが多いね
特にポアロの特徴的な人柄を説明する際に一役買っているのが相棒ヘイスティングズの存在かな
ホームズに対応するワトソン程にはポアロが担当した事件に関わっているわけではないけれど、この短編集では基本的にポアロと共に事件解決に当たっている。それもあって、推理の過程においてポアロがどれだけ奇矯な振る舞いに出ているか、傲慢な発言が多いかを彼の視点を以って知ることが出来る
ヘイスティングスの視点で描かれるポアロ -
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最近チョコレートの出てくる話にはまっているので、「チョコレートの箱」という短編目当てでこの短編集を読むことにした(以前NHKの「グレーテルのかまど」でこの話が紹介されていた)。ポアロがベルギー人だということも思い出し、催事でベルギーのチョコを買ってしまった。
短編が14話入っていて、色々な話が楽しめる。
『ポアロ登場』というタイトルだが、初登場シーンがあるわけではなく、「ポアロ参上」というところか。どの順番で読んでも問題ない。ポアロ&ヘイスティングズはホームズ&ワトソンを彷彿とさせる。
しかし、展開が早いため、私が登場人物を把握する前にポアロが事件を解決してしまい、犯人の名前を