真崎義博のレビュー一覧

  • 邪悪の家

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    ポアロシリーズ6作目。

    ここまできたら、クリスティーの思考回路が分かってきそうなものだけど、
    やっぱり最後のどんでん返しで気持ち良く騙されてしまう(笑)

    「邪悪な家」というタイトルに相応しく、
    悪意、嫉妬…ドロドロとした感情が渦巻いている作品でしたね。
    表向きは優雅だけど、その仮面の下は、、、

    岬の先に建つエンド・ハウスの、若く美しい女主人ニック。
    彼女は3度も命を狙われるが、運良く命拾いをする。
    ポアロに助力を仰いだニックは、ポアロの目の前で狙撃され…

    むぅ、これまた予想外の犯人でした!
    確かに犯人に行きつくための要素は完全に提示されるのですが、
    巧みに意識を逸らされてしまうのが、さ

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    2013年06月30日
  • 邪悪の家

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    ネタバレ

     再読。筋をスッカリ忘れてしまったので読み直してみると……あら、不思議。だんだんと思いだしてくるものなのだ。良くあることです。
     表紙が可愛らしくなった為、前の『邪悪の家』と打って変わって、「邪悪さ」が半減(前の表紙は、まるでホラー映画の舞台の様だった)。
     これだったら、『エンド・ハウスの怪事件』の題の方が合いそうだ。
     後、この表紙の『邪悪の家』は新訳の様で、ポアロの口調は前よりもくだけたものとなっている。それに合わせて、ヘイスティングスも一人称は「俺」。

     内容は、申し分ない。実際、初めて読んだ時、おおっと度肝を抜かれてしまった(と言う割に、スッカリ忘れてしまった訳だが)。ストーリーの

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    2013年01月16日
  • アルゴ

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    1970年代に実際に起きた、イランからのアメリカ人救出劇の話。
    アメリカ人外交官とその家族6名をハリウッドの映画スタッフに偽装するところなど、まさに救出“劇”である。意表を突いた奇襲攻撃のようだが、地道な訓練や周到な準備を重ねたCIAの凄さが伝わってきた。
    なんだか読んでいるうちに、もしかしたらウチの町内会にもCIAの諜報部員が住んでいるのでは、と思った。

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    2013年01月10日
  • アルゴ

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    映画だけ観た人に是非読んでほしい。内容よりも、如何に事実からエンターテイメントが創られるのかが本と映画を比べることでよく分かる。事実は小説より奇なり、その通りです。

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    2012年11月25日
  • 暗殺のジャムセッション

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    久しぶりにロス・トーマスの新作が出た。しかも、「冷戦交換ゲーム」の続編。私はあいにく前作を読んでいないが、単体としても十分楽しめます。この際、絶版になっている立風書房刊の作品群も、早川で出しなおしてほしい!ということで次は、「冷戦交換ゲーム」を読むことにします。

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    2011年12月31日
  • ポアロ登場

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    短編集ということもあり、 展開が早くて読みやすか った。 初めて読む作品もたくさんあり面白い。 映像 作品で観るポアロより、 原作のポアロは自分の能力 を他に示したがりな気障な印象だけど、 なんか憎め ないん。 原作ファンの中ではポアロよりマープルシ リーズの方が人気があるのもなんか納得。「安アパート事件」と「首相誘拐事件」が好きだな

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    2025年11月13日
  • 邪悪の家

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    ネタバレ

    すごくシンプルに読めば、真相が浮かび上がってくるという構成が面白い。いや普通に疑ってたんですよ中盤くらいまではね。でもそこから色々あって頭からポッカリ抜け落ちていたというか、勝手にその可能性を消していたというか…まあ素直な読者なんです。まあポアロもずっと見抜けなかったんで(笑) ミスリード・ミスディレクション(違いや如何に?)の巧みなクリスティーと相性良いのかもね。

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    2025年09月27日
  • ポアロ登場

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     14編が収録されており、盗難、誘拐、失踪、殺人など多彩な事件が展開される。
     ヘイスティングズとの掛け合いや、ポアロの「灰色の脳細胞」を駆使した推理が冴えわたり、次々と事件を解決に導く様子が印象的だった。珍しい失敗談も含まれており、短編集ならではのテンポの良さとともに、初期ポアロ作品の魅力が凝縮された入門にふさわしい一冊だった。

    ●首相誘拐殺人事件
     首相が戦争の和平交渉会議直前に姿を消すという大事件に対し、警察も諜報機関も手詰まりの中、ポアロはごく小さな手がかりから真相を導き出す。その推理は大胆でありながら理にかなっており、読者にも爽快感を与える。時間制限の中で事件が解決される展開はスピ

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    2025年07月31日
  • アルゴ

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    1979年イラン・アメリカ大使館占拠事件からテヘラン脱出までの過程を描いたノンフィクション。イランはかつてアメリカの同盟国で、ソ連の緩衝地帯として重要であった。しかしアメリカ政府は、親米派パーレビのシャー体制を過度に期待して、それ以外の情報活動を軽視したことが、のちにイランとの関係に亀裂が入った。また著者は当時のイランの背景に加えて、アメリカの諜報機関にも言及する。CIA技術部(OTS)の前身R&Dのスタンリー・ラベルにより、民間企業と協力体制となった。それ以外にも、デパートCIAの工作員が好んで使う、相手国の通貨を造ることは戦争行為に値するなど、いくつかの裏事情を本書で暴露する。

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    2025年05月25日
  • ポアロ登場

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    ポアロシリーズの短編で、短編だからこそ一話ごとの事件の全容がとても分かりやすく読みやすかったです。
    ヘイスティングス目線で描かれるポアロは、変に神経質なとこや自尊心の高さが、ヘイスティングスのその時の思いと共に描かれているのがポアロというキャラクターの面白さや、お互いの関係が現れているようで、個人的に好きです。
    ヘイスティングスがなにかとポアロの失敗を期待したり、一方彼の自尊心に対して心配したり、またポアロのヘイスティングスに対する物言いも思いきり馬鹿にしていたりして、そこがまたおもしろかったです。

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    2025年04月05日
  • ポアロ登場

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    短編集なのでトントン拍子に解決してしまうのは少し寂しいですが、とても読みやすいです。
    ポアロの可愛らしい性格や、それに翻弄されるヘイスティングスが微笑ましいです。
    ポアロにとってのチョコレートの箱のように、自分にも気を引き締める合言葉が欲しくなりました。

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    2024年07月22日
  • 邪悪の家

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    【ポアロ】
    ポアロとヘイスティングズは、若き美女のニックと出会った。立て続けに3回も命の危険にさらされたと語るニックはなぜ狙われているのか…

    ポアロとヘイスティングズが推理して、それをまとめてというシーンが多いので、推理ものが好きな人は楽しめるのではないかと思う。

    私はクリスティーの描く人間ドラマの部分の心理描写が好きなので、今回はそれが少なく感じて登場人物に感情移入できず、いつものような魅力をあまり感じなかった。

    今回は被害者が気の毒に思えて仕方なかったので、犯人にはきちんと罪を償ってもらいたい。

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    2024年07月21日
  • ポアロ登場

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    【ポアロ短編】
    別にポアロ初登場の話ではない。
    タイトルで誤解して、初めてのクリスティー作品には選んで欲しくない14の短編集。

    もし自分がこの作品をクリスティー1作目で読んでいたら、合わないと感じて2冊目以降は読まなかったと思う。
    短編だと心理描写が少ないので物語に入り込めないし、ストーリーやトリックも凝ったものではない。
    短編ではクリスティーの魅力が全然出てないと感じた。戯曲は短くても面白いのに。

    ポアロとヘイスティングズのやり取りは多いので、2人を楽しむ作品。
    でも他の作品と比べて2人がなんだか軽いんだよなぁ(^_^;)

    『マースドン荘の悲劇』
    江戸川乱歩の『心理試験』と全く同じシチ

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    2024年07月17日
  • ポアロ登場

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    短編だからすぐ解決しちゃうのが名残惜しい気持ちになる。ポアロシリーズは長編が好き。唯一の(??!)ベルギー時代のポアロの失敗談を聞けたのは面白かった。チョコレートの箱!笑

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    2024年06月13日
  • ポアロ登場

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    標準的な文庫本の厚さにも関わらず、14篇も作数があって、読み応えあり。
    外国人の名前が覚えられないので何度も戻りながら読み進めた。

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    2024年04月07日
  • 暗殺のジャムセッション

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    とても久しぶりのロス・トーマス。その昔に文庫で読んだ「女刑事の死」とか、あらすじは忘れてしまったけど、いかにもアメリカンな書きっぷりを堪能した記憶がある。そして突如来たブーム(愚者の街)に乗る前に読んでみたが、やはり面白いね。3.8

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    2023年12月22日
  • ポアロ登場

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    記念すべきポアロの第一短編集。個人的にはクリスティの本領は、やはり短編より長編にあるかなと改めて感じた。と言いながらそんなにたくさんは読んでないが。笑

    短編であるが故に、ポアロとヘイスティングの名(迷)コンビぶりがよけいに際立ち、ポアロのある意味鼻持ちならない自信過剰ぶりが際立っている。この一冊だげだとポアロの魅力の一端しか伝わってこない気もする。

    謎解きそのものは、単純でオチを知ってしまえば「そんなもんなのね」というものが多い。驚きが少ないという意味では、ミステリの出来としてはごく普通という気がする。

    謀略小説風の「首相誘拐事件」と、伝奇小説風の「エジプト墳墓の謎」が個人的にはお気に

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    2023年06月10日
  • ポアロ登場

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    自惚れが強く珍奇な見た目、およそ人好きされるとは思えないキャラクターでありながら、ミステリ界で知らぬ者は居ない名探偵ポワロ最初の短編集
    それもあってか、彼の人柄を如実に表すようなエピソードが多いね
    特にポアロの特徴的な人柄を説明する際に一役買っているのが相棒ヘイスティングズの存在かな
    ホームズに対応するワトソン程にはポアロが担当した事件に関わっているわけではないけれど、この短編集では基本的にポアロと共に事件解決に当たっている。それもあって、推理の過程においてポアロがどれだけ奇矯な振る舞いに出ているか、傲慢な発言が多いかを彼の視点を以って知ることが出来る

    ヘイスティングスの視点で描かれるポアロ

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    2023年06月01日
  • ポアロ登場

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    最近チョコレートの出てくる話にはまっているので、「チョコレートの箱」という短編目当てでこの短編集を読むことにした(以前NHKの「グレーテルのかまど」でこの話が紹介されていた)。ポアロがベルギー人だということも思い出し、催事でベルギーのチョコを買ってしまった。
    短編が14話入っていて、色々な話が楽しめる。
    『ポアロ登場』というタイトルだが、初登場シーンがあるわけではなく、「ポアロ参上」というところか。どの順番で読んでも問題ない。ポアロ&ヘイスティングズはホームズ&ワトソンを彷彿とさせる。
    しかし、展開が早いため、私が登場人物を把握する前にポアロが事件を解決してしまい、犯人の名前を

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    2023年02月16日
  • ポアロ登場

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    ポワロものの短編集でかなりホームズを意識した作品集。ポワロの雰囲気が若い。そしてクリスティが若い時期の作品だからか、短編だからか、全ての作品がそうではないとしても、最後の推理やトリックがなぜか面白くない。推理に至るまでの過程に無理矢理感があって、例えば銃で殺された人を検死した医者が、内出血の病死と診断していたり、少しすれ違った人をポワロが急にヘイスティングスに、尾行しようと言い出したり。もー突っ込みどころ満載。とはいえ、面白い作品もなくはないのですが。クリスティはやはり長編ものと痛感させられました。

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    2022年01月01日