【感想・ネタバレ】事件記者コルチャックのレビュー

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Posted by ブクログ 2014年12月06日

1971年、日本で放映され人気を博したホラーサスペンスドラマシリーズの原作。 殺人事件を追う新聞記者コルチャックの遭遇した怪事件のレポートを作者自身がまとめ上げるといった趣向でストーリーは展開する。そして、徐々に明らかになってゆく事件の全容と犯人は現代に蘇った吸血鬼や妖怪であったというサスペンスホラ...続きを読むー。
体はコルチャックの一人語りで、登場人物や経緯を説明する件はハードボイルド小説を読みなれない読者にはいささか緩慢な印象を受けるかもしれないが、単に怪奇譚で終わらせない構成は今も一読の価値が有る作品。
現代に蘇った吸血鬼の巻き起こす事件『ナイト・ストーカー』、不老長寿を得るために殺人を犯すマッドサイエンティストの怪異な事件『ナイト・ストラングラー』の2編はテレビシリーズになる前のパイロットフィルム(試作品)として取りあげられた傑作小説。
しかし、シリーズ化が決定するも作者のジェフ・ライスはドラマ製作側から著作権や使用料など不遇な対応を受け、裁判沙汰となりドラマは製作が打ち切りとなり使用権も複雑化した経緯がある。
ランスの作品を認めてテレビドラマ化に尽力を尽くした人は誰有ろうSF作家、脚本家の大家リチャード・マシスンその人であり、ドラマ制作で演出に携わったメンバーは後の『バック・トウ・ザ・フューチャー』を監督することとなるロバート・ゼメキスとボブ・ゲイル、製作には『Xファイル』を製作するクリス・カーターといった面々を輩出するムーブメントな作品でもあった。特にクリス・カーターは『Xファイル』の製作に当たりホラー作品の中に有って、権力者や政府によって情報の隠ぺい、改ざんされる謀略をして「政府や権力者を信用するな」というサブテーマはこの作品からインスパイアされた。

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