矢沢聖子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公が一人称ですべてを語るとき、
読者は感情移入がしやすく、
自然と主人公側に立って物語を俯瞰し、
一緒に物語の旅をすることになる。
でも、それがクリスティーの手にかかると、
この一人称も読者を欺く手段となる。
普通に考えれば、あり得ない。
転職を重ね、これと言った取り柄もない貧乏人の青年マイクと、
アメリカの大富豪の娘エリー。
このあまりにも育ちが違う二人が一緒になり、
ロマンスとして描かれる。
まるで「ローマの休日」のように。
途中、暴力や殺人、それにつながる憎しみ等の描写は描かれないが、
ラストになって押し寄せる欲望、殺人はこれまでのロマンスとして
描かれたものを一気に破壊し、 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ著者のデビュー作であり、著者作品初読。
話自体は台詞が多くて読みやすいのだが、登場人物の名前がややこしくて覚えにくい。
ジョン夫妻もこれを機に仲直りできてよかった〜という割とほっこりした終わり方。
ポアロというキャラクター自体、シャーロックやエラリーとは異なったクセの弱い、優しい髭のおじさんという印象。少し剽軽なところはある。
パッと真相が閃いて、周りが呆気にとられる中、興奮しながら足早にどこかへ行ってしまう感じは探偵らしくて面白い。
ヘイスティングズも時折推理をしているが、ポアロとは異なるミスリードであり、探偵ものあるあるといった感じ。 -
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Posted by ブクログ
アガサ・クリスティは初めて読むと思ってたけど、昔おじいちゃんの本棚にあった「ナイルに死す」を読んでいた。あれアガサだったのか。
時代的にはかなり昔だから指紋捜査もろくになくて人が死んだにしてはかなり雑な事件後の対応。
でも昔はこうだったんだよなと思うと警察や刑事も大変だったんだなぁ。
というか、科学も発達してなくて捜査法も原始的なこの時代はけっこう誤魔化せたのかな?
逃げおおせた犯罪者はたくさんいそう。
ストーリー的にはそんなことを考えてしまったけど、犯人こいつかーい!という良い振り回され感はあった。
読みやすかったけど、ミス〇〇とかミセス〇〇って書いたりファーストネームで書いたり、最初混乱し -
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Posted by ブクログ
イギリスの作家ミック・フィンレーの長篇ミステリ作品『探偵アローウッド 路地裏の依頼人(原題:Arrowood)』を読みました。
イギリスの作家の作品が続いています。
-----story-------------
「ホームズ1人が探偵じゃない」1895年ロンドン。
脚光を浴びるシャーロック・ホームズの陰に、ある中年探偵がいた──。
時は1895年。
世間が名探偵シャーロック・ホームズの活躍に沸く中、苦虫を噛み潰す男がいた──彼の名はアローウッド。
ホームズと同じ私立探偵だが、残念ながら回ってくるのはホームズには頼めないような曰わくつきの依頼ばかり。
助手のバーネットも機嫌の悪いボスにやきも -
Posted by ブクログ
「いい質問は安易な答えに勝る」が今作のテーマ。
冒頭のあるCEOの発言が、質問の重要性を端的にまとめている。
「コンサルタントにしろ、銀行家にしろ、弁護士にしろ、どういう質問をするか、
そして、こちらの話にどれだけ熱心に耳を傾けるかで、その人間の経験と
洞察力がわかる」(P7)
こうした観点から、問題の本質に切り込んだり、相手との関係性を深めたり、
はたまた自分自身を振り返るのに使える質問(パワー・クエスチョン)を
33(事例付)+293(質問事項のみ)個紹介している。
本書が特に優れているのは、「使うべきではない質問」を紹介しているところ。
たとえば、「(新しい地位に着任してから)想定