矢沢聖子のレビュー一覧
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大富豪の家の子エリーと駆け落ち同然の恋をして結婚した主人公マイクはジプシーが丘といういわくつきの土地に家を建てて二人で生活する。しかし結婚直後にエリーは不自然な死を迎え、多くの財産をマイクは手にする。エリーの友人で身の回りのことを全て担っていたグレタとマイクは実は昔から面識があり一連の事件を描いていたことが発覚。最後はマイクがグレタを締め殺して終わり。後半50ページから突然話の展開が進んであっという間に読み終わった。
母親も建築家サントニックスもマイクの魂胆をうっすら理解してはいたがマイクは彼らとは別の道を進み終わりなき夜へと向かってしまう。逆にエリーは朝ごと夜ごと甘やかな喜びに生まれつく人となりその対比が面白い。 -
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ネタバレアガサ・クリスティ10冊目。
ここまでひとまず有名どころを読んできて、
デビュー作を古本で見つけ手に取る。
いやぁ、よくまとまってるし、
細かい物証がたくさんでてくるし、
全ての登場人物に嫌疑がかかって面白かった!
みんながそれぞれの人間関係があって、
それを誤魔化したり、意地を張ったりした結果、
複雑になっていって。
アルフレッドとエブリンの営業仲違い犯人コンビ、
ローレンスとシンシアの両片思い、
メアリーとジョン夫妻のすれちがい、
バウアスタインのスパイ容疑…
犯人たちの計画した工作とは別に
みんなが自分の都合で何かを隠したり
勘違いで誰かを庇ったりしてどんどんややこしくなる。
これを全て明るみに出したポアロはすごいや。
アルフレッドは途中で疑いを晴らされたから
犯人から除外してたよ…
ヘイスティングズは惚れっぽすぎて笑える。
ジャップもデビュー作から登場していたのか。
今回も相関図を書いて読んだ。
誰が誰にどんな印象を持ってるかとか、
特徴とか。
それでも犯人は分からないんだけど、
読んでる最中はそれぞれのことがよくわかって
より楽しくなる。
以下、ポアロのセリフですきだったとこ。
「よく調べて、選り分ける。重要なことは取っておいて、重要でないものは、ぷーっと」「吹き飛ばす!」
「いやいや。お聞きなさい。ある事実が次につながる——
また次にいく。今度はうまくつながるかな?ぴったりだ、どんぴしゃり。これで次にいける。今度は——だめだ。
どこかぴんとこない。なにかたりない——鎖の環がひとつたりないんだ。そこで調べる。探してみる。そして、そのぴんとこない事実を、ひょっとしたら関係のない些細なことかもしれないが、そこに当てはめてみる」
「ちゃんと意味があったじゃないか。こりゃ、すごい!」
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ミステリの女王のポアロ作品、1作目。
今のミステリの書き方の基本となるような内容の展開。何十年も経っているのに新鮮に読める文章。
ポアロの愉快な人柄と怖さを持つ一面を読み取れる文章力。
校閲が無い時代だと思うので
登場人物の呼び方がコロコロ代わり
誰が何を言っているか注意深く読まないといけなかったり。
行間が無いので、展開が変わった部分を読みとくのが、現代小説に慣れてしまっている私には少し難しく…
何度も読み戻ってしまったけど、とても面白く、ミステリの女王と言われる意味がわかった。
内容や書き方に慣れてきた、残り1/3は、夢中で読んだ。
残りのポアロ作品も読んでいき、アガサ・クリスティーを読破したいと思った。 -
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もの言えぬ証人の中で今さらっとデビュー作の犯人ネタばらししたな?となって読み返し。人によってはあんなところで『アクロイド殺し』の犯人をネタバレされるの非道である。ポアロ1作目なので読み返す回数も多く、結構しっかり話の筋は覚えている。牧師館の殺人や書斎の死体同様、単独では不可能な殺人がカップルの共犯によって可能になるパターン。ポアロは1作目からわりとおじいちゃん扱いなんだなあ。シリーズの最後の方の作品全部は読んでいないので、ここからどう年を重ねさせるのかちょっと楽しみだったりする。『鏡は横にひび割れて』のミス・マープルも、ちょっと寂しいけれどよかったので。
ワトソンに比べるとたまにちょっと鬱陶しく感じることもある、相棒のヘイスティングス大尉が語り手。たいそう美人に弱いしうぬぼれ気味でもある。この人が強く主張することはだいたい間違っているが、何の気なしに言ったことはポアロのヒントになったりする、と思って読んでいる。 -
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ネタバレ【再読】
旧友に招かれスタイルズ荘に滞在することになったヘイスティングズ。だがそこの女主人エミリー・イングルソープが何者かに毒殺される。彼女は近頃新たな夫を迎えており、義理の息子のジョンをはじめとする家族たちは、その新たな夫をどうせ財産目当てで近付いたのだろうとよく思っていなかった。そんな折での事件だったため、当然疑惑は夫であるアルフレッドに向くことに。
ヘイスティングズは、たまたま再会した元ベルギー警察のエルキュール・ポアロに応援を要請する。ポアロは遺言の存在やどのようにして犯人が毒を手に入れたかなどという点から推理を進めていくものの、一番怪しいと思っていたアルフレッドにはアリバイがあることがわかった。
そうしている間に、ヘイスティングズの友人であり被害者の義理の息子であるジョンが逮捕される。ジョンは事件の日、被害者と口論をしておりさらに付け髭でアルフレッドに変装して毒薬を購入していたというのだ。しかしポアロは、別の真相を指摘する。
犯人は被害者の旧くからの友人ハワードと、被害者の夫アルフレッドだった。ハワードは被害者が日頃から処方されていた強壮剤を撹拌しないように注意して毒物を沈殿させ、最後の一服で死に至るように周到な準備を重ねていた。遺言を燃やしたのは被害者本人で、夫とハワードが命を狙っていることを知ったためだった。またジョンの妻メアリはメアリで、夫の不貞の証拠を掴むため被害者の部屋に侵入するなど、結果的に捜査を撹乱させてしまっていたのだった。
記念すべきシリーズ第1作にして、解説でも述べられているようにその後のミステリの歴史をつくった記念碑的作品。ヘイスティングズとポアロの出会い(再会)は意外にもさほどドラマチックではなく、道端でばったり会って「あれ? ヘイスティングズやん」といった感じなのがジワジワくる。
クリスティー作品の特徴は人間の内面を深く描いているところで、だからこそそれぞれの思いが交錯して複雑な物語を形成している。それがポアロによって解きほぐされていく様が気持ちいい。
●見どころ
・久しぶりということもありポアロを見くびるヘイスティングズ
・女性が絡むと暴走するヘイスティングズ
・自分のことを如才ないと自負するヘイスティングズ
・ポアロにおだてられるとたちまち機嫌を直すヘイスティングズ
・一事不再理を巧妙に利用しようとする犯人
●名言
「どうだっていいことなど、なにひとつないんです」 -
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アガサ・クリスティが初めて書いたミステリー。ポアロが登場する作品はいくつか読んでいるが、初登場のポアロはなんだか愛嬌がある感じがする。
今回起こる事件は密室状態の中で、即効性がある毒で死亡する事件。亡くなる前に誰かと揉めていたことや、遺言書を書き換えていたこと、飲み物をほかの人が部屋に運んでいたこと、などいろいろな事情から殺人事件とみて捜査されていく。
証拠になりそうなものも出てくるが、誰かが罪をなすりつけるために用意したものにも見えて、決定打とはいかない。
ヘイスティングスはポアロの言う事の真意をはかることができず、違う方向に推理してしまうのに、時々ポアロにひらめきを与えるヒントになることを言うのが面白い。 -
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アガサクリスティーの作品は昔からちょこちょこ読んでいたが、ポアロをシリーズ物として1から読んだことがないと思い、ポアロ初登場である今作を読んだ。
ポアロが少様子のおかしい一線を退いたおじいさんのように描かれていて、私が覚えているポアロ像と少し異なっていた(偏屈で頑固なところは変わらないが)。
内容はミステリーとしてしっかり読み応えがあり、犯人を推理しながら面白く読むことができた。
アガサ作品を読むたびに思うが、時代や国が違うので設定に戸惑うことが多く、また翻訳なので理解に時間がかかってしまう。
ポアロ作品を読み終えたときに、少しは理解度が上がっていたら嬉しい。 -
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アガサ・クリスティーが最初に書いた作品。アガサ・クリスティーの作品は、色々と読んだことがありますが、この作品はまだ読んでいませんでした。
同じイギリスの推理小説作家と言えばコナン・ドイルがいますが、彼は19世紀から20世紀にかけた人物で、その作品も、19世紀色が反映されており、ガス燈や辻馬車を巡る描写が数多出てきますが、こちらのアガサ・クリスティーは20世紀の人物で、亡くなったのは1970年代になるので、出てくる描写はより現代的になり、“自動車”に纏わる描写も多数出てきます。21世紀の今からみて見ると、どちらも“古風”という言葉でまとめられてしまいそうですが。
さて、この作品の話。アガサ・クリスティー最初の作品ですが、既にポワロ物の作風を確立した感はあります。ですが、ポワロとヘイスティングスの関係に、ホームズとワトソンの影が見えるのは、彼女が若い頃にホームズ物の作品を読み漁っていた事とは無関係ではないでしょうね。 -
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ネタバレページのほとんどは所々不穏な雰囲気が漂う身分違いのラブストーリーで、終盤でミステリーに変わり、真相が明かされると「うわーそういうことかーよく出来たミステリーだなあ」となるんだけど、さらに結末まで読むと、これはラブストーリーとかミステリーとかのジャンルに収まる作品じゃなく人間誰しも少なからず持つであろうひとつの感情を深いところまで突き詰めた作品なのだと感じた。
事件の起こらない前半部分は、展開自体がモテない男の都合良すぎる妄想を覗き込んでいるようなこっ恥ずかしさがあり、正直「なんでこれ読んでるんだっけ?」と我に帰る瞬間もあったが、語り口の上手さで退屈はせずスラスラ読めた。
事件が起きてからは文字通りページをめくる手が止まらない面白さ。
それでも読み終わってみると全編通して無駄なところなど少しもなかったように思えるのだからやはりクリスティはすごい。
まあそれはクリスティ作品毎度のことなんだけど。