矢沢聖子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ途中まで事件が起こらず長く感じてしまったが、最後に怒涛の展開でひっくり返された。真実がわかってから考えると、それまでのエピソードが違った意味をもって見えてきて、読み返すのがおもしろかった。
「終りなき夜」と「甘やかな喜び」が対比的であり象徴的。「甘やかな喜び」である、やさしく美しいエリーの喪失がより一層「終りなき夜」を深めていく。
主人公の周りには母やサントニックスなど警句を発し引き止めようとする人たちがいた。
母が主人公に、安定した仕事と生活をするよう、あんなにうるさく言っていた理由がわかった。母が言っていたのはこのことだったのだ。
すべてを得た後は、皆が去った。
読後はやるせなさと哀しみが -
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Posted by ブクログ
ネタバレ退屈を恐れ、仕事を転々としながら風来坊のように生きるマイケル。ある日、田舎町で「ジプシーが丘」なる場所の話を聞く。土地のものたちは「呪われた場所」だと忌み嫌うその場所がマイケルの心を掴んで離さない。いつしかマイケルはその場所に理想の家を建て、理想の人と暮らしたいと思うようになる。そしてそこで、エリーという女性と運命的な出会いをする。
探り合いながら距離を縮めていく二人。二人はついに結婚し、「ジプシーが丘」での暮らしを夢想する。身分違いの二人の恋をよく思わない人々をやり過ごしながら絆を深めていく二人だが、語り手であるマイケルの口ぶりから悲劇的な結末を迎えることが示唆されているので、どことなく物悲 -
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購入済み
なるほど
2020年の今読んでみても、色褪せていないですね。
この本は、奇抜なトリックがなくても
面白いミステリーが成立することを証明しています。
それとも私が単純なのかな。
ともかく楽しかったです。 -
購入済み
初ポアロ
ミステリーの女王"アガサ・クリスティーのデビュー作であり名探偵ポアロの初登場作でもある本作。僕にとっての初読クリスティーでもある。
クリスティー作品を読むことにずっと憧れはあったのだが、何十年も前に海外作家の書いた小説を ―1920年代から1960年代にイギリス人作家の作品を― 僕が楽しく読めるのだろうかとずっと躊躇していたのだが、思いきって読んでみたらそれは全くの杞憂だった。とても楽しい読書だった。
作品の書かれた時代も作中の時代背景も2018年現在から見れば遠い過去、つまり昔なのだが作品そのものは決して古臭くはなく、古き良き時代のイギリスを舞台にした面白い小説として読める。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレずっと手にしようとしていたものが、寒々しくて無価値なものであったと理解し始めた瞬間。そこにゾッとする。ある瞬間をきっかけに、少しずつ自分の中の歪んだ欲望が大きくなっていく過程は、誰にでも起こりうるのではないかと思うと、それも怖い。エリーとの穏やかな日々を自分の手で壊さずにはいられなかったのは、「終わりなき夜に生まれついた人間」の性なのでしょうか。
読み返していると、マイクは無意識に、エリーのことをかなり愛していたと感じた。グレタという存在と計画実行のための歪んだ欲に覆われて、穏やかな幸せに自ら蓋をした。全て終わってから、その構図をマイク自ら理解した。後悔というよりも、冷静な理解に近いのか -