矢沢聖子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画きっかけにポアロシリーズをしっかり読みたいと思い、電子書籍がセールのタイミングで購入したが、1年ほど積読していた。
ちょっとしたきっかけで、「ベッドの上で休みながら少しだけ読むのにちょうど良いかもしれない」「なにか気晴らしになるかも」「何か他のことに夢中になりたい」と思い読み始めた。
そして、読み始めたら止まらなくなり、結局最後まで読み進めてしまった。
久しぶりにきちんと本を読むことができて、とても感動した。
雰囲気としてはシャーロック・ホームズのバスカヴィル家の犬に近いものを感じて、親しみやすい印象を受けた。
ここからポアロシリーズをちゃんと読み進めたいと感じた、印象に残る一冊。 -
Posted by ブクログ
名探偵エルキュール・ポアロの小説は学生の頃結構読んだし、デビット・スーシェのドラマや、いくつかの映画も見ている。
こちらのスタイルズ荘は、ポアロと、記録者で友人でワトソン役であるアーサー・ヘイスティングズ大尉が初めて一緒に行動する物語。犯人もトリックも覚えている状態での再読となるが、それでも犯人やトリックは難しく、小説としても人間心理としてもよくできているし、なんといってもヘイスティングが色ボケしまくっていて「しっかりしろ!」と思いながら楽しく読みました・笑
まあこのころのヘイスティングズは「あなたは若いから」って言われる年齢だしなあ・笑
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大尉のアーサー・ヘイスティングズは療養のために旧友ジョン・カベンディッシュの住むスタイルズ荘にやってきた。
スタイルズ荘の女主人は、老婦人で大富豪でジョンの義母のエミリー・イングルソープ。最近20歳も年下で見るからに怪しく嫌われもんのアルフレッドと結婚したもんだから、彼女の血縁者や長年の使用人たちは穏やかではない。
他にこの屋敷に他に住んでいるのは、
ジョンの妻メアリー、
ジョンの弟ローレンス、
イングルソープ夫人が面倒を見ている娘さんのシンシア、
代表的使用人にはイングルソープ夫人に長年付き添うエブリンというコンパニオン。
エブリンは「奥様はあのアルフレッドに騙されています!」と言って夫人と喧嘩別れして出ていってしまった。
そして数日後、イングルソープ夫人がストリキニーネで毒殺される。
ヘイスティングスは、ジョン・カベンディッシュに「ちょうどこの町に私の旧友で、とても有用な警官だったベルギー人のエルキュール・ポアロが戦争で亡命してきている。彼に捜査を頼んでみてはどうでしょう」と提案する。
こうしてポアロとヘイスティングスのコンビが始まった!ジャップ警部も登場するよ!
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ポアロとヘイスティングスはポアロがベルギーで警官だった頃に知り合ったらしい。ヘイスティングスはポアロにいたく感銘を受けて「戦争が終わったら探偵になりたいなあ。自分の人当たりの良さとか観察眼には自信があるし」なんて密かな夢を持っている。しかし彼の推理力は全く当てにならないってことは、ポアロ読者はよく知られているところ・笑・笑
まあヘイスティングスの正直なところ、記憶力、それを再現して正確に伝える能力、ポアロ記録者としての文章能力はすごいんでしょう。自分が「若いシンシアにも、友達の妻のメアリーにもデレデレデレデレしちゃったよ☆ 相手も自分をにくからず思っているよね☆」なんて書ける正直さ純粋さは彼のいいところってことにしておこう・笑
事件としても、このようになった人間心理としても面白く読みました。 -
Posted by ブクログ
クリスティ自身がベスト作に選出した一作。
探偵役不在のノンシリーズで、本格ミステリーというより、メアリ・ウェストマコット名義の『春にして君と離れ』のように、恋愛や結婚をテーマにした心理劇という印象が強い。
後半まで大きな事件は起こらず、不穏な空気とじわじわとした心理描写で物語が進む。展開はかなり地味ではある。
しかし、この作品のトリックは“あの作品”と骨子を同じくしている。そして本作は、その発展形であり、一つの到達点として読める。
本格ミステリーの色が薄いという見かけとは逆に、その緻密な構成には唸らずにはいられない。自身がベストに挙げたのも納得だった。
『春にして君と離れ』が好きなら読んで損はない。
この静かな圧倒感は他に代えがたい。
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Posted by ブクログ
再読。
初期ヘイスティングスこんな人だったっけ?とびっくりした。
当時あるあるだったんだろうけど、裕福な人や良家の人はまともっていう階級意識、綺麗な人は犯罪と無縁という女性観、正義よりも感情を優先させる倫理観…
だからこそ、ポアロの一貫した礼節を重んじるダンディズムと冷静さが際立って楽しかった。
シリーズどこまで読んだか忘れて初めから読み直そうと思って読んだ感想で、ヘイスティングスの印象は変わっていくこと、おそらく当時よくいた男性像を表す役割だったんだろうということは理解してる。
凸凹コンビだからこそ楽しいというのもあるし、この後のヘイスティングスはポアロを立てる愛嬌のある友人という無難な位置におさまっていくから、これはこれで面白かった。
ストーリーは言わずもがなよく出来ている。
デビュー作ということで、この後の作品に比べると洗練さは少し劣るかもしれないが、巧妙に読者を翻弄する展開や、中弛み感のないテンポの良さなど大御所作家への期待を裏切らない作品。
登場人物は多いものの、舞台が限られているのでとても整理しやすく、ミステリ初心者にも強くオススメできる。
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Posted by ブクログ
いい質問は安易な答えに勝る。
御社のことを教えてください。と言われたら、具体的な点を挙げてもらうこと。弊社のどういう点に興味をお持ちか。と問い返す。
あなたはどう思いますか?という問いかけは、話を引き出し、相手に関心があることを示すことができる。
根本的な質問をする。これはソクラテスの考え方。思い込みに疑問を投げかける。当たり前だと思っている言葉の定義を問い直す。
どんなふうに始めたのか?を問うと相手は自分のことを話してくれる。
出だしてつまずいたら、最初からやり直しても構いませんか?と問う。
あなたは何故、今の仕事をしているか?この質問で仕事をする真の理由を問う。
これまでで一番やりがいがあったことはなんですか?これを聞くことで、貴重な話が聞ける。
これはあなたにできるベストですか?これはむやみに使えないが、上手に使わないといけない。逆に常に自分に問いかけてみる。
断定的な答えを期待するなら、イエス、ノーを明確に問う。
あなたの夢はなんですか?相手を気にかける質問。
極めて個人的な選択の場合、あなたにとって正しい決断はなんだと思いますか?そして口をつぐむ。相手の答えを見つけるまで待つこと。
何を学んだか聞くと良い。経験を最大限に活用するための質問である。
もっと詳しく話してくれませんか?と聞いて、情報を引き出し、相手の心を開く。
相手にじっくり考えてもらいたい時の質問は、今の仕事の何にもっと時間を充てたいか?逆にかける時間を減らしたいことは何か?
自分の死亡記事を書くことで、自分の人生に向き合うことができる。
自分の計画ばかり話してはいけない。相手のために計画を立てて、それを押し付けるのもよくない。まず、あなたの計画を聞くことから始める。そして聞き上手になるには、3つの原則を守ること。1.謙虚さ。出会う人全てから学ぶことができると信じること。
2.好奇心。3.自分を知ること。自分には偏見や先入観があると知ること。
逆の立場だったら、どうしてもらいたいか。これを考える。
彼らにもっと何をしてもらいたいですか?この質問でただ非難するのではなく、解決策を講じるようにする。
こうしたい。と言われたら、本当のことを見極めるために、何故。を繰り返す。
会議前に、今日は何を決めなければならないか。会議後には、今日は何を決めたか。を確認する。
アドバイスを求められた時、相手の説明が曖昧だつたり、むやみに予備知識を与えようとしたら、問題はなんですか?と聞く。
限界まで自分に挑戦する。ミッション、時間とエネルギーをかけて関わりたい人間関係、あなたの身近な人の目標や優先事項、周囲に対する期待そして計画に関する質問をする。これは、ピータードラッカーの質問。
あと3年しか生きられないとしたら、何をしたいか。これは人生の優先順位を考える質問。
質問には大きな力のあるがあることを理解できた。これは仕事だけでなく、日常生活のあらゆる場面で有効なのだと思う。質問はよい触媒なのだろう。 -
Posted by ブクログ
『スタイルズ荘の怪事件』
ご存知 アガサ・クリスティー デビュー作♥
先日、"海外ミステリーオタク"
ひまわりめろん師匠…が
ホロヴィッツ を 読むなら まずは
クリスティ 読んでからにして!と
本当は言いたいw だ なんて言うんです!
意地になるとかじゃなくって…
そうかもなぁ……ってね思っちゃったんです!
タイトル知ってても 読んだことない作品の
多いこと多いこと……
何から読んだらいいの?の質問に…
オタク………ひまわりめろん師匠は
『スタイルズ荘の怪事件』 を
薦めてくださいました♪
これが読んでみたら……
すこぶる おもしろい
本当に
おんもしろかったぁ~~(b´∀`)ネッ!
(疑ってたわけじゃないですよ)
読む前に いろいろ調べてみたんです!
『アガサ・クリスティーの完全攻略』
の霜月さんは…
本作こそが「本格ミステリ」というものの雛形
『スタイルズ荘の怪事件』には、
「本格ミステリ」という小説にとって
不純物となるものがまったくない。
不純物を徹底的に削り落とした結果、
あとに残ったもの。
つまり本格ミステリというものの「様式」。
それが『スタイルズ荘の怪事件』なのではないか……と語っているのですが…
全然わからない(ㅎ.ㅎ )
そもそも…なんです。
ミステリー詳しい?
詳しくないんです…残念ですが( ๐_๐)
ただ…この『スタイルズ荘の怪事件』
わかりやすいんです。
うまく説明出来そうもないんだけど。。
スタイルズ荘を訪れたヘイスティングズ は
到着早々 屋敷の女主人が
毒殺されるという事件に巻き込まれる。
事件を調査するのは ヘイスティングズの親友…
エルキュール・ポアロ
って 感じなのだけども…
まぁ…読みやすい( •̀∀•́ )b
自分が考える謎を きちんとポアロが
解いてくれるの。
教えてくれるのよねぇ
それ 気になってたんだよなぁ
みたいにね
それでも…バンバン人が殺される訳でもなく
単調な時間が続くのだけれど…
ヘイスティングズ の考え、行動、 気持ちが
丁寧に描かれていて
正直、特別 強烈なことは起きないのだけど
それが 却って現実味を帯びているというか
実際 そんなもんじゃねぇ?って
思えてくるというか……とにかく凄い。
自分も隅っこで シーンのやりとりを
見ている感じが 半端なくするの。
デビュー作?
うそーーーん!
1920年の作品?
うそーーーん!!
無駄がない…
書くべきこと が きちんと描かれていて
読みやすくて ザワっとしちゃう
因みに 霜月さんの評価は ★★★★ でした
ひまわりめろんさん♪
有川ひろ さん といい
アガサ・クリスティ といい
こーんなに 素敵な作品たちを教えてくれて
本当にありがとうございます(*´艸`)フフフッ♡
アガサ・クリスティの
『そして誰もいなくなった』とか
『オリエント急行の殺人』とか
むかし 読んだんだよなぁ
ただね…
活字をただ追ってるだけだったのかなぁ?
読んだ気分になっていただけの
ゆっくり 味わって読んでいかなきゃって
改めて 感じたわ(๑•̀ㅂ•́)و✧
ともちんの アガサ・クリスティの旅
まだまだ……続きます♥
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Posted by ブクログ
「信頼できない語り手」のタイプの小説。読みはじめてすぐに、これは自分が好きな小説だと分かった。
クリスティの小説のおすすめとしてよくタイトルを見かけていたが、期待以上だった。
まだクリスティの小説を読んだことがないというひとはぜひ読んでみて。
ところどころで、「ん?」と違和感がでてくるのだけど、すぐにもとの話の調子にもどってしまう。なんか変だぞと怪しみながらも、なにを意味しているのかよく分からないといったバランスになっている。
読みおわったあと、全ての事実を知った状態で、もういちど最初のページから読みなおしたくなった。
作中で事件や殺人も起こるので、犯人は誰なのか考えながら読んだ。最後に事実が明らかになるまでミスリードさせられっぱなしだったな。
表紙もお気に入り。読み初めてすぐと、読み終ってからとでは印象がまったく変わってくる。
あらすじ
マイクは呪われた土地と噂されている「ジプシーが丘」に建つ物件を見にきていた。
母子家庭で育ち、土地と仕事を転々としながら生きてきたマイクには、土地を買うだけの資金はなかった。
しかし、たまたま見かけた広告に運命を感じて物件を見にきていたのだった。
マイクとは対照的に、エリーは大富豪の娘として生まれ育った。
エリーは身内に内緒でこっそりと旅行していたときに、「ジプシーが丘」でマイクと出会う。
二人は惹かれ合い、やがて結婚し「ジプシーが丘」に素晴らしい家を建て、そこで暮らすようになるのだが…… -
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【ノンシリーズ】
攻略本でベスト3位、クリスティー自身が選ぶベスト10の中にも入っている作品。
これはもう読むしかない。
ポアロは出てこない「ノンシリーズ長編」
◆あらすじ
呪われた「ジプシーが丘」。
貧しい青年は大富豪の娘と結婚し、呪いの噂のある屋敷で結婚生活をはじめるが…。
なかなか事件が起きないので、何のジャンルなのかさえわからないまま進む。
もしかしてこれは『春にして君を離れ』みたいな感じかな?と思ったら急展開。
そこからはすごいミステリーだった。面白い!
まさに「クリスティの総決算」だった。
読んだ後にもう一度最初の方から確かめたくなる。今までで1番怖かった。 -
Posted by ブクログ
沈黙こそ生産的議論が必要とするプロセスなのだという点、よく腹に落としてくれた一冊。
後半ではドラッガーの思想に触れ「あなたは、どういう人物として記憶されたいですか」という問い、即ち「ミッション」を探るためにこそ質問が必要であるとしている展開は白眉。
七つの習慣で、コヴィー博士が引用している「黙りなさい、さもないとあなたの舌が耳を塞ぐ」というネイティブアメリカンの格言をより具体的に理解させ、良い質問は、沈黙を生みミッションの輪郭を相手に示させる。そして、本質的なコミュニケーションの基礎を築くということを明らかにしてくれた一冊だと感じました。 -
Posted by ブクログ
・それから訊いてみた。「この買収はどういう点でライフ・ヘルスのミッション・ステートメントを実現する事になるのですか?基本理念に関してはいかがです?」
「それは」リックは口を開いたが、あとが続かなかった。
「私はただ」彼はまた言った。「攻めに出るいいチャンスだと思っただけなんだ。思い立ったら突き進むタイプだから」
私ははっとした。「ただ…だけだ」と聞くと、反射的に頭の中でアラートが鳴るのだ(「自分の中だけで完結している人間は器が小さい」というハリー・エマソン・フォスディックの名言を思い出した)。
「どうですか、リック、ミッション・ステートメントのどこに聖フランシス病院の心臓外科を乗っ取るのが基本理念にかなうことだと書いてありますか?聖フランシスをつぶすことになりますよ。心臓外科がなくなったら、やっていけないでしょう」
「なにが言いたいんだ?」リックは訊いた。
「言いたいわけじゃない。あなたに訊いているのです」
・人間のすることに揺るぎないことなどない。したがって、うまくいっているときは極度の高揚を、逆境では極度の落胆を避けることだ。―ソクラテス
・「オフィスから叩きだしてやったよ」
多国籍企業の北米支社のCEOであるフレッドと話していたときのことだ。かつてフレッドは世界でも最大級の銀行で最高情報責任者(CIO)をつとめていた。長年のうちにフレッドを訪ねてきた営業担当者は数知れない。
「文字通り叩きだしたんですか?冗談でしょう?」
「冗談なんかじゃない」「フレッドは言った。「またあの質問をしたんだ」
「あの質問とは?」
「夜中にふと目覚めて不安になるのはどんなことですか、だ」
…
「理由を説明しよう。
第一に、これは特定の相手に向けた質問ではない。ちゃんと下調べしてきたとは―相手の会社を調べて、どんな問題があるか研究してきたとは言えない。なんの準備もなくてもできる質問だ。だから、怠慢だというんだ。
第二に、よく知らない相手に本心を明かす人間はいない。当然だろう。考えればわかることだ。会ったばかりの営業担当者に私が腹の中の懸念や心配を打ち明けると思うか?冗談じゃない。
第三に、CEOやトップ経営陣を相手にするには―これがいちばん大事な点だが―この質問には問題がある。私のような立場の人間は、もっぱら会社の成長と革新に責任を負っているが、運営上の問題には関わっていない。運営上の問題に関わるのは執行役員だ。要するに、私のような役員は会社を成長させ革新するために雇われているわけだ。『夜中にふと目覚めて不安になるのはどんなことですか?』と訊かれても答えられない。
…
先日、当社の株主総会招集通知書を丹念に読んで、役員報酬について気の利いた質問をした女性がいた。複数の選択肢がある理由を知りたがってね。楽しい議論になったよ。適切な質問をして、それとなく探りを入れてきた。私が何を心配しているか、どんな人材活用体制をつくって離職を防ぐための戦略をとっているか、よく研究していた。要するに、充分な知識と経験があることをさりげなく伝える質問をすればいいんだ。当社の競合他社をどう評価するか、業界の動きをどう見るか、自分の意見を言うといい。私を話に引き込むことだ。そうすれば、こちらも口が軽くなる。そこまで持っていったら、もう少し踏み込んでもいい。
たとえば、こんなふうに。『これまでうかがったなかで―x、y、zのなかで―どの懸案を優先したいとお考えですか?どれがいちばんの難題だと思いますか?』」
・ベンの同僚は結婚生活が破綻したことに深い痛手を負っていた。カフェを出ると、彼はベンに言った。
「一度リズに訊いてみたほうがいいぞ、子供たちから手が離れたらなにがしたいか。妻は最後にこう言ったよ。『あなたはいつも自分の夢ばかり追っていて、私の夢がなにか一度も訊いてくれなかった』」
偉大な芸術家や指導者は決して夢を捨てないが、私たちはおうおうにして夢を諦める。H・D・ソローは「夢はその人の人格の試金石である」と言った。ゴッホは友人にこう言った。「僕は自分の絵を夢に見て、夢を描く」
・常にクライアントに前もって結論を伝えておくこと。会議に出席する経営陣がひとり残らずこれから発表することのブリーフィングを受けていると確かめないかぎり、会議室に入ってはならない。
・真実を発見するためには、人間は塵のように謙虚にならなければならない。出会う人すべてから学ぶことができると信じることである。―ガンジー
・「うちは市場第一位のシェアを誇っている。品質の高さではどこにも負けない。営業担当者は最大の宝だよ―競合他社は彼らを引き抜くチャンスをうかがっている」
話しができすぎているような気がした。私は「なぜ」という疑問から始めた。
「なぜ研修会を開こうと思ったのですか?」
「それは、営業担当者たちのスキルを継続的に向上させる必要があるからだ」
「なぜ営業担当者のスキルを向上させる必要があるのですか?今でも業界の垂涎の的なんじゃありませんか」
「スキルが向上すれば、もっと効率よく新規顧客を獲得できるだろう」
「なぜ新規顧客を獲得するためにさらに努力しなければいけないのですか?」
カートは生きるためになぜ呼吸しなければならないのかと訊かれたような顔で私を見た。
「現在の顧客基盤ではCEOが設定した成長目標に達することができないからだ。新規顧客をもっと開拓する必要がある」
(これでやっとターゲットに近づいた)
「では、なぜ顧客基盤を拡充できないのですか?」
ぎこちない沈黙が続いた。カートは咳払いして、もごもごと口ごもった。私は辛抱強く待った。(生産的な沈黙はぜったいに破ってはいけない!)
「実は、減少してるんだ。毎年、20%の顧客を失っている」
「なぜ毎年20%の顧客を失うことになったのですか?」
「競合他社が数社、シェアを獲得するために価格を下げてきたんだ。だが、いつまでもやれることじゃない。あんな低価格を長期的に維持できるわけがない」
「どうして分かったんです?」私はさらに追及した。
「営業担当者からアンケートをとった。それに、2、3のクライアントからも聞いた事がある。」
(ようやく思っていたところまで掘り下げることができた)
顧客減少の原因、競合他社の戦略、顧客が自社の商品や価格設定をどう考えているか、そういったことを充分に検討してからでなければ、研修会を開いても意味がないと私は伝えた。
…私は営業担当者からも、会社が失った顧客からも話を聞いた。やがて真相が見えてきた。ドーソンの会社が価格競争に負けていたわけではなかった。それよりも、問題は製品の品質と納期だったのである。
・「覚えておくといい。クライアントから成長と利潤の一部とみなされていたら、君から学ぶことはまだいくらでもあるということだ。しかし、管理すべきコストとみなされたら、いつお払い箱になっても不思議はない。」
・「人間はなにも持たずにこの世に生まれて、なにも持たずにこの世から消えていく。永遠に失わずにすむものがあるとしたら…それは与えたものだけ。私は与えた人と記憶してもらいたい。」
・まず、全員になにも書いていない封筒を渡して、差出人住所を書いてもらう。あて先は自分にして「私用親展」と書く。切手を貼る場所には、日付を入れる。
封筒の用意ができたら、短い作文を書いてもらう。特別の作文だ。
「構文やスペルや句読点にはこだわらないで。学校で習った文法はいっさい忘れて下さい。思いつくままに書いていただきたいのです。
頭のなかを真っ白な紙にしてください。では、準備はいいですね。
あなたの余命はあと三年、今日から三年です。そうとわかったら、あなたは個人として、そして職業人として、なにを変えたいですか?なにをしたいですか?誰ともっと親密に関わりたいですか?」
友人とはあなたの魂の歌を知っていて、あなたが言葉を失ったとき、その歌を歌ってくれる人だと私は説明する。あなたの友達は誰ですか?なぜその人たちともっと頻繁に会おうとしないのですか?あなたは人生をどう変えたいですか?
作文を書く時間は15分。それ以上は必要ないだろう。私が求めているのは、ありのままの心を取り繕わずに描いたレポートなのだ。
書き終えた紙をたたんで宛先を書いた封筒に入れ、封をしてもらう。私はそれを回収してオフィスに持って帰る。それを三年後に各自に送るというしくみである。
教訓的だった。でも、この最後のトピックが無ければ★4つにしたと思う。これはとても素敵なセッションだ。