藤堂志津子のレビュー一覧
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男女の友情をテーマにした小説。
友人関係と恋愛関係の、どちらでもなく、あいまいだけどスリリングなときめきが漂う関係。
二組の対照的な関係がとても興味深くておもしろかった。
たとえばどんなに素敵な恋も、永遠ではない。
友達から恋人という関係にすすんだ途端、男女の不平等な関係を引き受け、互いに縛り合うようになったりする。
男女間の結びつきは、恋愛だけではない。
恋愛なのか、友情なのか、きっぱりと区別できない曖昧さが、実は心地のよい関係だったりする。熱くもなく、かといって冷たくもなく。安定したこころの交流。だからこそ、長続きするのだ。
またまた野沢尚の「恋人よ」に少し似てる。。。と思った。
水上洋 -
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著者の日々のエッセイ。
タイトルからして恋愛のことばかり?と思われそうだけど、
そういう部分ばかりではなく、ごくごく著者の人柄というか考え方というか。。
読めば読むほど、この著者と似ている部分が多くて(笑)
例えば、『恋の姿勢』では、追いかけられるより追いかけたい。
『周りがなんと言おうとも、私は彼が好き、と自分でしっかりと認めた瞬間から、
この恋はだれのせいでもない、という潔さが生まれてくる。
被害者意識が入る隙間もなくなる…』
受動的より能動的に行動すると、生きている手応えを感じられる♪という感覚。
(それは、スクリーンのなかの人でもいいのです♪手の届かないところの人でもいいの。) -
Posted by ブクログ
主人公・郁子が、十年間一人の男・勇介を愛し続け、そして自称ジゴロと名乗る年下の圭祐への愛。
心の快適さを支えるのは「自由」であって、自分独りでいる自由もあるが、他者からの愛情や友情が付随している場合もある。
そしてその他者もまた「自由」であってほしいと著者は思う。
著者はあとがきの中で『ひとりの男(女)を、十年間愛し続けることは、このスピーディな現代では、ほとんどありえない、と思われる方もいるだろう。
しかし私は、あえて「いる」と断言したい。自分にとって大切な人ということを、じっくり考えた場合、歳月など関係なく人はその人を愛し続けてゆく。
たとえ、十年・二十年逢えなくとも。人間の心は、はかな -
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十篇からなる恋愛短編集。
それぞれの主人公は、どこにでもいそうなごく平凡な女性たち。
だからこそ、読んでいて共感できる部分が多かったのだと思う。
この中でも私は、「グレーの選択」が好きだ。これは、著者自身もお気に入りとのこと。
文体が私からあなたへの手紙文になっており、またまた「恋人よ」みたい。。。と思ったのです。
白・黒はっきりできない関係、あいまいな関係であっても、それはそれでいいんだ。むしろそのほうがお互いに居心地がいいのかも。
「私たちの関係は一時的に中断しているだけ。この考えは私を慰めます。夢物語だとあなたは笑うでしょうか。」
こういう感じってよくわかるな。。。
勝手に好きになって、 -
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『秋の猫』⇒恋人である岩本の浮気が発覚し、主人公:早智子は別れを切り出す。そして、その別れを気に2匹の猫:ミミとロロを飼い始めるが、ミミはなかなかなついてくれず・・『幸運の犬』⇒主人公には、夫である杏次郎と、愛人である高瀬がいる。杏次郎との離婚話が進むにつれ、幸運の犬である「キチ坊」の親権について問題になった。話し合いの結果、杏次郎が親権をもつことになったが・・『ドルフィン・ハウス』⇒度重なる転職で「かしわ荘」に越した、主人公。その近所には、壁にイルカやクジラの描かれた、不思議なアパートがあって・・『病む犬』⇒生後2ヶ月のロングコートチワワ:マシューを飼うことになったが、病弱で医療費がかかりす
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働く女性の「結婚」を意識した恋の話。
藤堂さんは古典が好きなんだなって思った。
登場人物の何人かが、
アドバイスとして主人公の恋愛を古典の何かに例えてるの。
今も昔も男女の営みは変わらずってことかしら?
5つの話を読んで共通するのは「恋は盲目」ということ。
冷静に読んだらアホやなぁ〜!気付けよぉ〜!ってことも
まぁ、私も恋に落ちたら?こんな風に、うん、思うことって〜あるよね。
この女嫌いだなぁ〜って読み進んだものの
最後はちょっとすっきりで終われてよーございましたよ。
時代を感じたのは、
携帯電話がなくって連絡がつながらずにイライラっての。
懐かしい淡い感じがよか