藤堂志津子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
たまには女流作家さんの本を読んでみようか恋愛小説に浸ってみようかと平積みされてたのを全然期待せずに手に取る。あらすじを読んで「娼夫かぁ」んーパッとしないなと思いながらも読んでみたらすっごい良かった!
言葉、心の内のかけひきが続き、娼夫がネタなのに一切そのような場面はない。
主人公の女性は娼夫の男を「たかが娼夫じゃない」と思い込むことによって、男に対する好意と憎悪を処理しようとする複雑な思いにあり、男も女性を「娼夫を買うような女」と見ることによって、女に対する乾いた気持ちと嫌悪にと向き合う。
淡々と進む中、そのうち恋人同士になってもおかしくはないのではという展開にまで盛り上がるのだがそれでも二人 -
Posted by ブクログ
すごく好きな夫が離婚しよう。俺はバイセクシャルなんだ。
と公言しだした妻の話。
とっても寂しくてつらくて、恨んだり後悔したりというなんとも言えない面倒な女の話かと思いきや。なんともユーモアの混じった妻の発言やら考え方がとっても見てて気持ちのいい本でした。笑笑
ぐちぐちぐちぐち自分の心境の不幸を味わいまくるようなこともせず、かと言って無駄に前進しようーと頑張るでもなく、テキトーにその都度なんとなーく生活してる妻の姿が、ある意味頼もしくもあり、正直でもあって、爽快感はないし別にどうってことないんだけど、わたしこの人好きだなぁ。
と、思うような話で、新しい友人が増えたような気持ちになりました -
Posted by ブクログ
ネタバレ別れ話する際中で、あれ?元カレ(別れようとしてる側)のほうが良いんじゃない?ってなったり、元妻の独占欲で別れれんかったりそれで時が過ぎてタイミング逃したらもう何か違うなってなって、結局一緒になれるわけでもなく自分に結婚しようって言ってくる男はほかの女とずっとずるずる付き合ってて、子供もできたのに無責任なこと言ってる相手が嫌になって別れて、でこの主人公10人以上元カレおって…自分かよ。なんかどうこうって大きい話でもないけど面白かったな
まさかの高治にもほかに女おるし結局距離置いて杉岡と千奈が付き合うために別れ話してたのに結局別れたは分かれたけどなんとなく自然消滅で終わる。なんやねん! -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。
すべて動物が絡んでいる。
印象に残ったのは2つ。
「幸運の犬」
最後の、してやったり感が気持ちよい。
別に夫婦のどちらも、似たようなものだけど、純粋に一緒にいたいと思う妻の方に(完全なる純粋ではないけど)、軍配が上がるのはすっきり。
特に秘書(旦那の愛人)の上から目線がイライラだったので、実際にラッキーを運ぶ犬かどうかは別として、これぐらい気持ちよく犬を連れて帰れたのは、よかった。
ただ、犬好きからすると、どっちもどっちではあるんだけどね。
あとは「病む犬」。
気持ちがわかるから。
しかも好きで飼い始めたわけではなく、でも、弱い犬を見捨てられない気持ちがわかるので。
そしてき -
Posted by ブクログ
藤堂志津子さん、久しぶりに読みました。
主人公・玉子65歳。
亡き息子の嫁・里子と孫娘・春子と穏やかに暮している。
そこに嫁に行った娘・葉絵が帰ってきては波風を立てる。
嫁・姑・小姑、三つ巴のドロドロだったら嫌だなぁと思ってたんですが、
そんなこともなく面白かったです。
いつもおっとりと優しい玉子が、ときおり見せる姑のチクッ。
優等生すぎる嫁・里子の別の顔。
突きぬけてる葉絵が案外憎めなかったりして。
それと、なぜ夫が不在なんだろうと思ってたら、それがまぁ…。
葉絵が実家に帰ってきては、
母親に子供の頃の鬱憤をぶつけて絡んでくるんですが、
この「今だから言わせてもらうけど…」的なかんじ