あらすじ
65歳の玉子は、亡き息子の嫁、里子と孫の春子との三人暮らし。お互いをいたわりあっての平穏な日々。そこに嫁にいった38歳の娘、葉絵がしょっちゅう帰ってきては、子供のころに心理的虐待を受けた、と身に覚えのない難癖をつけてからむ。実の娘よりも他人である嫁のほうがわかりあえるのか、いや、いざとなればやはり実の娘がたよりになるのか、玉子の心は複雑に揺れ動く。傑作連作短篇集。
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Posted by ブクログ
人物像が読み進むにつれて変わってきて…。特に、里子さんはもっとしっかりした思慮深い人かと思いきや、最後には興味本位で軽はずみな発言をしてしまう人みたいになったし…。物足りなさもあったけど、様々な世代の様々な女性の生き方が面白かった。
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65歳の玉子は、息子の亡き後、嫁の里子と孫の春子と同居している。
そこに娘の葉絵が里帰りしてきては、嵐を巻き起こしていく。
1話では、未だ扱いに苦慮する娘と、出来た嫁の話。
あれ?と思ってた夫がどうなっているかは第2話で。
3話は、いろいろこんがらがって誰しも見せてる一面だけじゃないよね、と。
女3人寄れば、しかも姑、嫁、娘となればコワソウ!?と思いましたが、小さいイライラやニヤニヤ、共感もありで、一気に読めました。
Posted by ブクログ
日常に潜むちょっとした毒をちりばめた話。
息子を亡くした母と旦那を亡くした嫁の同居
時々家にやってくる実の娘の愛情に飢えた明け透けの悪意。
本当にどこの家庭でもありそうな人間関係の不和と融合
登場人物の小市民感が共感できて良い
Posted by ブクログ
久しぶりに藤堂志津子さんの本を読みました。こんな感じの作家さんだったっけ?と思いながら。
里子がちょっとずつ嫌な感じになっていくのは、夫の不在から立ち直ってきているからなのか?ってことは、元々結構嫌なヤツなのか?
葉絵は本当はいい人なんじゃないか。
逆に秋生は悪い人なんじゃないか。
などなど、登場人物を思いながら、あっという間に読み終わりました。
ただ、何か残るものがあったかというと、何もなく。。。楽しい読書のひとときでした。
Posted by ブクログ
藤堂志津子さん、久しぶりに読みました。
主人公・玉子65歳。
亡き息子の嫁・里子と孫娘・春子と穏やかに暮している。
そこに嫁に行った娘・葉絵が帰ってきては波風を立てる。
嫁・姑・小姑、三つ巴のドロドロだったら嫌だなぁと思ってたんですが、
そんなこともなく面白かったです。
いつもおっとりと優しい玉子が、ときおり見せる姑のチクッ。
優等生すぎる嫁・里子の別の顔。
突きぬけてる葉絵が案外憎めなかったりして。
それと、なぜ夫が不在なんだろうと思ってたら、それがまぁ…。
葉絵が実家に帰ってきては、
母親に子供の頃の鬱憤をぶつけて絡んでくるんですが、
この「今だから言わせてもらうけど…」的なかんじ。
よくわかるんですよね。
実の娘だと、お嫁さんと違って遠慮ないですからね。
それに対して、母親の答えはいつも同じで
「そうだった?覚えてないわ」ふふっ。
あるときは嫁の立場、またあるときは娘の立場になって
楽しく読みました。