あらすじ
私はごく平凡な女だった。彼に比べ何もかも見劣りがする自分をひそかに恥じ、愚かしいほど彼の言うなりだった。彼と別れ不眠症になった私は、夜ごと公園に走りに出かける。共に走った男との、一夜のみの関係から始まった新しい恋。八方塞がりの状態にひとすじの光が射し込む、そんな人生の瞬間を切りとる、珠玉の恋愛小説集。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
10の短編集。
電車の中とか読み切るときはちょうどいい。
濃厚なチョコレートを食べたような感覚が残る物語が多かった。
言葉一つ一つに切ない影を思わせるような、冬空に似合う作品。
Posted by ブクログ
十篇からなる恋愛短編集。
それぞれの主人公は、どこにでもいそうなごく平凡な女性たち。
だからこそ、読んでいて共感できる部分が多かったのだと思う。
この中でも私は、「グレーの選択」が好きだ。これは、著者自身もお気に入りとのこと。
文体が私からあなたへの手紙文になっており、またまた「恋人よ」みたい。。。と思ったのです。
白・黒はっきりできない関係、あいまいな関係であっても、それはそれでいいんだ。むしろそのほうがお互いに居心地がいいのかも。
「私たちの関係は一時的に中断しているだけ。この考えは私を慰めます。夢物語だとあなたは笑うでしょうか。」
こういう感じってよくわかるな。。。
勝手に好きになって、片想いのあいだが実は一番しあわせな時なのかも。。。