佐久間裕美子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
佐久間さんの「ヒップな生活革命」でブルックリン等に起こっている新しいライフスタイルに、とてもポジティブな息吹を感じて楽しく読ませてもらった。
新著は、ちょっと違った切り口の作品。
佐久間さんが、ニューヨークに約20年生活する中で、自分や自分の友人達、とくに逞しく生きる女性達について綴ったエッセイ。
自分のヒストリーを曝け出すことを意識しているのではないかと思ったが、特にトランプ時代における女性像、逞しく生きる女性像とは、飾ることの対極にあるものなのだろう。
「ヒップな生活革命」を読んで、日本で活かせることが沢山あるのではないかと思ったが、この本を読んでも同じことを感じた。
ニューヨークの方が生活する上では東京よりもずっと厳しい環境かもしれないが、ずっと刺激的でワクワクする。
でも、それには価値観、考え方、他人との付き合い方などの意識の持ち様で厳しさを楽しさや充実感に変えられることができる。本著には、そんなヒントが満載されている気がする。
以下引用~
「幸福は、瞬間的に感じるもので、継続的な状態ではない」
それでも人間は、「継続的な幸せ」が可能であるという幻想を抱くし、それを目指して葛藤する。幸せとは、何かいいことがあったとき、美しいものに出会ったときに、瞬間的に感じる気持ちのことである。継続的な幸せなんてないのだと受け入れることができいたら、他者からの承認欲求からも解放されるのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ブルックリンに行くと、今まで経験したことのない、新しい息吹のようなものを感じる。本著は、その漠とした雰囲気を「ヒップな生活革命」として明らかにしてくれた。
著者は、長くアメリカに滞在し、現在、ブルックリンの住む。その実体験、インタビュー等を通じた現場の生の情報から、変わりゆくアメリカ人の意識、そしてそこから生まれる新しい生活スタイルを「ヒップな生活革命」と名付けた。
ここで、著者は「新しいアメリカ人」を定義している。
一言で表現するのは難しいのだが、社会の歯車になることを嫌い、生活の充実感を重視し、人との繋がり、コミュニティを大切する。衣食住については、オリジナリティを大切にし、大量生産商品を嫌い、環境を意識する。
食の分野で具体的なところは、コーヒー、クラフトビール、ニューアメリカンレストラン。
興味深いところは、リーマンショック金融危機がアメリカ人の意識を変えるきっかけになった、としているところ。
行政の後押しもあるのだが、地域に根差した起業家意識が経済活動を押し上げている。アメリカらしいダイナミックな動きになっている。
日本でも東北震災以降、「ヒップな生活革命」的な動きが出ていて、身近に共通点を感じることもあり、そのドットが繋がれば面白い動きになるのだろう。
以下引用~
ニューヨークのような大都会で農業をする。少し前だったら想像もできなかったことが、いま現実になっています。意外にも、都会の農業には多数の利点があることが分かったのです。生産者側からすると、ビル風など田舎での農業にはない難しさはあるけれど、他方で害虫が劇的に少ないために、有機農業を行うには都会は適しています。市からすると、こうした屋上の農園には、その存在自体によって空気を浄化したり温暖化を軽減したりする効果を期待できますが、地元のレストランやスーパーに野菜を卸すためサプライチェーンが短くなり、市内の輸送トラックが減るなど環境コスト低下も見込めます。かなりの数の雇用創出が予想できることも、歓迎すべき点のひとつです。
株式会社が株主の利益を最優先に考えるのに対して、彼らが提唱した新しい企業形態は、企業の社会的責任を評価して、当該企業が「Bコーポレーション」として基準を満たしているかどうかの認定を行います。
ブルックリンを代表する企業として名前が挙がることの多いオンラインのクラフトマーケット「Etsy」では、従業員に自転車を貸し出す、食料は地域のスモールビジネスから調達する、生ごみを地元の庭園に寄付するといった努力をしていますが、こういったことが評価の対象になります。
今、ポートランドやブルックリンのような場所を歩いていて、いわゆるブランドものを持っている人をまったくみかけないなと思うことがあります。一目見て何かわかるものを身に着けるより、自分独特のスタイルで装う方が「ヒップ」なのです。
ファッションから工芸品まで、日本のものづくりのセンスや独特の感覚は、アメリカの、そして世界の最前線で活躍する作り手にも今も影響を及ぼしています。さらに今ブルックリンやポートランドで起きていることは、すでに日本の文化のそこここでも起きています。その地域の旬の食べ物を食べること、自分の周りで作られたものを支援すること、自分の手の届く範囲から何かを変えようとすること、そんな価値観で海外のコミュニティとつながり何か始めた人もいるでしょうし、日本の伝統の根底に流れる哲学から何かを吸収した人もいるでしょう。
こうしたことは日本人でも忘れがちなことですが、アメリカが危機にさらされて自らの歴史を振り返ったように、いまこそ日本人も自分の文化の核にある考え方をあらためて見つめ直してみることが必要なのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
著者の父はユダヤ人指導者を殺害し逮捕された後、刑務所の中から計画・指導して93年の世界貿易センターの爆破テロを起こした人物。著者は憎しみの連鎖を断ち切るために、現在反テロリズムの活動をしている。
アメリカ国内最初の大規模テロの犯人となった父親。愛情深かった父が、イスラム教徒への差別、憎悪により陥れられてダークサイドに堕ち変貌していく過程が非常に辛い。父親への愛情と憎悪に揺れる少年時代の著者。テロリストの家族への差別、憎悪。憎しみの連鎖を断ち切るのは容易では無い。
著者は今でこそ反テロリズムの活動をし、支持されているけれど、当局のマークは一生消えることはないんだろうな。彼の子供時代はどこに行っても暴力にまみれて苦難の連続で、読んでいてたびたびみぞおちがギュッとなった。 -
Posted by ブクログ
数年前から
東京を中心に広がっている
「ライフスタイルの見直し」
みたいな風潮が、
一体何なのか
すごく疑問に感じていました。
その答えが
ここに詰まっています。
ただ、日本の今の風潮は
アメリカの一部の若者が
実践していることの
ほんの一部をコピーしているに
過ぎないと思いました。
どうして
ここ数年の間に
アメリカに住むひとたちが
自分たちの生活を見直しているのか、
その経緯を
知らないひと
知ろうとしないひとは
意外と多い気がします。
暗に真似するだけではなく
歴史、環境、社会...
どうしてそうなったのか
背景を知ることが
まず大事だと思いました。
日本オリジナルの
新しい文化を作る時にも
日本の背景を知ることが
役立つと思います。 -
Posted by ブクログ
アメリカ人は、バカでデブで、大量生産大量消費の筆頭だ、と思っていた。本書の冒頭にもそういう話が出てくるし、著者自身もそのように思っていたそうだ。
しかし、ハリケーンやらサブプライム危機やら、いろいろな問題を経て、アメリカは変わってきているのだという。それをひと言で表すと、「ヒップ」。ヒップスター、というのは侮蔑的に使われたりもする言葉であるようだけど、それでもヒップ以外にアメリカのこの状態を表す言葉がないようだ。
大きなシステムに動かされていた生活を、自分が自分のボスになってコントロールするのだ、というのがヒップな考え方。そうした事例が次々に出てくる。
紹介されているヒップスターの「スペック」は、なんだか自分のことを言われているような、という部分が多々あった。僕もヒップなところがあるかもしれないが、革命は起こせていない。
アメリカでの動きが、どのぐらいの大きさになっているのか、どうにも想像力が働かなかったけれど、私と公がうまいこと混ざっているような感じを受けて、割と気分がよくなりましたよ。
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Posted by ブクログ
アメリカで起きている事、サブプライム問題が起きてそこから転換された動き出した人々の動きが新しい価値観や消費や流通の流れを生んでいる。自分でいろんなことができるようなテクノロジーが誰でも扱える時代とその流れはうまく連動している。アメリカで起きているこのヒップな生活活動は当然日本でも起きていて、でもその場所に根ざしたものだから場所ごとに発展したり起こるムーブメントだったり人々の関わりは違う。
アメリカの文化が数年遅れでやってくるという時代は過去のものだ。ここで書かれたことは同時多発的に日本でも起きている、ただ指向性やコミュニティは町や場所によって異なる。いろんな変化の兆しは大不況の煽りや今まで通りの消費社会への疑問から始まり、新しい消費が僕らの生活を変えていく。面白いことをしている人たちがいて僕らはいつでもそこに参加できる可能性がある。アメリカで起きていることは日本で参考になるし、逆もあるはずで、でもどういうコミュニティになって文化を根付いていくのかがより目に見えるのはこれからなんだろう。
生活が変われば社会は変わっていく。もっと面白いいい消費ができるようになれば今ある問題も少しは改善されていくはず。