瀬木比呂志のレビュー一覧
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ネタバレ裁判官としても学者としても長年経験のある著者が書いた日本人の法意識について本。
欧米、特にフランスとの比較が多い。
家族法の話が大変興味深かった。
国連の拷問禁止委員会でアフリカの委員から「日本の司法は中世並み」と批判された話が出てくる。えー、でも自国の治安は中世以下じゃない?なんて「それとこれとは関係ないだろう!」とキレられそうな感想を持ってしまった。人質司法と批判される我が国の刑事裁判。カルロス・ゴーンが逃亡したことは、まだまだ記憶に新しい。
日本は江戸時代以前、権利という概念がなく個人の私権が重視されなかったという。現実の環境に応じて柔軟に対応する状況主義の法思想だ。これがギリシア哲学 -
Posted by ブクログ
「現代日本人の法意識」(2024年発行)を読後、
その中で触れられていた本書(2014年発行)に興味を持った。第1章は、タイトルそのままに、筆者の絶望感が強く記される余り、事例が微に入り細に入っているのは読んでいると悪口大会のようで共感は得にくいと思った。
全体を通して、裁判所制度、裁判官の任官・人事など、裁判官経験者でしか知らない、書けないことが多く興味深かった。
難関の司法試験をパスし検察官、弁護士よりも優秀な並外れた人格能力を持つ人たち、というのが、かなり幻想だとわかり衝撃だつた。
それにしても、微細な随所のちょっとした記述にも、筆者のプライドの高さがチラ見えたのは笑えた。裁判官だった人 -
Posted by ブクログ
とても実践的で、自分がその場にいる絵が想像できた。その分、読む方も力が入る。
交通事故関係、不動産関連紛争、痴漢冤罪を含めた刑事事件関係などなど、実際に巻き込まれやすい内容を幅広く網羅していて、一家に一冊あってもよい。
とくに気をつけなければ、と思った点がいくつか。
弁護士や裁判官の個人差については注意しつつも、いざとなったら意識できない(忘れてしまう)と思う。「わかってくれるはず」は頭から捨てないといけない。
「人前でハンコを押さない」理由も恐ろしい。たえず注意していないと、どこに危険が潜んでいるかわからない。
そして契約の際は、とにかく文書に残して、曖昧なままにしておかない。親族との -
Posted by ブクログ
書店で見かけて読みたくなったもの。本書で言うところの”自己責任”は、弱者叩き的な自己責任論とは関係ないもの。なるほど。このあたりをはき違えた考え方がはびこる結果醸成される格差には、確かに無視できないものがある。で、自己責任を自覚するにあたってまず克服されるべきは、誤った性善説と、曖昧なままにしておく性癖。そこから問題が大きくなる、と。これも確かにその通り。ついでに、専門家に抱く完全無欠イメージは、明らかに幻想。自分も専門職だから、我が事としても理解できるし、それが法曹界にも成り立つっていうのを内部の人が書いているのだから、さすがに説得力あり。ちなみに本題とは逸れるけど、以下の作品は一度観てみた