瀬木比呂志のレビュー一覧
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いろんなところで話題になっているから読んでみた。
一族経営の会社で、顧客や取引先のことなど考えず、常に会長、社長とその取り巻きの意向に戦々恐々としながらも、その意を汲むことに仕事の意義を見出す従業員たち。顧客や取引先からは血も涙もない悪魔、卑劣な極道、と罵られても平気の平左、上層部の意向に沿っていれば身分は安泰だから「愛い奴じゃ、取り立てて進ぜよう」という言葉がかかるのをひたすら待つ。
逆に「これでは顧客のためにもならないし、引いてはわが社の信頼にも関わるのでないでしょうか」なんて意見を言おうものなら、「ふむ、そんな考え方もあるかもしれんな。それじゃ君、その考え方を広めてきてはどうか -
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元裁判官が日本の裁判所について辛辣に語っている本。切れ味抜群で面白いです。裁判所、今まで関わったことがないのでなんの実感もありませんが、公的な機関であったり、大きな権力を持つ機関は、昇進や昇格、派閥争いなどからは離れたところにいてほしいものです。
その裁判官自身の評価のために判決を下されたら、たまったもんじゃありません。
とはいえ、1つ思ったのは、善良な市民であると、基本的には裁判所と関わることがないので、裁判所に関して考えるきっかけがなく、また、改善させるモチベーションもインセンティブもないということです。そう考えると、民衆が動かない、つまり、改善されない、という構図に納得がいきます。
冤罪 -
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民事から刑事にいたる、筆者の目に映る法曹界の実態とその背景にある日本文化、国民の法意識を綴る。
悪名高い人質司法や裁判官の官僚化、検察、特に特捜検察の問題点、「疑わしきは罰せず」の原則が「疑わしきは罰す」と歪められている実態など、法曹制度については筆者が指摘する通りで、解決策としての法曹一元制度にも頷ける。
共同親権含めた家裁のあり方についても、救われるべきは誰かという点で改善が求められる。
マスコミの不勉強、体制側へのすり寄りもその通りだろう。
一方で筆者は日本人の法意識は概ね前近代的だとの認識を持っており、西欧、特に北欧諸国に追随すべきだという。
日本国憲法については世界的にも質が高 -
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ネタバレ個々の日本人が自分の力で考えなければ、自分自身の人生を主体的に切り拓いてゆくことも、企業等の集団、あるいは社会や国家の、新たな、そして自由でより豊かな枠組みを作ってゆくことも難しいでしょう。
そのような意味で、考える方法や感じる方法の生きた蓄積であるリベラルアーツは、個々人で自ら考え、発想し、自分の道を切り開いてゆくための基盤として、まず第一に必要とされるものではないかと思います。
しかし、現代の若者には、かつてに比べてもこうした教養、リベラルアーツが不足しているとの指摘があります。インターネットからいろいろな情報は得ているが、それらを統合する核になるような基本的な知識、方法が不足してい -
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大学は法学部を出た。若い頃は法律を学ぶことで、何かトラブルに巻き込まれても、知識さえあれば社会生活や人間関係の中で自分や周囲の人を守れる、そんな想いを漠然と抱いていた。民法や刑法の知識を身につけるには、様々な判例に触れる事になるから、自分自身の置かれた状況に置き換えて考える事で、どういった結果になるのか、容易に予測がつく様になる。刑法については自分が犯罪に手を染めたり、身近な人が巻き込まれるなど滅多に無いだろうから、テレビドラマやニュースを観て、犯罪に触れた時に、凡その刑罰の重さを予想する程度ではあるものの、事件や内容の理解度は多少は上がったと思う。法を守る限り、法の傘の下にいる限り、犯罪やト
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法律屋さんの書く文体なので、ぱっと見読みにくそうだが、じっくりと読めば、事例も身近で感情移入もし易く読みやすい。また、自らが裁判で取り扱った生々しい話、そこから得た教訓が書かれていて、そこにも学びがある。
予防法学。すなわち紛争・危険防止のための法的知識、リテラシー、リーガルマインドについて説くものである。つまり、約束事をする前に、未然に取り決めを記録しておくとか、よくあるトラブルを理解した上で日常生活を送ろうというコンセプトの本だ。誤って歩行中に誰かと激突した場合とか、子供が怪我をさせてしまった場合とか、他人事ではない、ドキッとするようなケースも。
職業を持たない高齢者の場合、交通事故に -
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高橋昌一郎氏による「新書100冊」という新書で、オススメの新書100冊として紹介されていたのがこの「檻の中の裁判官」です。
東京の某私大の法学部出身であり裁判には多少興味も有り読んでみようと思いたちました。
弁護士や検事についてはドラマや小説やニュースなんかでその特徴などはなんとなくイメージができますよね。でも裁判官については謎のベールに包まれています。その生態は如何に?という興味ですね。
長年裁判官をしてきた著者が退官して外から見ての裁判官や裁判所への分析、批評、考察がなされており非常に説得力がありました。元裁判官の学者だけあって文章も論理的で、わかりやすい。たまに判決文みたいに回りく -
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高橋新書ガイドから。自身の来し方から語り起こされる序盤、大方の評伝やら自伝が嫌いな自分としては、正直『えー…』って感じで読み始めた。でも実際は、小難しくない分とても読み易く、加えて、いわゆるエリート集団にありがちな性癖を的確に指摘していることもあり、掴みとして上出来。中盤以降、専門的な内容が増えていくんだけど、抵抗なくそこに誘われていることに気付く。鳴り物入りで導入されはしたけど、先行して導入された諸外国とは一線を画する制度で、あまり機能しているように思えない陪審員制度。このジャンルでもまたか…と思っちゃうけど、行政の司法への介入という、お上幻想の病。うんざり。
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日常生活上、生じる思いがけない危険や紛争に備えるための法的な知識やリテラシー(予防法学)について解説した本。
交通事故、不動産売買、建築・賃借、冤罪、離婚、相続、雇用、投資、医療、高齢者詐欺など、個々の分野について、問題になりそうな事項、基本的な法律論、トラブルを避けるための知識、心構えについて述べている。
交通事故の損害賠償や医療訴訟については、身近に感じて興味深く読めた。
交通事故では、過失相殺率が通常人の感覚から離れていること、沖縄県では任意保険未加入率が約46%もあることが心に残った。
もし、逮捕されたり勾留されたりしたら、その間は「当番弁護士制度」があり、当番弁護士が1回は無料で被疑 -
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裁判所に絶望して退官された本裁判官。
いろいろ日本に司法の絶望について書かれた本はあるが、著者の属性は貴重であろう。
結果的に内容がちょっとウザくなっても
いずれにしろ、日本の裁判が、ヒラメ裁判官による、組織優先の状況になっていることは間違いなさそうだし、そもそも、学生上がりで世間を何も知らないバカが、試験に合格して至高感のまま任官される組織が、人を判断できるわけもないのはその通りだろう。
しかも、法に基づくわけでもないのだから。
滅入るな。
検察も酷いし。
そういう、司法による救済が期待出来ない世界に生きているわけだ。
じゃあ対抗出来るのは、権力と暴力しかないよね。
その取り合いが色 -
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日本の裁判所の構造が、最高裁判所事務総局といういわば司令部による一元統制、上位下達のシステムとなっており、地裁・高裁など現場の裁判所に自由な裁量がなく、また、統制強化により、言うことを聞くヒラメ裁判官だけが昇進し、裁判そして裁判官のレベルが落ちているという指摘。そして、その解決策として法曹一元化として、弁護士・検察官・裁判官の垣根を低くする取り組みを主張する。
筆者は、裁判官を世間知らずと喝破し、学者の世界を称賛するが、実はこの本で指摘する内容は、どこの行政官庁、大企業、一流大学にもある問題では無かろうか。それが、人を裁く裁判所組織で起こっているから特殊かもしれないが、本質は変わらないと思う -
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ネタバレ「知は力である」 ―フランシス・ベーコンー
上記の言葉から始まる。私は知というものはリベラルアーツという学問無くしては語れないものだと理解している。ただ、リベラルアーツとはどんなものなのか、どんなことを学べば良いのかが不明だった。
リベラルアーツの起源は、ギリシア・ローマ時代にまで遡る。当時は自由人が学ぶ必要のある自由七科である文法学、修辞学、倫理学、算術、幾何学、天文学、音楽を意味した。現在の大学でいう教養課程ということになる。
この本はそのリベラルアーツの基本的な学び方が記されている。リベラルアーツの中でも音楽、絵画等の芸術鑑賞から学ぶ方法が色濃く紹介されている。読み進めていくと著者