エナミカツミのレビュー一覧
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ネタバレなんだろう、煮えきらない…。
面白くなかったわけじゃないんだけど、エルマーがずば抜けすぎてて進むにつれて他がぼやけていった。
え?は?と思っているうちにおいてきぼりくらった感じ。まさにヒューイ状態というか…なんだろう、謎が多すぎる。
モニカの過去やエルマーの過去は後に詳しく説明されるのかな? 後書きに“ひとりだけ”なんてあったけど、エスペランサがそうなった理由やモニカがそうなった理由やルネ先生とかダルトン先生とか田九郎とかザンクとか色々あやふやにしすぎじゃないか…! 過去を根掘り歯掘りするバッカーノらしくない!
最後にどんでん返しがくるのはわかってたけど、まさかお前かよっ! 嘘だ!!!と言いた -
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ネタバレ「私の想う相手が誰か、わかるか」
「……わたくしにはわかりかねます」
上記のような帯の文章に、てっきりラブコメだと思っていたのですが、内容はかなり真面目に、鈍すぎる女の子(従者)を年下の男の子(主)が振り向かせようとする話でした。
マリエが鈍いというよりは、大体、殿下がヘタレなのが原因。
とはいえ、マリエが全力勘違いで必死に殿下を助けようとしている姿や、なんとか想いに気づいて欲しい殿下がとてもかわいらしかったです。
16歳という幼さゆえに不意に暴走気味になって勇ましいことを言ってしまう殿下が不意打ちなかっこよさを披露するのも、マリエ視点から見ていてどきどきしました。殿下の古めかしい -
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ネタバレ「成田良悟が描く“この世でいちばん吸血鬼らしくない吸血鬼”の物語。」
この文句がすごく好きです。
そしてその通り、吸血鬼やヴァンパイアと聞いて思い浮かべる陰鬱さが、この作品ではほとんどありません。
キャラクターの魅力という面では、「バッカーノ!」などにも引けを取らないと思いますが、本の厚みの割にキャラクターがどんどん登場して、どんでん返しで「実はあいつが!」という展開になったときに「誰?」となってしまうことがありました(笑)
主人公がはっきりしないという面でも、少し読みにくいかもしれません。
もっと伏線とか丁寧に敷いて分冊とかすれば読みやすくなるんじゃないか、とも思いますが、このス -
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“同じ言葉を繰りかえす。
「いちどでも、あなたは好きって言ったのかな?」
真っ直ぐに前を見て。
「言葉を尽くしてもいないくせに、ぜんぶ諦めて逃げてたのは誰?ちょっと拒絶されただけで、ぜんぶ怖がって引きこもったのは誰?全てを奪われた?目を逸らして、手を放して、見ないふりして捨てたのは誰?」
世界の全てに憎悪を振りまき、暗闇のなかで拗ねていた過去の自分自身に告げるように。あのとき、光とともに希望を見せてくれた少年の言葉を、受け継ぐために。同じように苦しんでいる目の前の不器用な男を、助けてあげるために。
伊依はすなおに告げた。
「傷ついた?奪われた?あなただけだと思っているの?周りのひとたちに、ちょ -
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“「あなたは」
舞弓は、敬語を滅多に口にしない彼女の信条からは意外なことに――目の前の、自分によく似た相手に丁寧な問いを放った。
それは伊依にはこの時点では、意味不明としか思えない質問だった。
けれど舞弓にとっては、たいせつな確認だったのだろう。
「あなたは、母を愛していましたか?」
その内容に、伊依は胸騒ぎを強める。
何だ。何だこの質問は。自分はどんな事実を知らない?何を見逃している?ここで舞弓がこんな質問をした理由は何だ?
母?舞弓の母?
それは物造の申し子、戦橋危香で――彼女はつまり、えぇっと……?
「くだらぬ質問じゃ」
伊依の結論を待たずに、かくて虚無大公は最後通牒を引き千切る。
「こ -
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“「そうだな……」
蟻馬はしばし考えて、神妙に答えを待つ伊依を一刀両断した。
「馬鹿だな。お前は」
「馬鹿ですか」
厳しい評価だ。
蟻馬は頷き、溜息をひとつ零した。
「何でもかんでも抱えこむし、思いこんだら止まらないし、すぐ視野狭窄になって失敗して落ちこんで――。俺から見たら、かってに自分に試練を課してかってに挫折して、それを繰りかえして、出口のない迷路をぐるぐる廻っている馬鹿にしか見えんね」
「…………」
びみょうに言いかえせないのが哀しい。
けれど不思議と嫌な気持ちにはならない。べつに蟻馬も伊依を罵倒したいわけじゃなく、ほんとうにすなおな感想を聞かせてくれているのだろう――悪意は感じなかっ -
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“「――君たち、残念なことに、大勢はすでに動いてしまっている。途方もない歴史の流れ、どうしようもない区切りはすでに通過してしまったあとなのよ。個人の力で、今さらそれは覆せない。私たちにできるのは、その大きなうねりのなかで何を為すかということ。変わってしまった舞台で、どのように振る舞うかということ」
鉄格子の向こうで、古頃の校長は静かにつぶやく。
「全力で思考して、全力で行動しなさい。悔いのないようにね。助言はあげないわ……ただ、この場所には長くいないほうがいいとだけ、忠告させてもらう。あんまり迂闊に今や要塞と化したこの古頃にいると巻きこまれるわよ、子供たち」
それから、ついでのように彼女は付け -
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“『魑魅寺くん!?』
絶叫し、硝煙と土埃が舞うなか伊依は屍丸の姿を捜す。今のは、ちょっと格好よかった。見直した!……ただの変なひとだと思っていた!
『魑魅寺くん?魑魅寺くぅん!』
『ふふふ……心配いらないとも、伊依さん』
両手を広げた姿勢のまま、煙が晴れたそこに、屍丸は堂々と仁王立ちしていた。
『愛しい貴女を守るためなら、たとえ火のなか水のなか!この魑魅寺屍丸、どのような艱難辛苦も乗り越え、たとえ死せども不死鳥のように――って、あぁ!?』
絶叫し、頭を抱える彼に、みんなが呆れたような視線を向ける。
『しまった!衝撃を受けると増えるのだった!』
叫ぶ屍丸は、なんか十人以上はいた。数えるのも難しい -
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