ジークムント・フロイトのレビュー一覧
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フロイト 精神分析入門メモ
フロイトは、精神分析における「象徴関係」、
夢の要素中の固定された翻訳が明らかになっている一群(1)の中で、圧倒的に「性的表現」が象徴の多数を占めていることを明らかにする。「男性器」棒、傘、ステッキ、サーベル、小銃、じょうろ、ネクタイ、鉛筆、「勃起」気球、飛行機、飛行体験そのもの、「女性器」ポケット、溝、瓶、トランク、戸棚、貝類、聖堂、「乳房」くだもの一般、岩、森、「性的快楽」ピアノの演奏、階段を登る。フロイトは、これらの背景には、最初の言語発達が性愛の相手を呼び寄せるものであり、つまり、あらゆる言語はかつて性的表現を意味していたが、やがてそれが労働においても共有 -
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三角形的な関係においてこそ男性の欲求が増していく。嫉妬心という人間の心的働きは予想以上に不合理。愛する人を救いたいと欲する気持ち、愛する人は不幸であってほしいという願望、全てが非常に文化的な視点からの読み解きを推進してくる。映画や小説でそのような構造的仕組みが配されているのがよく分かる。
フロイトお得意の近親相姦的な欲望とその不可能性によるリビドーの増大、そしてその解消対象の選択等、まだ前半だが非常に面白い。訳が分かりやすい。
流石に女性が抱く男根願望に関しては納得がしづらい。クリトリスの不完全性を打ち出すフロイトは今的な視点で見ると理解ができないが、男性にも女性的な側面が入り混じる両性性につ -
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オーストリアの高名な精神分析学者ジークムントフロイトの書いた最晩年の遺書的論文。彼自身がユダヤ人でもありナチスの迫害を受け親族のうちの何人かが強制収容所に送られている。
モーセがエジプト人でありアメンホテプ4世の一神教時代の神官であったという大胆な仮説を前提に、原始宗教のあり方やフロイトのエディプスコンプレックスをはじめとする精神分析論と絡めながら考察を展開している。世界史でも特異な人物として登場するアメンホテプ4世への当時の欧州での見方について(一神教であるキリスト教が価値観の前提にある欧州社会において多神教の古代エジプトの中で一神教を主張したアクエナテンは好意的にみられていたのかもしれない -
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コロナの自粛期間で読んだ。そういう時でもないと、こういう難解な本を読むのは難しい。『夢判断』の原著の初版は1899年に刊行。100年以上前の名著だ。それほど昔の本なのに、訳者は「この道で最も優れた本」とまで書いている。
夢は誰もが見る身近なものだ。でも、誰もがその正体が掴めずにいる。意味不明な夢を見て、戸惑ったりする。しかし、無意味な夢は存在しないと本書にはある。無意識から湧き上がった願望が"夢の仕事"によって歪められ、夢として顕在化する。この"夢の仕事"、歪曲といったあたりがポイントだ。夢には願望が表現されるはずなのに、なぜ苦痛な夢や意味不明な夢が存 -
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ネタバレ序章「人はなぜ戦争をするのか」(1932年)
第一章「戦争と死に関する時評」(1915年)
第二章「喪とメランコリー」(1917年)
第三章「心的な人格の解明」(1933年)
第四章「不安と欲動の生」(1933年)
第一次戦争と国際連盟の失敗に衝撃を受けた西欧社会。国民の一部に過ぎない支配階級が通信を操作して国民を駆り立てる際、自らの生命を犠牲にしても闘おうとする力が生まれる理由とは。アインシュタインが考えたのは、人間は憎悪し破壊しようとする欲求があるのではないかという事であった。フロイトの答えは、アインシュタインの仮説を補強するものであった。
フロイトによると、人間の原初的に備わる欲 -
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経験から推して、暴力がこの世からなくなる可能性はないと言っていいだろう。法が保証する権利は、一種の暴力であるし、自己の内から沸々と湧き起ってくる怒りや攻撃的情動の存在を否定することはできないからだ。だが、暴力がこの世からなくならないという結論は、戦争を排除できないことを意味しない。(戦争勃発の可能性は常に内包し続けるだろうが)フロイトは本書で以下のように述べる。
「それは、わたしたちがなぜこれほど反戦活動に熱中するのか、わたしもあなたもほ かの人々も、人生のその他の多くの苦痛に満ちた苦難の一つとして、戦争をうけい れようとしないのはなぜかということです。戦 -
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やっと手を出した。そんで、疲れる読書を少しでも力にできるよう、読みながらメモったものを書く。
第一部錯誤行為
序論だけに、科学的思考と精神分析を説明し、自己の体や意識の反応を『偶然』と切り捨てない精神分析の説明も兼ねる。この時代に今まで生きてきて「無意識が存在する」という知識があるためか、少しくどい。っつーことで内容は略。
しかしそれだけに、ここまでの反復が必要な時代であったことも感じられる。科学(と当時から認められていたもの)の道を通って得た科学的手法とその経歴を以て、曖昧なものを平易に、しかし数字を用いられずに十分な説得力を持った言葉で語る。この繊細なものを手に取ることができた天才 -
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ネタバレなんとなく難しいイメージがあったのだけれど、
タイトルに「入門」と書いてある通り、
大学での講義をもとにしてあるのでわりかし読みやすい。
「錯誤行為」
まず気付くことは、
フロイトは非常に科学的な人間であるということ。
反証例をことあるごとに提示し、
それをひとつひとつ検証していくのは、
ある側面においてはくどくもあるのだけれど、
科学者としては正しい姿勢なのだろうと思う。
有名な「無意識」「欲動」というワードは、
本書の冒頭ですでに登場している。
精神分析には一般解はない、
ということを肝に命じておかなければなぁ。
「夢」
夢は眠りを妨げる、
潜在思想 -
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昔受験時に倫理で学んだ以来のフロイト、超自我とか懐かしい。
多少読みづらいなと思いつつも各論を読み切ったところで、訳者の中元氏の解説が一冊分通して丁寧にされていて、論文内容をよりきっちり理解するという目的であればその解説の方が有用だろう。
フロイトの主張をしっかり読み解けていたかどうかの答え合わせをした感じだ。
同性愛をまるで治すべき症状のように表現する部分に、時代の違いを感じて驚きつつも、その論の導入と後半では、結局同性愛は分析しこそすれ治すものでも治せるものでもないと述べていて、「だよね」となった。
なおその点への言及は、巻末の出版社からの注記でも明確に述べられている。
フロイトの論 -
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・夢の仕事は4つあり、心理的な素材の(二つの観念の合一としての)濃縮、(面白い素材への)転換、具体的な準備作業、知覚内容の改竄
・あらゆる夢は利己的な動機から生まれる。
・夢を形成するメカニズムにおいて利用出来る論理的な関係は、現実世界に対する圧縮、類似、共通、一致のみである。
・夢の中では、あれかこれかそのどちらかという二者択一はない。「そのどちらも」しかない。
・現実性で見過ごされるようなつまらないことは、夢には出てこない。だから、強い感情に結びついた充足しなかった願望、罪の意識は夢に出やすい。
・例えば、知り合いの夫人が手を握ってきて「綺麗な目だね」と言ってきた夢は、プロポーズをしたシ