ジークムント・フロイトのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
20世紀の重要人物であるフロイトについて知識をつけたいな、と思って読み始めた本。
フロイト晩年の作で、役者曰く、この本読まずしてフロイトは語れない、という。
実際、エス論者の彼が、ユダヤ人としての意見を述べ、冷徹な観察者でいられなくなっている文体が特徴。
実際、私がこの本を1度で理解できたなどということはありえず、
再読しなくちゃなぁ。・・と思う次第です。
モーセは実はエジプト人だった、という仮説にそって展開されている。
このあたりの仮説にそった話の展開がとても面白かった。
ありえる!というか、そうかも! と思い始めました・・・笑。
2008,april -
Posted by ブクログ
言い間違いとは如何なる場合においてもその人の無意識の本心を表しているという事らしいが、本の中で示されている例がたまたま何れもそのような事例であると言うだけのような気もする、反例の検証がどの程度されているのか不明。それに、本心と言うのがどのような条件下で成り立つものなのかも具体的に検証してあげないと間違えた人達が可哀想。
フロイトも触れているように、抽象化すれば、どのような言葉であっても本心という定義に該当し得るのではないか。例えば、馬車でどこかへ向かう女性にドイツ語でお供しますと言うはずのところを卑猥な言い間違いをしてしまった事例について、その個別の女性に対して卑猥な気持ちを抱いていた訳でなくても、たまたま前日の夜にそのような仲間内での恋愛話の中で聞き齧った卑猥な話題が印象に残って居ただけでも該当し得るのでは、等。
なお、フロイトの分析はあくまで感情なり夢を見る本人の無意識がどのように影響するかという話で、外部要因については想定しておらず、一切分析していない模様。
とは言え、精神分析の重要古典であることは間違いないので、ちゃんと記憶に留めておきたい。 -
Posted by ブクログ
フロイトについては、文学、思想、哲学等様々な分野でいろいろに取り上げられ論じられてきたので、何となく分かっているような気になってしまっていた。
本書に収められている各論文によって、リビドー、エディプスコンプレックス、倒錯といった概念の意義やそれらを用いた分析について、フロイト自身の論述で理解できるのが、何と言っても収穫であった。
「『文化的な』性道徳と現代人の神経質症」では、性愛に対する西洋社会の抑圧的性格を批判する文明論にまで至っており、フロイト理論の射程の広さを実感できた。
ドイツ原文は読んだことはなく分からないが、訳文は相当平易にしているようで、大変読みやすかった。 -
Posted by ブクログ
フロイト『夢解釈』を補足するような、夢に関する論考をまとめた一冊。
第一部では、具体的な夢の実例の分析を示しながら考察が進められていて、その解釈の適否はともかく、夢の作用や検閲の役割に関するフロイトの考え方を理解するのに大変参考になると思われる。
それに対して、第二部の『夢の理論へのメタ心理学的な補足』は、意識・前意識・無意識に関する局所論など、かなりのレベルまでフロイト『夢解釈』を読み込んでいないと、理解が難しいと思う。正直歯が立たなかった。
『夢解釈』は面白そうな事例及びその解釈を拾い読みしたレベルなので、一度正面から挑戦してみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレフロイト最晩年の著作。支離滅裂な部分があり全面的に信じることはできないものの、真実を含んでいるのではないか。
・唯一神教の起源をエジプトにみる。若いファラオであるアメンヘテプ(後のイクナートン)は、それまでの多神教を捨て太陽神のみ(アトン教)を信仰するようになるが、エジプトの地では衰退した。
・エジプト脱出を指揮したモーセは高貴な生まれのエジプト人と推測する。イクナートンが亡くなり多神教信仰者から迫害を受け、アトン教は滅ぼされつつあった。そのときアトン教を信仰していたモーセ(政府の高官)がユダヤ人を引き連れ脱出した。モーセが口下手とされるのはユダヤ人と言語が通じず、通訳を通していたため。
・割礼は中近東では見られない風習であり、当時のエジプト人は一般的に行われていた。異民族と距離をとるためのユダヤ人に割礼を行うことで「聖別された民」とした。モーセによる宗教理念はアトン教よりも厳しく、脱出当初からユダヤ人の反発を受けた。そしてモーセはユダヤ人によって殺害された。
・エジプトを脱出したユダヤ人は近隣の民族と合流し宗教的にも混合した(カデシュ)。このとき導入された神がヤハウェであり、もともとは火の神である。モーセの信じた神とは全く性質の異なる民族神である。聖書の原文が確定されるまで800年ほどかかり、当時は歴史を事実通り残すという考えはもちろんなかったことから、モーセはユダヤ人ということになり、またカデシュのものと同化していった。
・モーセは殺害されたものの、モーセの教えを知っていたレビ人(モーセの仲間の子孫?)が口頭伝承にてユダヤ人に伝えていった。不遇にあえぐユダヤ人が生き抜く力を与えたのは、ヤハウェではなくモーセの神の理念であった。ユダヤ人にとってはおそらく、モーセという人物の姿と神の姿を区別するのは困難であったであろう。預言者を通し過去の信仰が復活していった。