ジークムント・フロイトのレビュー一覧
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まごう事なき名著。
無意識、前意識、意識のモデルで、夢の生成過程を説明しているのは「無理がない」。
過度に性的な説明に走っているとされるフロイトの理論だが、本書を読むと性的な説明になることに「無理はない」。
とにかく、「これは科学的営為」といえる典型例だ。
夢判断の指針となる名言の数々をいくつもメ...続きを読むPosted by ブクログ -
エス論ゴリ押しのフロイト大先生によるモーセとユダヤ教の大胆な読み解き。
この本の問題点を訳者の方が最後に指摘しているがとても面白かった。
掘り上げた宝物が意外と重くて開けるのが複雑だった、みたいな感じ。Posted by ブクログ -
コロナの自粛期間で読んだ。そういう時でもないと、こういう難解な本を読むのは難しい。『夢判断』の原著の初版は1899年に刊行。100年以上前の名著だ。それほど昔の本なのに、訳者は「この道で最も優れた本」とまで書いている。
夢は誰もが見る身近なものだ。でも、誰もがその正体が掴めずにいる。意味不明な夢を...続きを読むPosted by ブクログ -
本書は、精神分析学の創始者と言われるジークムント・フロイト(1856~1939年)が、死の直前に発表した作品である。
松岡正剛氏は、「千夜千冊895夜」(2003年11月)で本書を取り上げ、「これは恐ろしい本である。引き裂かれた書である。しかも、これはフロイトの遺書なのだ。人生の最後にフロイトが全身...続きを読むPosted by ブクログ -
古典なれど最新。
フロイトの理論は、フロイトの物語として読んでいく視点も必要なのだろうと思われた。しかしそれでいて学ぶことは多い。
3人の女性のイメージは非常に興味深い。Posted by ブクログ -
フロイトとアインシュタインの手紙のやりとり。
フロイトからの返答。
戦争はなくならせることはできないのか?
という疑問に対して。
利害が対立した際に話し合いをして解決する動物というのはちょっと想像できない。
人間の場合には、動物の本性としてある暴力が、知性によって優劣が決められるように取って代わ...続きを読むPosted by ブクログ -
アインシュタインの問題提起に対して、フロイトが回答したという名著。2人の天才がどのような対話を行ったか、非常に興味深い。Posted by ブクログ
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序章「人はなぜ戦争をするのか」(1932年)
第一章「戦争と死に関する時評」(1915年)
第二章「喪とメランコリー」(1917年)
第三章「心的な人格の解明」(1933年)
第四章「不安と欲動の生」(1933年)
第一次戦争と国際連盟の失敗に衝撃を受けた西欧社会。国民の一部に過ぎない支配階級が通...続きを読むPosted by ブクログ -
経験から推して、暴力がこの世からなくなる可能性はないと言っていいだろう。法が保証する権利は、一種の暴力であるし、自己の内から沸々と湧き起ってくる怒りや攻撃的情動の存在を否定することはできないからだ。だが、暴力がこの世からなくならないという結論は、戦争を排除できないことを意味しない...続きを読むPosted by ブクログ
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やっと手を出した。そんで、疲れる読書を少しでも力にできるよう、読みながらメモったものを書く。
第一部錯誤行為
序論だけに、科学的思考と精神分析を説明し、自己の体や意識の反応を『偶然』と切り捨てない精神分析の説明も兼ねる。この時代に今まで生きてきて「無意識が存在する」という知識があるためか、少...続きを読むPosted by ブクログ -
中山元は『フーコー入門』が読み辛かった覚えがあるのだけども、この訳はなぜこれほど読みやすいのだろう。フロイトのエロス/タナトス理論のわかりやすい解説になると共に、アインシュタインとの往復書簡が秀逸。当時の西洋世界にとって、戦争がどれほど人類の既存の知を脅かしたのかが肌に伝わるようだ。Posted by ブクログ
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フロイトの精神分析を応用した批評は数多くありますが、その本人が書いたもの。フロイトの理論を知る助けにも、批評への応用の参考にもなります。これがまた内容も面白く読みやすい。Posted by ブクログ
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なんとなく難しいイメージがあったのだけれど、
タイトルに「入門」と書いてある通り、
大学での講義をもとにしてあるのでわりかし読みやすい。
「錯誤行為」
まず気付くことは、
フロイトは非常に科学的な人間であるということ。
反証例をことあるごとに提示し、
それをひとつひとつ検証していくの...続きを読むPosted by ブクログ -
非常に平易で、まさに「入門」という名にふさわしい。
このⅠで、錯誤行為および夢については把握できます。
あらゆる原因を無意識に還元するのは眉に唾をつけながら読むべきな気がするが、しかしその発想は面白く、まだあまり馴染みのない者としては新鮮。
当たり前でしょ、という内容と、突拍子もない飛躍した発想...続きを読むPosted by ブクログ -
面白かった、まずはその一言に尽きる。今後はものの見方が少し変わってしまうかも知れない。そのくらい強烈な印象を受けた。
と同時に自分が芸術作品から得ていたある種の予感が決して的外れではなかったことが分かったことで少し安心した。
あと、やっぱり日本人て特殊だなと思った。日本人には父の記憶がないから、無...続きを読むPosted by ブクログ -
ユダヤ民族の解放者にして立法者であり、宗教創始者でもあったモーセ。
フロイトはそのモーセがユダヤ人ではなくエジプト人であったという仮説を立てます。
フロイトは、エジプトに一神教をもたらした古代エジプトのファラオ、イクナトンの業績に着目し、ユダヤ人のエジプト脱出はイクナトンの宗教改革が失敗に終わった...続きを読むPosted by ブクログ -
マルクスは資本主義を否定すると同時に唯物論者になった。
それは恐らくはアブラハムの唯一神を否定しなければ資本主義に対向する論理を組み立てられなかったからではないかと愚考する。
ならば、その大本の唯一神の成立を考察することは無益ではないだろう。
フロイトのこの最後の著作は多くの矛盾を孕み、な...続きを読むPosted by ブクログ -
満点であります!
まずジークムントフロイトとは精神医学の権威であるのに宗教について書かれている。
視点が他の宗教本に比べ斬新であり、聖書のはじめの5巻を書いたモーセを深く落とし込んでいるところに魅力を感じます。Posted by ブクログ -
フロイトさんはおもろいねー。
てか、考え方似てるわー。。
なぜ戦争してしまうかって?
そりゃ、そういうもんだからだよ、人間は。
Posted by ブクログ -
「仮説とは何か?」その答えは全て本書の中に記されている。
精神医学者フロイトの最後の著書であり、心理学的・社会学的・歴史学的な仮説を立てて、論理的に分析が行われている。
タイトルに騙され、ただの宗教本と思うなかれ。Posted by ブクログ