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Posted by ブクログ
日々の生活の中で目に入るとモヤっとする芸能や宗教や政治に関わる人物や事柄について、極論に争うと言うスタンスの通り、どちらかの意見に賛成したり反対したりする事なく、それらの背景を説明してくれています。
本書でもたびたび出てくる『悪名は無名に勝る』がごとく、自分たちは絶対善で相手は絶対悪と考える人々、極端な言説を唱える人々、分断を煽る人々はまさに否が応でも目に入ってきますが、彼らが発する問いが、我々と同じ問いだからと言って答えが正しいとは限らないですし、また分からないからと言って不安に思って過剰に反応してもどうにもなりません。
本書のような物事に対して一歩引いた視点を与えてくれる本はやはり貴重だと思います。
時事ネタだけに我々の記憶に残っているうちに読まないといけないと言う点には注意が必要です。
Posted by ブクログ
流麗な文章と鋭い指摘で読者を唸らせる本。
嫌われ者とはいうが、彼らにはしっかりと一定数の支持者もいる。
筆者は、公平な目で判断して嫌われ者を紹介している。
「絶対的な解を示すカルト的思考と、インターネット上に蔓延する論破を喜ぶ思想はその幼稚性においてとても似通っている。」
「ポピュリストはしばしば正しい問いを発して誤った答えを導く」
「イデオロギーを根幹に据える政治家が体系的な思想に基づいた『主義』で世界を捉えていくのに対し、本書で取り上げた『嫌われ者』たちはしばしば世界の見方を単純化し、その単純化された世界の主人公として登場する。」
今の時代、読むべき本ではなかろうか。
Posted by ブクログ
■はじめに
本書に登場するのは… コメンテーター 玉川徹・絵本作家 西野亮廣・暴露系YouTuber ガーシー・府知事&党首 吉村洋文・政党党首 山本太郎。
共通するのは一部の熱狂的シンパと、激しくこき下ろすアンチが共存。熱狂を喚起させる一方で、炎上の的にもなる毀誉褒貶が付きまとう人たち。
ここには登場しないが、橋下徹・石丸伸二・立花孝志・泉房穂・堀江貴文・西村博之・百田尚樹…も同じ匂いを放つ。所謂『エッジの立った人』たちが有象無象する令和の言論界。
本書は『はたして彼らはトリックスターなのか?』『嫌われているその要因は?』、その本質に辿るべく著者は本人とその周辺取材を徹底敢行。
■内容
展開される著者の論考は、短所をことさらにあげつらうわけでなく、かと言ってかばうわけでもない。じゃあ、煮え切らない評伝かと言えば、決してそうではない。
あえて、トリックスター達の言説の真逆を行く、大仰に激情的にならずとも、訴求できることを証明するかのような淡々とした筆致で、対象者が現在のポジションに至る、きっかけ・道程・背景にハーケンを打ち込み、登はんしていくように、じわじわと人物像を浮き彫りにしていく。
■感想
彼らを語る上においてSNSを抜きには語れない。自らSNSで発言しなくても、信奉者がアンチが意見を戦わし、拡大を見せる。SNSが生んだオピニオンリーダーとも言え、言説に共通する特徴がある。
①白黒を明確
②敵対者を徹底口撃
③極論を吐く
④キャッチーなフレーズを盛り込む
⑤過激さの中に事の本質を潜ませる
⑥時に乱暴表現を意図的を使う
この6つを縦横に使いこなし、またそれが大衆にカタルシスを与えているとを自覚しており、押しも押されもせぬポピュリストである。換言するなら、6特徴はポピュリストになるためには必須となる。
そこへコンプライアンスでガチガチに縛られたオールドメディアと揶揄される記者たち。門前市を成し、彼らの御託宣にマイクを差し向ける。
まぁ、動画投稿を使った地上波番組が粗製濫造される昨今、『オールドメディア』と括られても仕方がない。この風潮って、小泉劇場と表された2005年の構造改革に反対する勢力を『守旧派』と一括りにしたのと同じ成り立ちのように思える。
加えて思うのは、よく昔から不適切な表現・映像・言動は子どもたちに悪影響を与えると言われる。今やSNS全盛期においては子どもたちより、『思慮分別あるはずの大人』に明らかに様々な影響を及ぼしている。
その特徴は〈咀嚼せず、取捨選択せず、鵜呑み〉にする。トリックスターらの思うツボである。確かに押し寄せる情報量も凄まじく、スマホで簡単に知りたい情報に辿り着け、最近はそこにAIの台頭で欲しい情報のお膳立てをしてくれる。
確かにその状況はわかるが、そもそも情報は玉石混交。それを念頭に置くべきなのに、さも耳寄り情報を得たかのように誰かに語り、『情報のロンダリング』状態にしてしまう。
格好の例が立花孝志が暗躍し『二馬力選挙』という言葉を生んだ一昨年の兵庫知事選なんて、それがもろに投票行動に結びついた。
著者はあとがきにこんな一文を記す。
本書で取り上げた『嫌われ者』たち、そして彼らを生み出した構造はこの先も社会を騒がせる。さらに極端な言説を唱える人々、分断を煽る人々が新しく登場してはざわつかせるだろうが、極端に流されて、冷静さと思慮深さを失なってはいけない。
■最後に
SNSが情報収集の一番手になっているからこそ、眉に唾して半身で聞くべき読むべきで、トリックスターたちはSNSを主戦場にした、正邪の壁を引っ掻き回す人たちと見放すぐらいで丁度良い…と僕は思っている。
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