谷津矢車の作品一覧
「谷津矢車」の「憧れ写楽」「足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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匿名
紀州藩主の三男だが、母親の出自身分が低いため、父に疎まれる新之助。
そんな新之助に幼少期から仕える星野伊織は、新之助を藩主にするべく、新之助の父と兄二人を毒殺する。
そんな伊織の行動を、新之助は己が命じたことだと言い、一蓮托生を誓い、新之助は藩主の座に就き、吉宗を名乗る。
伊織はひそかに「御庭番」を組織する。
吉宗も伊織も、吉宗の母の待遇を上げたいと思うが、母は受け入れない。
その後、江戸の幼い将軍の後継問題が持ち上がり、尾張徳川家の継友と紀州徳川家の吉宗が候補に挙がり、大奥や幕閣が対立する中で、伊織は命を落とす。
吉宗は将軍となるも、母は吉宗を認めないまま世を去ってしまう。
母も伊織も喪った吉宗は、幕政を仕切っていくにあたり、将軍に推挙した大奥や門閥とも対立することにもなり、自らの後継者選びにおいては、かつては味方だったものが敵方になってしまうなど、複雑な政治的対立が描かれ、吉宗は孤独になっていく・・・。
この作品の吉宗には、政治に対する高い理想があるわけではない。ただ、民には人気が高かったことについて、
「善政を敷くことは、おのれの権威を確立するための手段に過ぎなかった」というほど。
想像以上にダーティで孤独な吉宗だった。