砥上裕將の作品一覧
「砥上裕將」の「線は、僕を描く」「龍の守る町」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「砥上裕將」の「線は、僕を描く」「龍の守る町」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
消防士の物語。現場で消火・救助を行う消防士のことも、現場には立たないが影で支える指令室のことも知ることができた。
絶対読むべきだ、と思ったけれど大当たりだった!
5年前に豪雨による水害に見舞われた町のベテランの消防士・秋月が新しく配置されたのは、119の電話をとる指令室の仕事だ。近年話題になっている、迷惑な119通報のことだけでなく、指令室がどのようなことをしているかもわかる。小説ならではの読書経験ができた。
秋月は水害のときも最前線で救助活動をしていたが、水がトラウマになっている。そのトラウマや過去とどう向き合っていくか、そんなお話だった。
つらい水害の記憶がいまだに町に残っている中で、生
Posted by ブクログ
主人公の秋月さんが現場の消防士から指令室への移動から物語が始まり、みるみる引き込まれてしまいました。
登場人物みんなが魅力的。すごくお馬鹿っぽいところや利己的にさえみえるところも、緊迫した現場との緩急に必要で知れば知るほど応援したくなりました。
がむしゃらな救助活動がいいわけではなく、どの場面でも救助者の、仲間たちの、そして自分の命の天秤に悩まされて、その悩む時間さえ与えられない過酷な状況に辛く苦しくもなりました。それでも消防士としての矜持を胸に日々戦っていることに感謝しかありません。
ラストの語りかけるところ。誰かが誰かによって進んでいける。強くもなれる。繋がりによって生かされ
Posted by ブクログ
心に残った本中の言葉。
水墨を描くと言う事は、自然とのつながりを見つめ学び、その中に分かちがたく結びついている自分を感じていくことだ
水墨というのは森羅万象を描く絵画だ。森羅万象と言うのは宇宙のことだ。現象とは外側にしかないものなのか、心の内側に宇宙はないのか?
現象が先だってあって、空間が生まれる
「どうして、こんなに美しいものが創れるの?」
「美しいものを創ろうとは思っていなかったから」
僕は満たされている。
自分自身の幸福で満たされているからじゃない。
誰かの幸福や思いが窓から差し込む光のように、僕自身の中に移り込んでいるからこそ、僕は幸福なのだと思った。
Posted by ブクログ
『いま日本人に必要な防災小説』
5年前の水害の爪痕が色濃く残る町。山や川、野鳥や祭りの描写から、被災前は日本中どこにでもある自然豊かな田舎町であったことが窺える。そんな悲しい過去を乗り越え、それぞれの立場から、それぞれの方法で町を復興させようと、もがき苦しむ人々の様子を描く「町の再生」の物語だ。
本書の主人公は消防士の秋月龍朗。水害のトラウマを抱えながらも、多くの人を救ってきた町のヒーローである。そんな彼が現場を離れ、指令室と呼ばれる“119番通報の電話番”へ異動してきたところから物語は始まる。当然のことながら、消防士にも色んな役割がある。現場の消火活動も、指令室の電話番も立派な消防士の仕