鏑木蓮の作品一覧
「鏑木蓮」の「救命拒否」「真友」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
鏑木蓮『見えない階 心療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ2』潮文庫。
京都という古く落ち着いたしっとりした土地を舞台にした心療内科医が探偵役という異色のミステリーシリーズ第2弾。タイトルにある『階』は『きざはし』と読むようだ。
患者を第一に考えながら、複雑に絡み合った糸を丹念に解きほぐすかのように難事件を解決に導いていく過程が面白い。スピーディなアクション、サスペンスも好みであるが、このくらいのゆっくりした調子のミステリーも面白いものだ。
そして、素晴らしい結末。この世もまだまだ捨てたものではない。
物語は『第一章 現在』と『第二章 過去』と『第三章 未来』の三つの章に加え、『プロローグ』と『エピローグ』で構成される。
『プロローグ』に描かれた殺人の描写。犯人は女性と思われるが、主人公に相談を持ち掛けるセールスマンの姉が犯人なのか……
相変わらず訪れる患者が少なく、厳しい経営を余儀無くされている本宮慶太郎は友人で経営コンサルタントの沢渡恭一から京都の町屋へのクリニックの移転を提案される。
ある日、町屋に移転した慶太郎の元に空気清浄機のセールスマンという古堀孝昭がやって来る。古堀には引きこもりの5歳上の友美という姉がおり、近頃は会話も成立しない姉のことを慶太郎に相談する。
そんな中、東山にある神社の階段下で男性の遺体が発見される。遺体は弁護士で大学の教授とテレビのコメンテーターを務める44歳の島崎靖一という男性だった。島崎が握りしめていた証拠から古堀の姉に事件との関連が疑われる。
本体価格800円
★★★★★
Posted by ブクログ
「思い出探偵」シリーズ、第三弾。
今回は、じっくり書き込む長編。
物語は、重く暗い、冬の海の轟きを思わせる。
長年のパートナーとともに大きな居酒屋チェーンを築き上げた、高齢の女性。
籍を入れようとしなかった彼女を、なさぬ仲の子供たちも慕っている。
認知の症状が進んでしまったことを残念に思い、過去を思い出すことが脳の刺激になれば、弱ってしまった父共々元気になってくれるのではないか、と沈黙を守る継母の過去探しを依頼される。
調査は、戦前戦後の過酷な人生を生き続けた「女の一生」を辿るにふさわしい、長い旅路だった。
傍目には成功者と見える女性の、人に言えない過去の苦難と悲しみ、流転と贖罪の人生。
それを解き明かすことで、現在の家族を、彼女の安息の地と認めさせ、羽根を休ませてやることができるのか。
今回は、橘佳菜子が中心になって調査を進めている。
巻が進むごとに大きく成長する姿が、読者としてもうれしい。
コミュ障若手医師・平井真も、いい塩梅に気配りのない口調を残しながらも、こちらも成長している。
探偵社内の関係にいろいろなドラマの発展を孕みながら、次は今回の事案と並行して調査が行われていたらしいお話が語られるのでしょうか?
次作に期待します。
本郷さんのその後が気になるなあ…