須賀敦子の作品一覧
「須賀敦子」の「須賀敦子」「霧のむこうに住みたい」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
「須賀敦子」の「須賀敦子」「霧のむこうに住みたい」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
本書は、「単行本にこれまで未収録だったエッセイを中心にまとめた一冊」である。
「霧のむこうに住みたい」というロマンチックなタイトルにどうしようもなく魅かれる。だが、うっとりしてばかりはいられない。というのは、私の心の中に、なるべく触れずにおきたい、何か不穏な想いを呼び覚ますような気もする。ハッキリ言ってしまうと、須賀さんが「あちらの世界」に行くことを望んでいるのではないか、という予感である。
「霧のむこうに住みたい」の末尾にこう書いてある。
<・・・ふりかえると、霧の流れるむこうに石造りの小屋がぽつんと残されている。自分が死んだとき、こんな風景のなかにひとり立っているかもしれない。ふと、そんな気がした。そこで待っていると、だれかが迎えに来てくれる。>
「だれか」とは、亡くなったご主人のペッピーノさんであろう。
Posted by ブクログ
最初の章は「しげちゃんの昇天」。しげちゃんは小学以来の同級生、中学では本読み友達になった。その時のことが綴られている。大学卒業後しげちゃんは信仰の道(修道院)へ、敦子は大学院に進み、その後留学。そして35年が経ち、ふたりは再会することになるのだが。
最後の章は「赤い表紙の小さな本」。ある日見つけたのは、半世紀もまえのBirthday Book、家族や友人の誕生日が記された赤い本。3月のページにあったのは、少女時代にだれよりも影響を受けた親友「しいべ」のサインと敦子へのひとこと。そのしいべの思い出が綴られている。しいべの本名は重子。すなわち、しげちゃんのこと。
この2つの章に、サンドイッチよろしく、14の章がはさまれている。どんな本を、どんな時にどんなところで、だれと読んできたか。どんなことを考えながら、読んでいたか。麻布本村町の自宅から見える情景も詳しく描写されている。それはその時の敦子の心象風景でもある。読書について父親からどのような影響を受けたかも書いている。
須賀敦子は1998年3月20日の早朝に亡くなった。本書はその1カ月後の4月25日に刊行された。