「できなかった自分にしか拾えない気持ちがある」
「できなかった自分だけが見つけられる才能がある」
夢に破れた重い経験を持つ者が放つ言葉に心打たれました。
子供の頃の夢はサッカー選手でした。文集でもそう書いていましたが、実際はそんなのなれるわけなんてないと小学生ながら分かっていましたし、自分の力量と才能の限界、現実の差にも気づいていました。
譲れないものを持たず、壁を見つけては避ける手段を考え、物事に抗うことをせずに生きてきました。自然と我慢する癖がついていた気がします。
この作品は、そんな自分とは正反対に誰よりも強い執念を持った少女・いのりが、夢に破れた青年・司とフィギュアスケートで世界を目指す物語です。秘めた才能と固い意志を武器にみるみる上達するいのりの成長っぷりには、この後の展開に胸躍る気持ちと、自分を正されるような感覚になり、悔しさが込み上げてきます。自分にもここまでの執念があったらと…。同時に司の心情に共感する部分も多くあります。
後悔と挫折を経験した自分だからこそ、コーチとして導ける世界がある。
2人の主人公が駆ける世界への道に目が離せません。
感情タグBEST3
久しぶりにレビュー書きたくなるくらいにとんでもない熱量を持った巻でした。
5巻では主人公のいのりちゃんはメインで登場せず、他の子たちにスポットが当たり進んでいきます。
選手一人ひとりのスケートに賭けている想いが伝わってきて、思わずウルウルときてしまいました。
登場人物全員が、ただただひたむきに...続きを読むスケートに向き合い、一つの目標に目指して進んでいく姿がとても胸にきます。
6巻がとても楽しみです。
面白い
匿名 2023年12月31日
4巻分の積み重ねが準備期間とするとこの全日本大会出場をかけたこの大会がスタートになるのかと思うと感慨深いものがあります。
作品ではいのりさんメインですが出場選手全員の物語も見てみたいです。
なんという心踊る「構成」なんだろう。
一人一人がその子の人生の主人公なんだと、改めて認識できた。
誰一人として脇役なんていない。
それをこの一巻全てで表現している。
すぐに次巻が読みたい。
匿名 2022年10月14日
濃度が濃い!!!
大きな大会なだけあって新キャラもぞろぞろ登場、いのりちゃんの番はまだとはいえドキドキさせられました
ジャンプの難易度の解説はTwitterで見たことがある人もいるかも
メダリストを読むと心が綺麗になってしまいます。
メインキャラじゃない子にも頑張ってきた経験や夢があって、数コマでそれを表現してくれるので、知らない子なのに泣ける〜となります。
フィギュアスケートの知識がなくても説明してくれるのでとても読みやすかった。ライバル選手が高得点を出していく中、どのように挑んでいくのか楽しみです。
今回も安定の面白さ!フィギュア好きでテレビ観戦しますが、カードに例えてプログラムをみる発想はなかった。どの子もみんな頑張ってて、コーチ目線でみてしまう…。一番の推しはいのりちゃんですけども!続きが気になりすぎる。いのりちゃん頑張れ…
中部ブロック大会、盛り上がってきました!!!とりあえず最高です。いのりに金メダルとってほしいけど、他の選手に失敗して欲しい訳じゃないし、みんな小さいのに頑張っててすごいよ…
Posted by ブクログ 2022年04月03日
冬季オリンピックもあったのでタイムリー感が凄い。
子どもだろうと、勝負に賭けるフィギュアスケーター。
色々な思いを抱えて飛んで、滑って、転んで…とその心理描写が凄い熱量。
コーチと選手って何であんなにべったりなんやろうって不思議だったのですが、日々の積み重ねやお互いの支え合いがあるからキス&...続きを読む;クライであんなに抱き合って喜んだり泣いたりするのですね。
主人公は全然滑りませんが良き巻でした。