【感想・ネタバレ】新装版 ああっ女神さまっ(8)のレビュー

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Posted by ブクログ 2018年03月19日

ほんと、美人だよな、ベルダンディー、と感じる表紙だ。女神だから美しいって訳じゃないんだよな、多分。つくづく、藤島先生は本当の「美」を本質で捉えられる、凄い漫画家だ
では、うっとりしながら、この(8)で印象に残った話を紹介していこう
Chapter.80「ほうきの願い」
ベルダンディーの美しさってのは...続きを読む人間や精霊だけでなく、意志と自我のある無機物まで魅了するのか、と感心してしまった。安易に擬人化に走らず、箒が箒のままで、ベルダンディーへの想いを募らせる点が、非常に良い
そんな興奮しすぎな箒が抱く、ベルダンディーへの想いに螢一が共感する点も、これまた、読み手の心を揺さぶる
螢一のために無茶をしようとするベルダンディーの為に、限界を超えた箒の漢気に、天晴、と思ったが、ここまで惚れっぽい気質だったのか、コイツ、と呆れてしまった
Chapter.85「戻るべき場所」
学園の女王・沙夜子編のラストエピソードだけあって、かなり、読み手のハートは力強く掴まれた
藤島先生が描く、ピンチからの大逆転、そんでハッピーエンドって展開は、並みの少年漫画よりもグッと来る。好きな人が、自分を笑顔で迎えてくれる、それはお金じゃ買えず、権力があっても手に入らない、どこにでもあるからこそ大切にすべき、最高の幸せ。描かれちゃいないけど、きっと、この後、ベルダンディーは螢一を抱きしめ返して、もう一度、あの言葉を笑顔で言ったんだろうな
ある意味、この回のオチを飾った沙夜子は、ベルダンディーに勝ったのかもしれん。高飛車で、自分勝手、けど、常に自信を持ち、自分だけの道を大股で歩んでいける沙夜子は、大抵の事じゃヘシ折れない強い心がある。だから、きっと、これからも、懲りる事なく、ベルダンディーの(自称)ライバルとして、挑んでくるんだろう。そんな彼女だからこそ、何気に人気が高いんだと思う
Chapter.88「以心伝心」
あくまで、私個人の印象に過ぎないが、この(8)の中で、最も、藤島イズムが強烈なのは、このchapter.88「以心伝心」だと思った
バイクそのもののデザイン、走り方それ自体もカッコイイのだが、何より、螢一とベルダンディーの、誰にも負けない強い絆の表現の仕方、これは凄い、としか言いようがない。理屈じゃ説明できない、最強の絆が二人の間にある、とお互いに信じられるからこそ、出来る最高の挑戦
それが最良の結果を出すのは、螢一が相棒を大切にしており、ベルダンディーもそれを知っているから。254pの3コマ目で、「やっぱ、似た者兄妹だなぁ」と微笑ましくなってしまったのは、私だけじゃあるまい
この台詞を引用に選んだのは、藤島先生の生き様っつーか、幸福に対する考え方に共感できたので。わざわざ、痛い思いをする必要はない。けど、何の苦労もせず、痛みに耐える事なく、手に入ってしまったラッキーってのは、人生の糧にするには、少しボリュームが足りない。自分が頑張った、と幸せを手に掴んだ時に思える方が、私は良い。だから、どんだけ悩もうが、苦しかろうが、諦めそうになろうが、それも自分の小説に組み込んで、質を上げ、受賞できるレベルにしたい、しなきゃならない、自分の為にも

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