あらすじ
薬になれなきゃ毒になれ。でなきゃあんたはただの水だ
阿良々木暦(あららぎこよみ)の卒業後、高校三年生に進級した神原駿河(かんばるするが)。直江津(なおえつ)高校にひとり残された彼女の耳に届いたのは、"願いを必ず叶えてくれる『悪魔様』"の噂だった……。
<物語>は、少しずつ深みへと堕ちていく――
これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
<物語>シリーズ第10巻
強烈な個性を持つ登場人物たち、ドライブ感あふれる独特の文章、先の読めないストーリー展開、そして唯一無二の世界観。人気ライトノベル作家・西尾維新の魅力が全て詰まっているのが、本作「物語シリーズ」です。
ツンデレというよりツンドラって感じの毒舌ヒロイン・戦場ヶ原ひたぎをはじめとした、怪異と出会った少女たちと巻き込まれ型主人公・阿良々木暦が繰り広げる、不可解で不条理な物語群。独特な新房演出と物語世界がハマりすぎて、7シリーズ+2作の劇場版が制作されたアニメ版から入った人も多いのでは?(阿良々木くんのセリフが全てCV神谷浩史で再現される〜)
1冊あたりが分厚いうえに巻数も多く手を出しにくいイメージの西尾維新作品ですが、本シリーズは1話あたりがサクッと読みやすいボリュームになっているので、入門編にもぴったり。というか、サクサク読みやすすぎ、面白すぎで日常生活に支障をきたす……!
西尾作品らしいキャラクターのポップな破天荒さで読ませ、「人間の弱さが怪異を呼ぶ」というテーマで沼に引きずり込む――清く正しく読書を楽しんでいたはずなのに、いつの間にかぬかるみに足を取られたように心を囚われてしまっているだと……?
自分で自分がコントロールできなくなるほどに、猛烈に何かにハマりたい。そんな願望を持っている人なら読まない手はありません。めくるめく西尾維新ワールドに「蕩れ」ちゃってください!
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Posted by ブクログ
神原駿河と沼地蠟花、もしくは貝木泥舟? いや貝木泥舟と臥煙遠江? なんかその辺の物語。
時系列的にはこれが後の話。卒業した阿良々木と戦場ヶ原。残された神原。今まで近くにいた一年先輩達がいきなりいなくなったときの喪失感はわかる気がする。そして、あの人だったらこの人だったらと考える…のは、神原だからかな。
人の見る自分と自分で考える自分。たしかに違うんだろうな。そして嫌いな人のことは、結局嫌いというより気になるというかなんというか。そういうことなんだろうな。見方によってはライバルとの爽やかな物語、だが。
Posted by ブクログ
神原駿河の真っ直ぐさが前面に出ていて素敵。
生まれ持ったスポーツの才能を途中で諦めなければならなくなった駿河と沼地。沼地は駿河でなければ成仏することはできなかったはず。最後に助けてくれるのはやっぱり阿良々木くんだった、美味しいところは持っていくんだなあ。貝木さんが少し好きになった。
Posted by ブクログ
お前は青春をしたんだ。という阿良々木先輩の一言よった。
母親の臥煙さんの言葉もよかった。正義の動機は悪への嫉妬。悪の動機は正義への反感。年寄りの苦言は若さへのやっかみ、子供が大人にはむかうのは経験への嫉み、貧乏は金持ちになりたい、金持ちは貧乏人の自由さを欲する。上司は重い責任のない部下を懐かしみ、部下はふんぞり返る上司になりたい。
最後の最後でハードモードを選んで沼地蝋花と戦った神原駿河かっこいい!
終盤のスピード感半端ない。
蝋花の自殺の要因気になるなー。
Posted by ブクログ
語り部が違う事にページ半分読んだ頃にやっと気づく。そして時間も吹っ飛んでいる事にも少し経って気づく。
四分の三くらいモヤモヤ状態で進み、いつもの彼の登場で漸く悉く打破された。何この清涼剤。彼の後ろで駿河と一緒に癒されてしまった。なんか更に自由になってるけど、色んな意味で。
Posted by ブクログ
「あとがき」に書かれる今作のテーマを読んでる途中に当てることができたのが嬉しい。やっぱりね、という感じだったが毎回あとがきも大きな楽しみの一つ。本編もまさに西尾維新という感じであっという間に読んでしまった。
Posted by ブクログ
「物語」シリーズ9冊目。
徹頭徹尾、神原の物語でした。
しかも時系列的には、暦たちの卒業後という後日譚的な位置づけです。
さらにさらに、神原視点の物語のせいなのか、神原が普通の人になってました。
ということで、変態度、エロ度、百合度、スプラッター度、グダグダ度、元ネタ度がほとんどないスポ魂友情青春成長物語でした。
でも、呪縛から解かれてよかったですね。
Posted by ブクログ
思ってたよりずっとシリアスな真面目な内容。
思わず笑ってしまうようなやり取りは今回は全くなし。
でも、「青春をした」さわやかな話だった。
Posted by ブクログ
評価:☆3.5
物語シリーズ第9弾、今巻の主役は神原。
今巻はこれまでのような軽快でアホな会話劇がほとんど無く、これまで読者が持っていた神原駿河のイメージ像が変わった感じですね。
良い意味で裏切られたかと言うと正直微妙です。
作中でもたびたび語られる『自分に対する自分と他人の評価のずれ』というやつでしょうが、展開に大きな起伏もなく淡々と進むので退屈だったと言わざるを得ません。
阿良々木くんや火憐ちゃんが出てくるシーンが唯一の良心。
肩すかしを食らった気分。
アニメ化するのが心配だ・・・。沼地が延々と語るシーンとかどうするんだ?上手いことしないと死ぬほど退屈だと思うがw