あらすじ
舞台となるのは、異界と人の世界が交錯する世界 ── 。
王のたくらみによって父を殺された少女バルサ、そして彼女を救った父の親友ジグロ。故国をすてた二人の旅路を描く守り人短編集。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
浮もみ なんだか切なくて涙が滲むような短編
ラフラ
アズノの心より機微について、最後まで付き添われてないからこそ想像こそ余地があり、思いを馳せてしまう物語だった。
読み解けているかわからないが、きっとアズノにとってターカヌとの勝負は金銭も、人の目も絡まない純粋で大切な勝負だったのだろう、というのが私の解釈だった
合っているかはわからない。ただ、わかったつもりでこうだ、と言ってしまうのも嫌だな。また読みたい。
流れゆくもの
バルサの初めての人殺しの話。重い。
あとがきも含めてとても好きだった。ため息をつくほど胸が切なくなる短編集。
Posted by ブクログ
短編4話。
浮き籾(うきもみ)
ラフラ<賭事師>
流れ行く者
寒のふるまい
「浮き籾(うきもみ)」は、タンダが小さい頃の話。バルサとの出会い。
「ラフラ<賭事師>」は、バルサと養父のジグロの話。
「流れ行く者」は、ジグロとバルサの旅の話。
「寒のふるまい」は、タンダの掌編小説。
Posted by ブクログ
バルサがジグロと共に、追手から逃れて暮らしていた頃が描かれている短編集。
タイトルのとおり、村や家族から疎まれたり、離れてしまったりした流れ者が描かれる。
タンダの親戚のおじちゃんオンザ、老女賭事師のアズノ、年老いた護衛士スマル・・・
これは児童文学の域を超えている。私だって、正確に読み取れたかどうか(読書に「正確さ」もないとは思うけれど)自信がない。「ん?」と立ち止まって、上橋さんの意図をくみ取ろうとしたこと数回。
人間の良い面も悪い面も上橋さんの手にかかってしまえば、フラットに描かれ、一度しか登場していない人物も人間としての温度を持ったひとりの人となり、読者の心に住み着いてしまう。
人間の奥深さをここまで表現してしまうとは、さすがとしか言えない。
全体的に暗いお話ではあるけれど、昔のバルサとタンダの関係をのぞき見ることができ、生きているジグロをたどることができ、ファンには必読な短編集だった。
最後、タンダがバルサの帰りを待ちわびるところがなんとも言えず微笑ましかった。