あらすじ
時は大正。
20歳の誕生日を船内で迎えた裕仁(ひろひと)青年はいよいよヨーロッパへと上陸する――!
イギリス、スコットランド、フランス、ベルギー、イタリア。
当時、世界の最先端であったであろう国々は極東の小国からやって来た20歳の皇太子をいかなるスタンスで出迎えたのか。
一方、青年不在の日本。
日に日に深刻さを増す大正天皇のご病状。
そして青年を摂政に据えるべく動いていた時の総理・原敬の支持率も見る影もないほどの下降線を辿っており…!?
後年、彼の人が「もっとも楽しい時であった」と語ったとされる欧州外遊。
その一部始終を自由な描写で綴る最新刊登場。
誰もが知っていて、実は知らない昭和天皇の激動の生涯。
昭和天皇の幼少期からを描き、人格形成の過程も垣間見られる作品。数えで5歳の頃から養育係として仕える足立タカとのやり取りや、初等教育の過程での周囲との立場の異なりへの気持ちの表れなどから、感じることは昭和天皇も庶民と変わらぬ人であるということ。
あの時代に何を思い、どう行動したのか。大元帥陛下であり大天皇陛下として、そして象徴として、人間として。
昭和天皇の内面を描きつつ、突き進む時代が描かれている今作は、ただの歴史マンガとしては括れない。
改めて、日本とは何か、日本人とは何かを見つめ直すきっかけになるような内面に響く作品だ。
感情タグBEST3
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どこまで信用できるか
このシリーズを楽しみにしています。
少し気になったことがあります。
パリ地下鉄・・・ロンドン地下鉄とされている文献を目にしたことがあります。
大正天皇について・・・諸説あり、いずれも病弱であったことは共通することと思われます。
今作に描かれている手を遠眼鏡に病床から庭を眺めるシーンが果たして大正天皇の実像に近いものだったのか・・・
Posted by ブクログ
裕仁皇太子の長い外遊は生涯の楽しい思い出となります。その後のを考えてもこの旅が一番自由を解放感を感じた事でしょう…しかし野放図にならず立場と品位を忘れないで振る舞えるのはやはり教育の賜物と生まれついての資質でしょうね( ・∇・)一方、節子皇后の久邇宮邦彦王に対する懸念は残念ながらある程度現実のものとなってしまいます…(´・ω・`)自分の娘良子女王の婚約破棄は右翼団体まで使って拒否したのに、息子朝融王の酒井家の令嬢と婚約破棄したいという希望は宮内大臣らの説得もものともせず強引に通します…(後に摂政宮になった裕仁皇太子はこれに訓戒)良子女王の件に関しては皇室から久邇宮家に良子女王をと望まれたのに何年も待たせてお妃まで教育をした挙げ句やっぱり破談では父親として娘への愛情も相まって許せなかったという気持ちも分かりますが朝融王に関しては批判されても仕方ない…(;´∀`)節子皇后も大正天皇が病気で皇族に睨みを利かせられない状況、加えて邦彦王の押しの強さが息子裕仁皇太子を影響し支配するのではと心配になったのかも…今も良くある話ですよね。結婚する当人たちは睦まじくほのぼのしてるのに親同士は敵意を剥き出し…それも双方我が子を愛する親心からです。そして首相の原敬にキナ臭い魔の手が伸びようとしています…。