あらすじ
“御史台”から手柄を奪ってこい――
またも皇帝・珀陽に無理難題を出された茉莉花は、州牧の不正疑惑と、亡くなった州牧補佐の死の真相を探るため、湖州へと赴任することに。
到着早々、御史台の有能で堅物な翔景(しょうけい)と、軽いノリで人の心をつかむのが上手い大虎(たいこ)との【偶然の出会い】を果たすが、それ以来、茉莉花の周囲で奇妙な出来事が起き始め……!?
中華風の架空の世界が舞台。
自称「ちょっと物覚えがいい」後宮女官の茉莉花が、皇帝の珀陽にその才能を見いだされ、官吏として成長していくお話です。
この茉莉花の「ちょっと物覚えがいい」というのは、「一度見たものは忘れない」というすごい能力なのですが、そこで簡単に「天才のサクセスストーリー」へとは繋がらないのがこのお話の面白いところ。
珀陽からは理不尽とも思える難題を与えられ、若い女だからと周囲から舐められるのは普通で、うまくいかないことの方が多いかもしれません。
しかし、だからこそ、そんな逆境の中で徐々に才能を開花させ、最終的には周囲が期待した以上の功績をあげていくところは毎回、痛快ですっきりします。
また、皇帝としては完璧な珀陽が、茉莉花と二人きりの時には素の顔を見せたり、茉莉花もそんな「特別扱い」にドキドキしたりと、この二人の恋の行方も見どころです。
※同著者の『十三歳の誕生日、皇后になりました。』シリーズは本作のスピンオフ作品となります。
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Posted by ブクログ
何度めか分からない皇帝からの無茶振りに、今度は湖州というところへ州牧補佐として赴任する茉莉花。そこで有能堅物な翔景と、軽いノリで人懐こい大虎に出会う。事件の捜査をする中で、奇妙な出来事も立て続き、お互いがそれぞれに疑いを持ってるので、これから起きる事件にそれぞれが絡むのかとも思ったが、お互いの正体を暴露し協力するところまでで今回は終わり。これまでは毎巻解決して、次への布石が最後にちらっと書いてあったくらいだったが、今回は解決しないまま次へ持ち越し。茉莉花の着眼点がなかなか面白いからどんな風に解決に持ってくのか次が楽しみ。
個人的には、これまで2, 3, 4巻で出てきてた暁月が当然ながら出てこなくて、ちょっと寂しい(笑)
つづく。。
今度は治安の悪い土地へ1人で赴任した茉莉花ですが、着いて早々に記憶の良さを発揮して知人を増やします。
新キャラはいずれも個性的で、事件の解決に取り組む際に時には疑い、また協力する関係になりました。
珀陽、天河、子星のお馴染みキャラは出番もほとんどなく、少し寂しい気もしました。
残念ながら話に一段落がつかず、6巻につづくで終わってしまいましたが、安定の面白さでした。
5巻の序章で感じる違和感
6巻のあとがきで、なんとなく"ああ、そういう事なのかな?"って理由が頭に浮かぶけど、ほんの僅かな設定の違いでもストーリーにズレを感じてしまうのが少し残念。
作品自体が面白いので楽しいけど、設定の統一感は持たせて欲しい。