【感想・ネタバレ】鬼平犯科帳[決定版](二)のレビュー

あらすじ

江戸の盗賊たちに「鬼の平蔵」と恐れられている、「鬼平」こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵。

火付盗賊改方とは江戸の特別警察とでもいうべき組織。その長官を務める旗本の平蔵は、いまでこそ人あたりもよく笑顔を絶やさないが、若い頃は「本所の銕(てつ)」と呼ばれ、無頼の者からも恐れられた乱暴者だった。「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」と口にしながら、人情の機微に通じた鬼平が悪を退治する時代小説の金字塔。

中村吉右衛門が鬼平を演じたテレビ版をはじめ、映画、舞台、マンガと様々な形で愛されてきたが、2017年1月からはアニメ「鬼平 ONIHEI」が放送され、大きな話題になった。

2017年は池波正太郎の「鬼平」誕生50周年。これを記念して人気絶大のロングセラー「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻を、ふりがなを増やし、読みやすくなった決定版で順次、刊行する。

第2巻は、鬼平の命を執拗に狙う「蛇(くちなわ)の平十郎」一味と対決した「蛇の眼」、平蔵が「おれとしたことが、あのときほど辛く苦しかったことはない」と述懐した強敵が登場する「妖盗葵小僧」ほか、「谷中・いろは茶屋」「女掏摸お富」「密偵」「お雪の乳房」「埋蔵金千両」を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「一の悪のために十の善がほろびることは見逃せぬ」
「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」

……と、大江戸の悪党をガンガン始末しまくる鬼の平蔵さんとその仲間たち。

この巻に出てきた『妖盗葵小僧』は、今の時代だったら、こんな解決はできないと思えるお話でした。

顔も性格も悪くて女性にモテない大馬鹿野郎が、美女のいる良家ばかりを狙って、その女性たちをキズモノにしていく。
しかも、旦那さんや親の目の前で。

それを正統なルートで裁くとなると、被害者である彼女たちがまた世間という魔物によって更なる被害を受けてしまう。
それを苦に自殺を図る夫婦も出ちゃった。

性根の腐ったコンプレックスの塊オトコは、捕まった途端、今まで自分が犯してきた女性たちの名前をぺらぺらと話し、事件を裁く過程で被害を隠してきた彼女たちを公儀が調査することで、わざと再び彼女たちを傷つけようとした。

それに気づいた鬼平さんは、さくっとダメくず男をその日のうちに殺しちゃったんだよね。
で、上には余罪を一切報告しなかった。

これ、今の司法制度じゃできないよね。
なんか、まさに「一の悪のために十の善がほろびることは見逃せぬ」だよね。

犯罪はキレイごとじゃないからね。
頭でっかちすぎてもダメだよね。

0
2020年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第二巻

「蛇の眼」蛇の平十郎は平蔵と蕎麦屋で顔を合わせた。
     押し込む日蛇一味の福太郎が恋人を生かした。
     その御蔭で小田原近くで捕縛。
     それまでの経緯は直前で捕まえた彦の市情報。

「谷中・いろは茶屋」
     木村忠吾(平蔵部下)が惚れた妓。
     実は「川越さん」と呼ばれる墓火の秀五郎。
     気弱な忠五は うさぎ とも呼ばれるほど。
     忠五は盗みをした秀五郎の現行犯として見咎め、
     平蔵に伝え、秀五郎は火炙りに。
     
「女掏摸お富」
     巣鴨に住む従兄弟仙右衛門と王子権現様へ。
     卯吉とお富という夫婦が営む店。
     スリの霞の定五郎が捨て子のお富を広い養女に。
     養父が亡くなり一人足抜けをしたお富。
     しかし居場所がバレて強請られて。
     平蔵にお縄になるお富。七五三造捕縛。
     再犯をして平蔵に捕まるお富。
     
「妖盗葵小僧」
     「鶴や」にて、二人の男が話し込む。
     粂八は事の顛末を平蔵に話す。
     押し込み強盗、内儀を犯される。
     こんな事件が立て続けに起こる。
     心中する夫婦は多い。
     口真似をして門を開けさせる。葵の紋が入った着物。
     ついに付け鼻をして、化ける男を捕らえる。
     白状をしたが、届け出を出してない被害者も多い。
     妻が犯されて公表出来ないでいる。
     だから。鬼平はその晩首をはねた。手柄は粂八に。

「密偵」 いぬ と読ませる。
     「ぬのや」の弥一、縄抜けの源七が江戸に居ることを知らされる。
     知らせたのは乙坂の庄五郎。
     弥一は錠前外しの仕事を頼まれて。
     女房に黙って働くから「浮気」を勘ぐられて。
     錠を作って裏切られて、死んでしまう。
     押し込む前に捕縛は出来たが、弥一は少なかった。

「お雪の乳房」
     うさぎの忠五、手を出したのは元怪盗の娘。
     鈴鹿の又兵衛は、思案する。
     忠五は鬼平に相談。
     粂八、彦十と吉松が張り付き見張りをする。
     その甲斐あって全員を捕縛。
     忠五はお雪を諦めたが、生娘のおっぱいは忘れられない様子…

「埋蔵金千両」
     病床の老人万右衛門は死を感じていた。
     一緒に住むおけいに昔は、小金井の万五郎という大泥棒だったと打ち明ける。
     おけいは隠した金を掘り返しに行く。
     医者の桃庵が中村宗仙という指圧の名人を紹介。
     万右衛門は宗仙によりみるみる回復する。
     治るなら、50両でもポンと出すという事を知った平蔵に目をつけられる。
     ある程度回復した万右衛門、自ら掘り返しに。
     しかしおけいの方が早く、それを知って死ぬ。
     平蔵はおけいを捕らえて、軽い刑に処す。
     

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2024年07月24日

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