【感想・ネタバレ】これは経費で落ちません!14 ~経理部の森若さん~のレビュー

あらすじ

結婚休暇を終えて太陽も大阪へ戻り、業務に復帰した沙名子。天天コーポレーションでは業務効率化のため、システム改革の真っ最中だ。会計システムや在庫管理などの電子化が進んでいるけれど、チャットで問い合わせるのは苦手、経理部が窓口のままでいてほしい、スーパー銭湯『藍の湯』だけは今まで通りで――などなど、便利になるはずなのに、反対する勢力は意外に多い。システム会社フルネットワークシステムズの担当・有瀬結実子も辛抱強く対応しているけれど、社内事情をよく知る沙名子に相談してきて・・・・・・? 営業部ではキャンペーンの担当替えがあったり、女子ロッカー室の移転で意見が割れたり・・・・・・今日も天天コーポレーションは通常営業中?

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最近人気のお仕事系小説。知らなかった職業の裏側を知ることが出来たり、働く主人公に社会人として共感したり。本作もそんな系譜に連なる作品です。
優秀な経理部員・森若沙名子が、経理部を訪れる社員や彼らが提出する領収書などを通して、社内の問題や社員同士のトラブルを「イーブン」にしていくという物語。この森若さんの仕事っぷり、全ての会社員が羨むほどきっちり完璧で、読んでいるだけで気持ちいい……。ドジな主人公が失敗しながら成長していくストーリーを読むと主人公のミスにイライラして耐えられない派のみなさん、森若さんは信頼できる主人公です。あくまで「イーブン」にしたいというのが森若さんの美学なので、正義感を振り回すことがないというところも、控えめに言ってかなり推せます。

出てくるキャラクターたちも、経費でぎりぎりグレーな私物を購入する広報課長、私費を使ってでも会社に貢献して正社員になりたい契約社員、レジミスを謝らないアルバイトなどなど、「うわーあるある!」というリアルさ。友達の会社のトラブルを聞いているかのように「え、ありえない!」「この人怪しすぎ〜」と、思わず心のなかで相槌を打ちまくってしまいます。そして、読み終わった頃にはもう、森若さんが同僚かのような気持ちに。

そんな信頼の森若さんですが、恋愛の方は不器用でこじらせ気味。営業部のムードメーカー、山田太陽から想いを寄せられているのですが、この2人のラブ、なかなか進まない……。しかし、仕事は早くて迷いのない森若さんが、一つ年下の太陽からの好意に戸惑い、自問自答しながら亀の如き歩みでゆっくりと距離を縮めていくモダモダ感も風流というもの。
お仕事エピソードをスカッと読ませて、恋愛エピソードでムズキュンさせてくれる、1冊で2度美味しい作品です!

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