あらすじ
沙名子と太陽が結婚し、ふたりは結婚休暇中。その頃、天天コーポレーションの人びとは?――尊敬する沙名子の結婚に驚き、その相手が山田太陽だと知ってショックを受けている真夕。密かに思いを寄せていた沙名子が、可愛がっていた後輩と結婚したことに狼狽える鎌本。男職場の営業部で、東北への販路を開こうと奮闘する亜希。自分の真価が認められないことが不満な馬垣。そして営業部長の吉村とソリが合わないけれど、なんだかんだと食事をすることになった経理部長新発田など、沙名子と太陽を取り巻く人びとを描いた人気シリーズ第13巻!
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最近人気のお仕事系小説。知らなかった職業の裏側を知ることが出来たり、働く主人公に社会人として共感したり。本作もそんな系譜に連なる作品です。
優秀な経理部員・森若沙名子が、経理部を訪れる社員や彼らが提出する領収書などを通して、社内の問題や社員同士のトラブルを「イーブン」にしていくという物語。この森若さんの仕事っぷり、全ての会社員が羨むほどきっちり完璧で、読んでいるだけで気持ちいい……。ドジな主人公が失敗しながら成長していくストーリーを読むと主人公のミスにイライラして耐えられない派のみなさん、森若さんは信頼できる主人公です。あくまで「イーブン」にしたいというのが森若さんの美学なので、正義感を振り回すことがないというところも、控えめに言ってかなり推せます。
出てくるキャラクターたちも、経費でぎりぎりグレーな私物を購入する広報課長、私費を使ってでも会社に貢献して正社員になりたい契約社員、レジミスを謝らないアルバイトなどなど、「うわーあるある!」というリアルさ。友達の会社のトラブルを聞いているかのように「え、ありえない!」「この人怪しすぎ〜」と、思わず心のなかで相槌を打ちまくってしまいます。そして、読み終わった頃にはもう、森若さんが同僚かのような気持ちに。
そんな信頼の森若さんですが、恋愛の方は不器用でこじらせ気味。営業部のムードメーカー、山田太陽から想いを寄せられているのですが、この2人のラブ、なかなか進まない……。しかし、仕事は早くて迷いのない森若さんが、一つ年下の太陽からの好意に戸惑い、自問自答しながら亀の如き歩みでゆっくりと距離を縮めていくモダモダ感も風流というもの。
お仕事エピソードをスカッと読ませて、恋愛エピソードでムズキュンさせてくれる、1冊で2度美味しい作品です!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
今回は紗名子の視点ではなく、他の社員の視点から見たそれぞれの物語。
鎌本が本当に生理的に受け付けなかったです。勘違いも甚だしい。紗名子と結婚してやる目線で進んでいくので、まさか後輩の太陽と結婚するなんて信じたくないんでしょうが、かなり滑稽でした。
意外にも本気で紗名子が好きだったとは。素直になってたとしても無理でしょうね…
真夕が紗名子が居なくても頑張る姿に成長を感じました。同期の希梨香も中々曲者ですが、良いように扱われているのに反旗を翻したのは驚きでした。流されるままに過ごしてきた真夕が、紗名子の周りに感化され一人前になっていく姿が頼もしいです。
次巻は本筋に戻って、結婚した紗名子の活躍に期待です。
Posted by ブクログ
鎌本さん、ほんっと近づきたくないタイプだけど、森若さんへのガチ恋自覚して失恋しての流れは素直にどんまい!て気持ちになった。コスパタイパを忘れて何かしてあげたくなる相手が見つかるといいね。
マジでガキの馬垣さん、いやぁほんとないわぁ。なぜそんなにプリントアウトしたいんだ笑 仕事したような気になれるからか。それにしても山崎さん、あんなこと言ったら馬垣が逃げることわかってただろうになぜあんなこと。絶対わざとだろうけど意図がわからない。
山崎さん視点が読みたいわ。個人的に悔しい気持ちを読ませてほしい。
Posted by ブクログ
鎌本の思い込みの激しさと身勝手さに、心底腹が立つ。でも最後は少しかわいそうだった。「良い」か「悪い」かどっちかではなく、両方ともの立場に立ってしまうのが不思議。
沙名子があまりでなくて少し寂しい
Posted by ブクログ
短編集。真夕ちゃん、鎌本、亜希、馬垣、新発田部長の五篇です。
読んでいてしんどかったのは鎌本と馬垣。
しかし読み応えがあったのもこの二人が語り手の話でした。
鎌本は森若さんへの拗らせが度を越していて気持ち悪いのですが、失恋と挫折を経たこと、そして周りの営業部員が陰に日向に助け船を出してくれるので大丈夫でしょう。
山崎や亜希が「嫌いではない」と評価している部分が何となく分かる気がしました。使い所さえ間違わなければ、仕事の同僚としてはやっていける…かも?いや、やはり山崎や亜希のような度量がなければ生理的な嫌悪や感情を優先してしまうに違いない…。
そして馬垣。
なんて逃げる人なんでしょう。人には多かれ少なかれ逃げることもありますが、馬垣の逃げっぷりは読んでいて辛かったです。身につまされます。
自分を客観視できない、しようとしない。だから他者への観察も働かないし、興味がない。
自分の感情に蓋をして鈍感になっている。
他者の言葉のうち都合の良い部分しか拾えず、自分の発言も過去も都合の良いように思い込んで誤る。
悲鳴が出そうでした。笑
あとがきで青木先生も述べていますが、馬垣は、彼を思いやってくれる人のことほど恨むんですよね。
過去には祖母、今は須藤。
山崎が懇切丁寧にプレッシャーをかけて馬垣を追い詰めていくシーンでは、スッキリもするけど恐ろしかったです。山崎は「その人が欲しいものをあげたい」人。亜希の話で彼の信条を理解した後に、この仕打ちって…青木先生…!笑
次巻は本編のようなので、楽しみに待ちます。