あらすじ
フィレンツェが陥落し、アルテのもとに師・レオとの再会の好機が舞い込む。
ダーチャとアンジェロに出会えた喜びも束の間、生き別れたレオにひと目会いたいという願いのため、友と別れ、アルテは前に進む——。
一方、レオは荒れ果てた街で、己の過去を思い返していた。恵まれなかった幼いレオに救いの手を差し伸べたのは、面倒事をこよなく嫌う画家であり、後に師となるエッツィオだった——。
16世紀初頭のフィレンツェ。この時代、女性が画家になることは前例としてあまりなく、主人公のアルテは画家工房に弟子入りを志願するも、断られ続けてしまいます。このマンガは、そんなアルテが女性画家としてどのように生きていくのかを描いた作品です。そのテーマだけでも十分面白い作品なのですが、この作品、焦点はそれだけではありません。
様々な面白さがあるのですが、その中でも私はアルテが貴族生まれであることに悩むシーン(7巻)が好きです。この作品は、女性であることを理由に仕事を任せてもらえなかったり、あるいは勉強させてもらえなかったりといった逆境をアルテがどう乗り越えていくのかに焦点を当てることが多いのですが、このシーンはそれとは少し異なります。「貴族であった」という自分の過去が人に比べて恵まれているということ。それを本当の意味で自覚したアルテは、今までの困難を否定されたような感覚に陥ります。そこからアルテはどう立ち直っていくのか。今の自分に自信がない、もっと自分を好きになりたい。そんな人におすすめのマンガです。
感情タグBEST3
最終回が近づいてきました
今巻…アルテの出番は少しだけ。師匠のレオの過去が語られる巻です。
アルテが絵を描くシーンがグッと減り、最終回が近いのだろうな…と思ってましたが、巻末のあとがきで作者から『最終回が近づいてきました』と告知があって「やはり…」という心境です。
…予想通りのハッピーな終わり方をして欲しい。
すごく辛いけど前に進む覚悟
レオさんの苛烈な過去のお話。
そこに登場する見たことのある女性は親方のお嬢さん。
後に彼女もすごい苦労するのよね。
だけどアルテ達が助けた。
この親方の個性が今までどの漫画でも見たことのないタイプで印象的。頭が良くて要領が良くて徒弟を抱えるという「接待」までこなしてたとは。
そこで自分を鍛え上げたレオ。
愛を求めず、自立、プライド、生き延びることを求める子ども時代。
アルテも機敏に動く気持ちを持ちつつ、じっと耐えて待つことを覚えて大人に。
2人の再会はどんな風になるのだろう?
ボロボロのレオさんとお金持ちのアルテ?
必死に危険をかいくぐって突っ込むアルテを偶然助けるレオさん?
どんな再会になるのだろう?
終盤って言葉があったので、2人の再会までかなぁとなんとなく。
2人は後にどんな仕事をするのだろう?
あれこれ妄想してしまった幸せな読後。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ
フィレンツェ陥落、からのレオさん過去回。アルテとはまだ再会できず。どうやら徐々に終わりに近づいているようなのですが、これはちゃんと再会エンドで終わってくれるんでしょうか
匿名
レオの過去
レオ親方の過去編に突入しました
かなり辛い境遇だったみたいで見ていて心が痛い…
エッツィオさんも優しそうな見た目と裏腹にレオのことをシンプルに利用としていたのも辛いけど、レオにとっては当時唯一縋れるものだったんだなぁ
Posted by ブクログ
アルテ中心の物語は、いったん師の昔話へ。まだ途中だけど、どうしても本編に比べると…と思えてしまう。しかも作者あとがきを見ると、何と終わりが近いと⁉なおさら、本編をもっと!と思えてしまうのであった。
Posted by ブクログ
今の基盤を守りたい、別の街で同じように築けるかわからない
というのは分かる気がするが、ここまでボロボロになって
基盤を守ったことになるのだろうか。
状況はかなり酷いものの、アルテとグイドさんたちの
信頼関係は見ていて安心できる。
自分が悪い訳ではないのに酷い目に遭い、
そこから抜け出す為に犯罪でも嫌な用事の押し付けでも
なんでもやる。
レオさんの少年時代があまりに不遇。
匿名
クライマックス予告。
が出ましたね。
ということはアルテの再訪フィレンツェ編は意外と短い、と。
この辺りの歴史は然程詳しくないのですが
17〜8世紀の手記や物語を読むと
かつて弟子だった親方に起こっていた貧困が彼一人でなく
ほぼ都市全体を覆う貧困であったことが伺えます。
二十世紀までは都市部に仕事があっても満足行く賃金を貰えることが少なく、それでも人手不足と農村部落の飢饉から人が押し寄せるので
低賃金と低待遇が拍車を掛けていました。
また報酬は一日働いても灰を混ぜて焼いたパン、苦いお茶2杯それが全てで住宅不足から寝床も無い実態だったようです。
なお乞食はオレンジの皮を甜め泥水を飲む生活が主でそれでも日雇いがあれば生きられますが大体が危険で不潔で重労働であったので続くことなくしかし辞めれば次はなく病気や怪我に悩まされ続け仕事から放り出され路上で生命を終えるのがそれでも全うな庶民の生活でした(市民階級は別)。
何が言いたいかというと屋根の下で重い物を運ばず飯が出る徒弟なぞすでに特権なのですね。
実際どこかの役人の息子とか富貴の庶子とか兎に角コネクションがある子がありつけるポジションだったように思います。
物語では絵画の情熱故に不利な徒弟をやっていく流れですが
当時だれしもこんなチャンスがあれば絶対に手放さないでしょうね。