あらすじ
騎士バルロが出撃する。叔父のマグダネル卿を討つために――。国内に争乱を呼ぶサヴォア一族の内紛とは、主家失脚をたくらむ卿と、その陰謀を阻止せんとするバルロの対立であった。卿の背後には、デルフィニアを狙う大国タンガとパラストが……。この危機を迎え討つべく、国王は自ら行動を開始した!
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Posted by ブクログ
ウォルの腹芸炸裂の巻です。
策略や演技は苦手な武骨で温厚な王様なのかと思いきや、いつの間にか成長したのか初めからこうなのか、ウォルの「敵をだますにはまず味方から」がすごいです。だまされた味方陣が可哀想やら、ウォルにひたすら感嘆するやら……。
一方バルロさんは容貌こそウォルに似ているものの、性格は正反対の虎か猪で、怒りのままに物語の中枢を突っ走る姿は爽快です。だけど対外的にはいけないことをしているわけで、盛大な顰蹙と王の怒りを買います。だからこそ、こっそりと北の棟でウォルにねぎらわれた瞬間は、何度読んでも泣きそうになります。そして舌戦に笑います。(「品のない会話だ」という台詞は私も大好きです。この巻で一番好きな台詞かもしれません。)
そしてシェラは無理矢理に近い形ですが仲間入り。人形か死人のようなシェラの、この辺の話も好きですね。
今後のシェラの活躍に特に期待しながら、全巻再読を目指します。