【感想・ネタバレ】花よりも花の如く 11巻のレビュー

あらすじ

「榊の会」立ち上げや例会の「弱法師(よろぼし)」に向けて多忙な日々を送る憲人。ドラマ出演の影響や自分と他の役者との違いに気付き、心に迷いが。そんなある日、琳と飲みに出かけて酔った憲人は、なぜか真っ暗な森の中で目を覚ます。そこで出会った男性は…?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

隆生先生が写真やレコードを探してくれたり
憲ちゃんに見せる為にももう一度舞おうとされたり
というところが感じ入るし
伝統芸能の生々しさであるとも感じる。
そうやって目の前で見せることでしか
伝わらないこともある。

葉月さんが「一番したかったことを忘れるために
ピアノを始めたのかも」というのはぐっときた。
『かげきしょうじょ!!』でも主人公がそうだったが
そういう家に生まれて舞台に憧れて
でも伝統芸能で男性だけのものだから自分は立てない
というのは辛いところだ。
だからと言って女性も立たせろ、という問題ではないし。
葉月のピアノが好きと言ってくれる憲ちゃんや先生たちがありがたいし
『楽しい時間と同じように傷は隣の人を近くする』
という表現が美しい。

安宅の関を越える、というのが本当に文字通り
一同で越えるというのに感じ入った。

確かに興味がないと舞台に立つと言っても
趣味だと思うかもしれないし、
能と狂言と歌舞伎の区別がつかないという人もいそうだ。
だから彩紀の言う通り、ドラマの功績は本当に大きいとは思う。
ただ当の本人は「私には杖すらない」と思い悩む真っ最中。
自覚した途端今まで気にならなかったことも
気になってしまう気持ちはよく分かる。

望さんとの出会い、丁寧に描かれているからこそ
ご都合主義に感じず、憲人が”持っている”なと思える。
マッサージ師だからこそ自然に「また来ます」が成り立つし。
家族ではなく能関係の人でもなく、でも同じ役者である琳さんは
悩みを話すのに丁度よい距離感の友人だったのだろうなと思う。

憲ちゃんの蝉丸を力強く思えたという葉月さんの感想がとても良い。
演じる人や考え方(演出)で変わるから芝居は面白いのだ。
その意味でテレビドラマだって同じなのに、
同僚から「TV組」なんて揶揄されるのは悔しいものがある。

漫画だからと言ってしまえばそれまでだが
憲ちゃんといい周りの人といい行動力があって展開が早い。
HPに載せたら?とか紹介して?とか、実際にちゃんと現実にしていくところが良い。
現実だとなかなか周りが気乗りしてこなくて
空回りすることが多い気がする。

忙しくて後回しにしたいことでも
焦りつつもきちんと投げ出さないところが素敵だし
それをきちんと身にできるところが素晴らしい。

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2023年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

憲人が「榊の会」の立ち上げで忙しくしてたり、能の家の弟子でなかったことに苦悩してます。テレビを見て能を習う人が増えてるみたいですけど、現実的にそういうことを考えたことはないなぁって。興味を持つのはいいことなんでしょうけどね。

あと、高尾山での話は、一瞬夢話かと思ったら、現実話だったんでちょっと驚き。そこで新たに出会った盲目の望が「弱法師」の参考になっているみたいですが、音楽つながりで今度は望と葉月の関係が気になる憲人になりそうな予感です。

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2013年04月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生真面目に努める能漫画 11冊め。

前回までがドラマ編で、今回から、そのドラマによって変わった能生活の再開のような感じ。
新しい物の見方が加わったことで、迷いも増えたりで、それがまた新たに人に会うことで道がひらけていく。

元通り、能の道に戻ったようなのだけど、進みかけた葉月さんとの関係は、それどころではなくなったような感じ。
まあ、こちらもゆっくり楽しみながら付き合うべきだろう。

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2013年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

登場人物の心情の変化を描くのが本当に上手いなぁ。

憲ちゃんが、一回り成長した気がした。
伝統芸能の世界に生きる者にとって、「家」とか「弟子」の世界は確かに重要で、けれど、そこに囚われることなくもっと大きな視野を持てた点だけじゃなくて。
所作や言葉、物事に対する姿勢が、大きく見えた。

今、いくつなんだっけ、憲ちゃん。
スケジュールぎっしりで、新しいことにどんどんチャレンジして。
いろんな人に出会って。
あああー、大変そう! でも楽しそう!

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2013年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「能って結構、恋の曲が多いんです」
というあおり帯。
古典系って恋を題材としてものが多いですよね。

作中で、憲人の個人の会が本格始動して新しい生徒さんが増えました。
みなさんきっかけはドラマが多くて、能をほとんど見たことがない。
まぁ、それが今の日本の現状だとは思います。
私も能と狂言、人形浄瑠璃なんかは授業で見に行きましたけど、歌舞伎はない。なかなか個人で見に行くには、環境が整ってないと難しい。
最近では小学校などで古典芸能の授業があったりするらしいです。あと、お茶とかお花とか。
能が「人類の口承及び無形遺産に関する傑作の宣言」されたことに、憲人家族が感想を述べていますが、一概に「よかったねぇ」とならないところがかかわっている人たちの乾燥かと。

さて、恋の歌が多いという煽り文句のわりには、本編の恋愛は全く進展なし? な感じです。葉月さんとは仲良くしてますけれど。
ひょんなことからマッサージ師兼バイオリンにストの望さんと出会う。
盲目である望さんが「弱法師」をする憲人に影響を与えていく~というところで、以下続刊。次が楽しみです。

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2013年01月14日

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