あらすじ
於ね、江与、阿国……ともに戦乱を生き抜いた女性たちの死に、ひとつの時代の終わりを感じる於通。一方、徳川から後水尾帝に嫁いだ和子が、ついに男子を出産し、幕府と朝廷の関係に変化が……?さらには三代将軍・家光の乳母・おふくの恐ろしい企ても明らかになり……!?戦国の世を、なにものにもとらわれず、しなやかに生き抜いた女性・小野於通の生涯を見届けよ!!!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
小野於通伝、完結。8年間読み続けて良かったな~という作品でした。
ぜひ大河ドラマ化してほしい。
既存大河作品で言うと、
「独眼竜政宗「春日局」「信長KING OF ZIPANGU」「秀吉」「江 ~姫たちの戦国~」「真田丸」を網羅する圧倒的ボリューム。
とにもかくにも、歴史好きには全巻通読を熱烈にオススメしたい。
Posted by ブクログ
史料が少なくよくわかっていない歴史上の人物というのはたくさんいて、とくに女性の場合は天皇家・お公家のお姫様や名だたる方の正室・側室でもないかぎり、資料に載るというのもなかなかないことと思います。小野お通(本書では於通)もその一人で、残した書画や手紙でその存在が実在であるらしいとはわかっているものの、詳しいことはあまりよくわかっていない人。そんなお通に光を当て、またその当て方が素晴らしい作品であったと思います。
さすがに、関ヶ原や大阪の陣など合戦については他に名だたる名著が多く、比較するのは酷ですが、正直かなり劣ります。とくに、伏見城の戦いで果てた鳥居元忠については、司馬遼太郎の「関ヶ原」を超える作品は今後も出てこないと思います。本書では家康が「あの元忠が!」と驚きいら立つ場面がありますが、このようなアマチュアがその場しのぎで描いたようなコマを差し込む必要はなかったと思います。そういった不満があるので星ひとつ減らしています。
いくつか残るお通の伝承の中には真田信之と恋仲であった、正室の小松姫が「京都の方をお呼びになっては」と進言したという逸話もありこれがお通ではないかとする説があり、なぜ近衛信尹をあえてお通の相手に選んだのだろうと不思議にも思いましたが納得のいく流れになっていました。また、信尹が書道にすぐれた太郎姫という庶子を可愛がっていたという伝承にも通じ、よくできているなと感服しました。
Posted by ブクログ
戦国の世に風雅の才に溢れこのように生きた女人がいた事を知らなかったので漫画にしていただいて感謝です。この本を読んでいたおかげで去年の真田丸での於通の登場にも興奮することが出来ました。大和和紀先生、大作、お疲れさまでした。