【感想・ネタバレ】なれる!SE2 基礎から学ぶ?運用構築のレビュー

あらすじ

システム開発会社に入社し怒涛の4月を乗り切った桜坂工兵。彼が出会った同僚の姪乃浜梢は、小動物系でちょっと天然な気もあるかわいい女子だった。しかし、システム運用担当の梢は、そのシステムを構築する工兵の見た目子供の鬼上司、室見立華と犬猿の仲で──。とあるモバイルゲームインフラを舞台に、工兵を板挟みにしつつ構築と運用の熾烈な戦いの幕が上がる! システムエンジニアの過酷な実態をコミカルに描くスラップスティック・ストーリー、第2弾!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

今回は運用のお話。構築と運用ではリスクに対する考え方が異なるということ。そしてそこから生じるヒロイン同士の対立がとても印象的だった。

例え考え方が全く異なっていても、互いに実力を認めあっていて、「より良いシステムを作る」という点で向いている方向が同じなのは、まさに修羅場をくぐり抜けてきた戦友と言えるだろう。

最終的にその関係性をラブコメに落とし込んでるのは流石だと思った。自分の中で室見さん推しは揺るがないと思ってたけど、正直梢さんにだいぶ揺らいでしまった…。

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2023年12月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ジャケットは女性がなにやら
オライリーの本を持っていますね。

1巻目は主人公の桜坂工兵が入社してから、OJTが終わるまでの物語になっているんだけど、
この2巻目から実際に工兵が活躍する内容。

いや、今回も
前巻以上に、『わかるー!あるある!』的な、サブストーリーが満載。

主に
前半は主人公の歓迎会に、自ら幹事をして・・・・って話で
後半は、OS部 VS SE部 の部署間でのぶつかり合いの2本立て。

ちょくちょく出てくる、
心にしみた箇所をピックアップしてみます。




『そうです。大変なんですよ。24時間365日、いつ電話がかかってくるかも分からない。寝てる時も旅行に出ている時も、いつ携帯がなって呼び出させれか分からない。もし障害を見逃したら、対応が遅れればそれでお客さんのビジネスに損害を与えてしまうかもしれないんです。それがどれだけ強いプレッシャーか分かります?胃が痛いどころの騒ぎじゃないですよ。迷惑メールの着信で携帯が震えるでしょう?心臓が縮み上がるどころの騒ぎじゃないですよ。ぎゅっと見えない手で掴み上げられるように。・・・動機がして息切れがして、吐き気さえ込み上げてくる状態で携帯を確認するんです。それで迷惑メールだって分かって、全身の力が抜けて布団をかぶりなおすんです。そんなの毎日続けるんですよ。想像できますか!?』


これは運用を担当している、OS部の姪乃浜さんが
工兵に運用部の仕事を説明しているときのセリフ。

さすがに少し大げさだけど、ものすごくよく分かりますwその気持ち。

僕も、運用系の案件にいた時は、
ネットワーク監視ツールから、障害が上がったときに携帯にアラートメールを送る仕組みにしていたんだけど、
夜遅い時間や休日に、仕事電話のバイブが震えだした時の、ゾッとした体験が蘇るかのように解りますw

ネットワークの運用って大変なのよね・・・・・。



『直しても直しても突き返される。あの情報が足りないだのこの記述が整合性がとれてないだの、重箱の隅をつつくみたいに毎回批判のネタを見つけてくる。もちろん修正中は運用を引き受けてもらえない。システムの障害連絡は全部作ったエンジニアのところに来る。夜間だろうが休日中だろうがね。

引き継ぎ会の内容だってひどいもんよ。エンジニア一人をOS部の人間が取り囲んでダメ出しの嵐。細かな設定から設計ポリシーまで何時間も批判の矢面に立たされるのよ。最後はみんなボロボロになって、引継ぎを断念して帰ってくるの。・・・本当、あれば打ち合わせじゃなくてリンチよ。集団リンチ』


対して、これはSE部の室見さんが
OS部(運用部隊)に引き継ぐときの、言い分。

これも極端な例だとは思うけど、SE部の構築した案件を運用部隊へ引き継ぐ際に、
運用方は、あれこれ全てのフローを作れだの!粗探し大会になることはよくある。
そんで、なかなか運用を受けてくれないんだよね・・・・。
早く次の案件の構築をしたいのに、なかなか引き継いでくれなくて、
全部細かいところ洗い出さなきゃ運用できないの?バカじゃないの?ってなるんだよね^^;

ちなみに先の姪乃浜さんも、SEの室見さんも女性同士で
立場上?相性が悪くて天敵って設定なのね。。。




『送信日時:5月17日(日) 午後9時42分
宛先:姪乃浜梢
差出人:室見立華

お疲れ様です、SE部の室見です。
リドルリル案件について姪乃浜さんからうちの桜坂に相談があったと聞きました。
すでに何度かご連絡させていただいている通り翻案権の担当者は私と藤崎さんです。桜坂はアサインしていませんので、彼にご相談いただいても的確な回答を返せないと思います。レポートラインの問題もありますので、何かご相談ある場合は私の方までご連絡頂けませんでしょうか?
あと、どういう経緯で桜坂に相談を行ったのかも教えてください。事情によっては上長を絡めてご相談の場を設けさせていただこうと考えています。
よろしくお願いします。』


SE部に所属している工兵(桜坂)が、OS部の姪乃浜さんから相談を持ちかけられて、
それが、SE部の先輩の室見さんに漏れてしまった時の、室見さんのメール内容。

いや、リアルすぎて。怖いメール。
本当にこんなメール投げてくる人いるし、こんなの受け取ったらゾッとするよね。

このやりとりのMLに入っていて、
第三者として傍観するのには、面白すぎるんだけど、
当事者にはなりたくない・・・・w

これに対して、OS部、姪乃浜さんのレス。

『送信日時:5月17日(日) 午後11時24分
宛先:室見立華
差出人:姪乃浜梢

室見さん

お疲れさまです。OS部 姪乃浜です。
桜坂さんとは翻案権に関係なく一般的なお話をさせていただいただけです。特に問題のある内容とは思いませんがどのあたりを気にされていますでしょうか?引継ぎに関してはOS部からのリクエストは既にメールさせていただいた通りですし、桜坂さんのお話でそのあたりを変更したこともありません。ご懸念のポイントが良く分かりませんので、もう少し具体的なご指摘いただけますでしょうか。

>あと、どういう経緯で桜坂に相談を行ったのかも教えてください。事情によっては上長を絡めてご相談の場を設けさせていただこうと考えています。


上長を含める理由が分かりません。
室見さんだけでは上手く説明できないということでしょうか。

よろしくお願いします』


一歩も引かない、姪乃浜さん。
”?”とか使ったら、またレス返ってきちゃうじゃん。。。
時間も23時を回っているのに、こんなメールのやりとりとか・・・・。よくあるw

その後も、この二人10ページ近く
メールのやりとりしてるんだけど、徐々に険悪なメールになってくる。



最後の方は、
感情的になりすぎて、単なる子供のケンカになっちゃってるんだけどね。

室見
『スパムを送るのはやめてください』


姪乃浜
『そっちのメールこそ時々、スパムフィルタにひっかかるんだけど』


メールのやり取りひとつみても、
リアル過ぎる表現に感情移入しちゃいました。。。




『正常に稼働するのが当然。障害が起きたら最後、必死で復旧しても怒られる。もちろん復旧できなければ大問題。報告書の騒ぎじゃない。そんな彼らが好き好んでリスクを取ると思う?全ての懸念点を潰し、石橋を叩いて叩いて叩きまくり、最悪のケースを全部考えつくした上で、はじめて彼らは運用を引き受ける。そうしなければ彼らの業務自体が破綻してしまうからだ。』


こちらは、SE部の上長、藤崎さんが、OS部の懸念解消について語る場面。

いや、そうなんすよね。
お客さんは使えて当然!って思っているわけで、
予期せぬ障害とかあって、頑張って頑張って復旧させたところで、お客さんからは褒められるどころかお叱りさえ受け、謝るのが運用の仕事だったりもするんだよね。

損な役目が多い運用方は、リスクを少しでも減らすために、
石橋を叩きまくるって事ね。

普通に見てるWEBだって、
mixiだって楽天だってyahooだって、WEB表示できなくなったら
使う側にとっては『サーバーダウン?なんだよー!』と思うかもしれないけど、
その裏側で冷や汗垂らしながら、必死に復旧作業をしている人がいることを、
少しでも一般ユーザに分かってもらえると嬉しいな。

機械なんだから、壊れることだってあるし、
予期せぬ動きすることだってあるし、
って事で大目に見てほしいわ・・・・。甘い?w


この意見の合わないOS部とSE部の内部抗争は果たして、
分かり合い終幕を迎えることができるのか?
気になった方は、読んでみてねー。(って何故か宣伝してるw)

第3巻が今年発売されたばかりで届いたので、読もうっと。
何巻まで続くんだろ。

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2012年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今度は構築vs運用ですか!?

個人の能力だけだと、その場では何とかなってもあとあと大変って言う梢の言い分も分かる。「あんただったらどうにかなるでしょ?」という立華さんの考えも分かる。
なんつーか、工兵ってうまくまとめたなぁ…と思うわww

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2014年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった!評価★4つなのは、単純に専門知識が足りないから。もう少し用語や仕事内容を理解できたらさらに面白いのではないかと思っています。
本当にシステムの世界は、わからなすぎて、良くないことに巻き込まれたり、騙されていても気づかないだろうなぁ。社会人として少しは知っておきたいと思います。勉強したい分野の一つです。

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2012年10月12日

Posted by ブクログ

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引き継ぎ資料の記載レベルについて、OS部との確執をどう解決していくかって話。
1システムに1保守っていうイメージだったので、OS部がいくつも保守を引き受けているのが新鮮だった。ネットワーク構築とかってアプリとかと違って、作業が一度だけだから? それとも単純に人がいないから? 経費削減?
インフラに詳しくないので、よくわからないなあ。
ただ運用の人の生真面目さには身に覚えがあった。あのときはうるさいなあとしか思えなかったけど、これからは少し優しく接することができそう。

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2012年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近のライトノベルのテンプレートが記号的に配置された様相を呈してきている。つまり、ツンデレなヒロインと(やや)ヤンデレ気味なサブヒロインの間に振り回される主人公といった構図。それらを取り巻く状況がIT業界というだけで、おおよその中身は平凡なライトノベルとそう大差ない。
それでも読ませる魅力になっているのは作者の筆力が他のライトノベル作家に比べて高いことだろうと思う。特別優れているわけではないが、物語の構成力や文章力は読者を引き付けるものがあるのは確か。
梢の口から出てくる運用部隊の苦悩や熱意、工兵が立華と梢の活躍を見ての悔しさは、ただの「あるある」ではなく、経験すれば誰もが感じる思いであり、青臭さでもあり、それを代弁してくれるキャラクターには思い入れができるのではないだろうか。
惜しむらくは物語の大半以上がラブコメ描写に費やされており、物語のヤマ場となるトラブルシューティングの描写が物足りないことだ。登場人物の能力が高いから、という理由だけで解決できれば苦労はないわけで、運用部隊の苦闘や活躍をもう少し練りこんで描ききって欲しかった。
実際のところ、日本のITシステムでトラブルが発生していない日は一日たりとありえず、それでも社会が動くのは多くの運用部隊がそれこそ命を削っているのだから。

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2012年08月24日

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