あらすじ
大気を打ち震わす轟音が、徳川御三家尾張藩屋敷に響く。駆け付けた新人火消の慎太郎が見たのは、天を焼く火柱。家屋は爆ぜたと聞き、慎太郎は残された者を救わんと紅く舞い踊る炎に飛び込んだ――。新庄藩火消頭松永源吾は、尾張藩を襲った爆発を知り、父を喪った大火を思い出して屈託を抱く。その予感は的中。源吾の前に現れたのは、十八年前の悪夢と炎の嵐だった。
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Posted by ブクログ
2024/10/15
めちゃめちゃおもしろいよ。当然。
内記の語りでは正義の反対は悪じゃなくてまた別の正義って言葉を思い出したなぁ。
誰も死なんで。
Posted by ブクログ
202101/上下巻まとめて。絶対面白いぼろ鳶シリーズ、しかも今回は上下巻でたっぷり楽しめる!なのに上巻読む速度がのろのろペース…というのも、登場人物が多すぎて、忘れてしまった人となりや過去作での細かいエピソードを思い出しつつだったので。くどくない程度のさりげない按配で人柄や当時の経緯もちゃんと書かれているし、あくまで自分の記憶の衰え故に、読み進めるのに時間がかかってしまったってことです笑。この世界に戻れてからは、胸も目頭も熱くなりながら没頭。キャラクター達が良いのは勿論のこと、場景が映像で目に浮かぶ描写が毎度ながらほんとお見事。今回も、慎太郎達が門を開けようと頑張る場面とか、源吾と甚兵衛の半纏の向かい合せ鳳凰とか、辰一と登場したとことか、数々の名シーン、読んでてすっと浮かんでくる今村先生の文章はすごい。下手人や理由の謎だけではなく、源吾が父の死と向き合うところ、甚兵衛ら先達世代・源吾ら黄金世代・慎太郎ら次世代、それぞれの葛藤・世代交代・熱さが織り交じっているところ、要人や内記の心情や変化、などなど今作も盛り沢山の名作だった。今回で一区切りということであとがきがあるのも嬉しいが、早くまた次の作品にひたりたい。