【感想・ネタバレ】菩薩花――羽州ぼろ鳶組のレビュー

あらすじ

番付のためか――。火消番付への関心は高く、お家の評判にも繋がる。その噂が人々の口に上りだす頃、ぼろ鳶組松永源吾は、無謀にも他の火消から手柄を奪おうと闘う仁正寺藩火消柊与市の姿を目にする。
そんな折、火消による付け火を疑う読売書きが姿を消し……。
真相を追う源吾らの前に現れたのは、火難の遺児を救い育て、「菩薩」と崇められる定火消進藤内記だった。

諦めの悪い火消が炙り出した、不審な付け火と人攫いの真相とは?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ぼろ鳶組第5弾。
今回は帰ってきたぜ、江戸の町。
てなわけで、ぼろ鳶組のみんながまた揃って、どこか安心感をおぼえる。

仁正寺藩の火消頭取、柊与一。今回はこの男が中心だ。家老から番付を上げるよう迫られ苦悩する。そこに火付による火事があり、異常なほど早く駆けつける火消がいたら、怪しいしかない。でもこの与一は、源吾にも火消しのなんたるかで雷を落とした爺さん、柊古仙の孫だ。そんなわけない、あってほしくない、と源吾も(自分も)思い惑う。
新庄でも番付を気にする新之助が、張り切りまくる。これまでも無茶ばかりするこの副官に、心配でヤキモキする源吾。
今も人の評価って、励みになったりいい面もあれば、それによって、未来ある者が身を崩す面もある。軽々しく他人の評価を鵜呑みにするのは注意しないとなあ。

三役最後に出てきた「菩薩」進藤内記。孤児を引き取って育てるという慈善事業を行い、近隣の江戸っ子に評判が高い常識家だけど、イケすかない態度、源吾との因縁、どれをとっても、こいつだろ悪いヤツw 内記って名前からして悪役。藤沢先生の作品の「帯刀」みたいにw偏見?

というわけで、今回は火消にも悪いヤツがいたってことで、ちょっと残念だけど、これまで見てきた熱い火消魂は負けはしない!窮地に陥っても諦めずに何とか必ず火を消し止めるのだ。
「火消にできるできないはねえ。やるしかねえんだ」やっぱり江戸の火消はかっこいいねえ。
でも一番肝が据わってるのは我らが深雪様。近所で出火した最中産気づいて逃げられないところ、駆けつけた源吾に消しに行けと一喝。「必ず2人で帰りを待つ」と。こんなこと言われたら、頑張るしかないよね。

最後に、新之助がんばれ!

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2025年11月09日

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