あらすじ
新しい年、新しい関係、新たなる想い。
冬休み。のんびりとした年の瀬、そして年明け。
合格祈願の初詣や買い物など、予定外の外出が重なる八幡が新年の街で出会ったのは、雪ノ下陽乃と葉山隼人、そして……。
教室で、部室で過ごしてきた時間で、お互いのことを少しは知ったように思えた。でも知らないことの方がたくさんあるのだろう。今も、そしてこれからも。
冬休みが終われば、2年生という学年ももうあとわずか。新学期にざわめく教室にはある人物の「噂」が流れていた。
望むと望まざるとに拘わらず、同じ場所で過ごす時間は刻一刻と減っていく。
そんな雰囲気だからなのか、奉仕部に持ち込まれた、ある依頼……その依頼は今までに知ることのなかった彼ら、彼女らの別の一面を映し出すことに。
自分のしたいことが、相手の望むこととは限らない。本当の気持ちが伝えたい気持ちとも限らない。誰かが知っているその人が、その人の本当の姿とは限らない。
今を大切にしたいと思えば思うほど臆病になって、考えているのに答えは見つからないし、走っているのにゴールが見えない。
彼ら彼女らの、新たなる季節、新たなる関係。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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Posted by ブクログ
年末年始、進路選択回。
葉山の進路を探りながら、奉仕部の距離感も探ってる八幡でした。
戸塚が頼ってもらえたわりには、活躍の出番が少なくて寂しいですね。ただ、少し本音を言い合えた感じでよかった。
この巻は、雪ノ下、葉山、三浦、戸塚、小町とちょっとした本音が出てきてる感じで、10巻もキャラの動きを読んできた側としては感慨深い感じがしました。
最後のマラソンでの解決は、これまでにないほどすっきり(?)とした解決方法でした。
ということで、美人のお姉さんもだいぶ現れ出して、そろそろ雪ノ下ファミリーの話に入るんでしょうか。次巻も期待です。
Posted by ブクログ
評価:☆4
彼ら彼女らの、新たなる季節、新たなる関係。
ミトンのわんちゃんで噛み付いてきた後に我に帰って恥ずかしがる結衣が可愛すぎたw
学年が変わる際の文理選択という一つの分岐路や葉山と雪乃の噂を題材にして主に葉山というキャラが掘り下げられていく。
「俺は君が嫌いだ」
「……俺もお前が嫌いだよ」
なんて言ってる葉山と八幡ですが、何だかんだでやっぱり男の友情を感じるというか理解者って感じだよね。
葉山も八幡に対しては『みんなが期待する葉山隼人』である必要ないし。
後はあーしさん(三浦)が恋する乙女してて可愛かったw
受験で悩む小町を励ます八幡っていうのが前巻とは逆の構図になっていて良かった。困ったときは助け合うのが兄妹であり家族でしょう。
そして最後の陽乃さんの意味深発言が気になるところ。
しかし前巻がかなり大きく動いた巻だったからか、(奉仕部メンバー間では)あまり話が進まなかったなぁというのが正直な感想。
このラノ二連覇の波に合わせるためにクオリティを犠牲にしてでも急いで書き上げたんじゃないかと邪推してしまった。
次巻ではもう少し踏み込んだ話が見たい。
「……私は近しい人が理解してくれているならそれだけで構わないから」
「知りたい。……それでも知りたい。……それしかないから」
「そう、あれは信頼とかじゃないの。……もっとひどい何か」