あらすじ
おつかいの途中で二匹の小物妖怪に捕まった夏目。咽をやられ声が出せなくなったところに、祖母・レイコを知る別の妖怪が出現!窮地から救われる。ところが、今度はその妖怪の棲家へと連れ去られて…!?中級妖怪コンビが主役の特別編も収録。
...続きを読む
妖怪が見える少年・夏目が、祖母の遺品の「友人帳」を架け橋にして妖怪たちと心を通わせていく模様を描いた物語です。
妖怪をテーマにした作品は数多くあれど、「夏目友人帳」ほど優しい物語を、私は見たことがありません……!
祖母・レイコの残した「友人帳」は、レイコが妖怪たちと勝負をして、負けた妖怪たちがサインをしたもの。そのサインには契約の意味があり、契約の解除を願う妖怪たちに名前を返していくことにした夏目は、ボディーガードの「にゃんこ先生」と一緒に彼らと触れ合っていきます。
幼いころから、人には見えないものが見えていることで周囲から気味が悪いと言われていた夏目は、妖怪を避け、関与しないように生きてきました。そんな夏目が、友人帳を通してはじめて妖怪たちに向き合うことで、少しずつ、考え方を変えていく様子には、まるで自分の子どもが少しずつ友達を増やしていくような、そんなやさしい気持ちになって嬉しくなります。
名前を返したときに判明する真実は、ちょっぴり切ないことが多いですが、決して悲しい結末ではなく、じんわり心が温かくなるような、そんな物語ばかりです。
ぜひ暖かいお飲み物をお供に、じっくりお楽しみください。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
夏目は、妖達との距離の取り方が上手くなってきたように感じた。
夏目とぽかぽか殴り合ったり、ぷんすか怒ったりニャンコ先生がかわいい。夏目に珍妙な姿と思われていて気の毒で笑った。
今回、レイコの正体が少しだけ明かされる。強くて優しくて孤独で…
心があったかくなるような妖との触れ合いに癒やされる。
宝物
自分の宝物を奪われるかもしれないとなったときに、宝物のように大切な人たちがたくさん思い浮かんで心配する夏目…。よかったねぇ、と思いつつ、将来どうやって自分や周囲の身を守っていくのか、心配です。それにしても、次から次へといろんな妖が出てきて、ネタが尽きないのがすごい。
Posted by ブクログ
緑川先生がさらに大好きになった巻でした。今までもすでに限界まで尊敬していたはずなのに、その限界がさらにどんどん伸びていく感じです。出会えてよかったです、本当に。
物語もとうとう中盤に入り(多分笑)、クライマックスへの伏線が丁寧に少しずつ描かれていっている気がします。レイコさんは、親戚が言うように可哀想な人生を送ったのではなくて、幸せに笑顔で人生をまっとうしたんだよ、と思えるエピソードが初めて描かれました。もしかしたらこの事実こそが、夏目のコンプレックスや不安を救うのかも。
引っ越してきた当初と比べ、だんだん人と妖両方との関係を上手く続けていくのが難しくなってきた、という描写も、とうとう前面に押し出されて描かれるようになり、この先の展開が不安でもあり楽しみでもありますね。
次巻から最終巻まで、楽しみにしております(笑)
Posted by ブクログ
1巻から一気に読みました。
夏目の優しい性格でどの物語もあたたかみがあって、妖って怖いはずなのにあまりそう感じることがありません。
ニャンコ先生の優しさもとても好きです。続きが楽しみです。
Posted by ブクログ
読み直し月間で読み直したんですが、
最初に読んだ時の感想が残っていたのでそのまま残しておきます。
確かに今読んでも、特別編の中級主人公の短編が一番うるっと来ます。
人間が野生動物とかかわりを持った時と同じような気持ちなのかもしれないですね。
当時評価は3でしたが、あげて4にします。
以下、読んだ当初感想。
大好きな夏目シリーズ最新刊ですが、
期待度大だっただけに、今回はちょっといまいち。
初期の頃の感動系が薄くなってきた感じがします。
やっぱり、夏目が成長しちゃったからなのかな。
最後の中級の短編が一番、夏目っぽくてぐっときちゃった。
中級、これからも名前なしでいきそう。
Posted by ブクログ
ほのぼのとした妖怪と人間の関係もよいけれど、やはりそれは特別で、べったり共存できないのだとは哀しいながら思う話。
今回はレイコさんのことがだんだんと明らかになってきて、不可思議で人よりも妖怪によっていたようなレイコさんの人間との関わりと哀しさ。
楽しみな展開になってきました。
しかし、表紙の妖怪人形達がかわいいわ。
ところで夏目、にゃんこせんせいは招き猫の姿、そんなに嫌がってない気がするぞ(笑)
Posted by ブクログ
1巻から14巻まで一気読みしました。
夏目の不安定さや繊細さがなんだか気になる、全体を通しても繊細な物語だなぁと思いました。
心の成長が丁寧に描かれているなぁと思いました。
オーケストラなアニメの方も見てみたいな。
きっと新たな表現が加わって素敵なんだろうな。
五十五話の妖怪さんが好き。
全巻通して、唯一笑ってしまったコマはこの話の
「超 薬 探してくる」と「超 魚 とってくる」w
凄く可愛かった(笑)
あとは、意外と一巻のツユカミのじいさんの話が好きだったりします。
作者様のネタばれの各話解説コーナーとあとがきが好きです。
「おつかれさまでした。」から始まる心遣いがにくいです。
素直な作者様に好感。