【感想・ネタバレ】自覚―隠蔽捜査5.5―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

畠山警視は実技を伴うスカイマーシャルの訓練中、壁に直面する。彼女は共に難事件を乗り越えた竜崎に助言を求めた(「訓練」)。関本刑事課長は部下戸高の発砲をめぐり苦悩した。そこで竜崎の発した一言とは(表題作)。貝沼副署長、久米地域課長、伊丹刑事部長。彼らが危機の際に頼りにするのは、信念の警察官僚(キャリア)、大森署署長竜崎伸也だった――。七人の警察官の視点で描く最強スピン・オフ短篇集。
※本作品は 2017年10月19日まで販売しておりました単行本版『自覚―隠蔽捜査5.5―』の文庫電子版となります。 本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。

...続きを読む

同じキャリア警察官の主人公「竜崎」と、幼馴染「伊丹」の物語。
とにかく「竜崎」のキャラ設定が秀逸!万事の『原理原則』に忠実で、しがらみの多い警察機構の中、ただひたすら『正論』『理屈』を武器に超合理的に全てを進めていく姿が痛快になってくると、あなたは立派な「竜崎」ファンです。堅物過ぎてヤな奴なのは否めませんが、対照キャラの「伊丹」が、それだけじゃないことを読者に説明してくれます。
的確な判断と部下への指示。こんな上司なら一生ついていきたいっす(かなり堅苦しいけど)。
ドラマ出演者が形容したのは「警察版 半沢直樹」。主人公のキャラは全く違えど、組織内の権力争いとスッキリする読後感は確かに似ているかも。1巻ごとの完結ですが、続巻も読みたくなること必至!そして続巻も期待以上です。(書店員・ラーダニーバ)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズのスピンオフ作品。
他者視点の竜崎。とても良かったです。

大森署貝沼副署長の話は情報漏洩と誤認逮捕。
竜崎署長に知られる前に解決を…と思う貝沼でしたが、どうも最悪な選択をしているような気がして結局署長に報告し、指示を仰ぐことにします。
自分の過ちをすぐさま軌道修正できる貝沼もすごいなと思いました。

『疑心』に登場した畠山美奈子がスカイマーシャルの訓練を受ける話。
キャリアであり女性であることから一緒に訓練を受けるメンバーの中で浮いてしまっている美奈子。しかも訓練では周囲の足を引っ張っていると自己嫌悪に陥ります。
思わず竜崎に電話をしてしまう美奈子。そこで竜崎に思いもかけない言葉を言われます。「女性であることを何故利用しないのか」と。
フラットで合理的な竜崎の言葉だから素直に受け入れることが出来るのかもしれませんね。

一番良かった話は『実地』
仮配属の新米警察官を受け入れる地域課の久米課長。
何とか新米警官が脱落しないよう心を配っているのですが、緊急配備で職質をかけたのにみすみす犯人を逃がしたのがその新人警官でした。
刑事課長にその責を問われる久米。地域課の悪口まで言われては黙っていられません。
そして、管理官の野間崎がやってきて失態を責める中、署長の竜崎は自ら新米警官のところまで出向いて話を聞くと言い出しました。
実はこの新米警官、きちんと違和感に気付いて職質していたのです。お手柄です。

それぞれの視点から見える竜崎は合理的でぶれないです。
こんな上司なら良いですよね。

0
2025年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感想
それぞれの視点でみんなが竜崎をどのように見ているかが分かる。大森署が竜崎流に染まりつつあることは分かる。

それぞれのセクションの立場などがあって大変な職場そう。

あらすじ
スピンオフ。竜崎以外が主役の短編集。貝沼副所長、畠山警視、野間崎管理官、関本刑事課長、久米地域課長、小松刑事係長、最後は伊丹刑事部長。

0
2024年01月29日

「小説」ランキング