あらすじ
アメリカ大統領の訪日が決定。大森署署長・竜崎伸也警視長は、羽田空港を含む第二方面警備本部本部長に抜擢された。やがて日本人がテロを企図しているという情報が入り、その双肩にさらなる重責がのしかかる。米シークレットサービスとの摩擦。そして、臨時に補佐を務める美しい女性キャリア・畠山美奈子へ抱いてしまった狂おしい恋心。竜崎は、この難局をいかにして乗り切るのか?
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同じキャリア警察官の主人公「竜崎」と、幼馴染「伊丹」の物語。
とにかく「竜崎」のキャラ設定が秀逸!万事の『原理原則』に忠実で、しがらみの多い警察機構の中、ただひたすら『正論』『理屈』を武器に超合理的に全てを進めていく姿が痛快になってくると、あなたは立派な「竜崎」ファンです。堅物過ぎてヤな奴なのは否めませんが、対照キャラの「伊丹」が、それだけじゃないことを読者に説明してくれます。
的確な判断と部下への指示。こんな上司なら一生ついていきたいっす(かなり堅苦しいけど)。
ドラマ出演者が形容したのは「警察版 半沢直樹」。主人公のキャラは全く違えど、組織内の権力争いとスッキリする読後感は確かに似ているかも。1巻ごとの完結ですが、続巻も読みたくなること必至!そして続巻も期待以上です。(書店員・ラーダニーバ)
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Posted by ブクログ
大森署長になった竜崎が大統領の警護の方面本部長に。無事に全うすることができるのだろうか。
ミステリー?犯人探し?的には交通事故の犯人が逃げ、国内にテロリスト協力者がいると明らかになった時にあいつだろ、とわかってしまったのが残念だった。それに付随して戸高部長は仕事できすぎ。
ただ、竜崎というおじさんの成長という点では、一作目で父親の自覚、二作目で妻の大切さ、そして、三作目で本当の愛情を学んでいったところは、人間味が増して良かった気がした。
次はどんな事件を解決してくれるのか楽しみ。
Posted by ブクログ
2012年(発出2009年) 426ページ
『恋愛など、発情した猫の感情とそれほど違わない。人間を人間たらしめているのは、間違いなく理性なのだ』
冒頭で、アイドルの山咲真美が一日署長を勤めることになり、署内の雰囲気が浮かれ気味になった際に竜崎伸也が思っていた言葉です。
今回は、そんな竜崎が、美人の女性キャリアに恋して苦しんでしまうお話です。
アメリカ大統領の訪日の警備計画に関し、竜崎は羽田空港を含む第二方面警備本部本部長に任命される。竜崎の補佐役として女性キャリアの畠山美奈子が送られてきた。その畠山美奈子に、竜崎は嵐のように激しい恋愛感情を抱いてしまう。四六時中彼女のことが頭から離れず、他の男性といるところを見ると嫉妬し、そばを離れると喪失感を覚え、苦しみのあまり夜も眠れなくなってしまう。そして、米大統領警護のため派遣されたシークレットサービスとの摩擦。大統領に対するテロ計画があり、それに日本人が関与しているという。大統領専用機は羽田空港に乗り入れる予定だが、その羽田空港の防犯カメラに不審な動きを発見し、シークレットサービスのハックマンは即座に羽田空港を封鎖すべきと主張する。国からは空港は封鎖はしないとの決定が。板挟みになった竜崎の判断は? そして苦しい恋心の結末は?
なんだか、竜崎のいつもの切れ味が影を潜めてしまいます。仕事中もずっと悶々としており、畠山美奈子への感情が仕事に影響してしまっていて、正直イラッとしました。終盤になり、ようやく竜崎は自分の悩みを解決できましたが、このあたりは禅問答の話で煙に巻かれたような。
このシリーズが、警察官僚・竜崎伸也の人間的成長を描く物語だとしたら、必要回なのかもしれません。また、娘の美紀の恋愛問題に対する竜崎の姿勢の変化を描くのにも必要な悩みだったのかも。
今回、竜崎語録で1番共感した言葉です。
『出世するというのは、それだけ権限が増えることを意味している。権限が増えれば、できることも多くなる』
私は、同様のことを上の立場に立ちたくない同僚に言ったことがあるからです。しかし、責任も増える立場には立ちたくないみたい。